フランス - メスについて

メスは、フランスの北東部にある人口11万人ほどのコミューンで、モゼル県の県庁所在地になっています。フランス語で「ラヴィル」というニックネームがつけられたこのコミューンは、大規模公園と、商業用の歩行者道路があることで知られます。
3000年ほどの長い歴史があるメスは、地理的な要因もあり、ゲルマン文化が色濃く反映されている独特な場所です。古代にはガロ・ローマの重要都市として繁栄しました。カロリング朝の生まれた場であったり、グレゴリオ聖歌発祥の地でもあります。
そんなメスは盆地気候のために、夏は蒸し暑いのが特徴です。１年を通してもっとも暑い時期は7月で、その時期の平均気温は約25度といわれています。冬は日が短く、12月が１年を通して最も昼が短い月だと言われています。
歴史の長いメスだけに様々な観光名所があります。そのなかでもメスのコミューンを代表するようなランドマークはメッス サン テチエンヌ大聖堂です。
・メッス サン テチエンヌ大聖堂
ステンドグラスで知られるメッス サン テチエンヌ大聖堂は、ローマカトリック教区に属しています。この聖堂のもっとも大きなステンドグラスは、画家マルク・シャガールによるもので世界最大といわれています。
ステンドグラス以外の見所は、ネーブと呼ばれる身廊です。これはキリスト教建築の様式の一部で、中央の通路部分を指します。この中央通路の天井部分が世界的に見て最も高いと言われていて、41.41mの高さで幅が15.60mあります。
教会の建立の経緯を簡単に説明すると、984年から1040年にかけて聖シュテファン聖堂が建立されます。1200年代になり、西側に初期ゴシックスタイルのチャペルが建築されました。69ｍの高さがある鐘楼は1265年から1285年にかけての建築です。
1300年から1330年に建立されたレディチャペルは、大聖堂の南東部に位置しており尖塔の高さは88mといわれています。教会の建築様式はゴシックスタイルで、完成したのは1550年のことです。

・サン・マキシミン教会
もう一つメスで見てほしいのが、こちらのサン・マキシミン教会です。こちらにはジャンコクトーのゆかりがあるステンドグラスが納められています。
・ポンピドゥー・センター・メス
パリにもある有名な美術館のポンピドゥーセンターですが、メスでは1905年以降の作品だけをコレクションしています。美術館は、日本人の建築家「坂茂」とジャン・ド・ガスティーヌの日仏共作です。
・クール・ドール博物館
1839年建立されたクール・ドール博物館は、ガロ・ローマ時代、中世についてのコレクションがあります。博物館の名前は、かつてあった王朝メロヴィングの伝説の宮殿にちなんで付けられています。館内には、カルメル会礼拝堂、ガロ・ローマ時代の浴場、博物館の裏手にシェーヴルモン倉庫などがあります。
一部、迷路になったような部屋も見どころの一つです。博物館がある地域は、コリーヌサントクロワ地区といい考古学的遺物が発掘された地域で、メッツの歴史の中心地といわれています。
・サン・ピエール・ノナン修道院教会
メスでは最古の建築物とよばれているのが、サン・ピエール・ノナン修道院教会です。４世紀に建築されたといわれており、ヨーロッパの中でも最古の部類に入る建築の一つです。
ローマのスパの一部として造られたといわれており、７世紀になっていまのような教会になってのではといわれています。11世紀に教会内部は一部改修されて、16世紀から1970年だに一般市民にコンサート会場などとして開放されるまでは倉庫として使われていました。
・公園と庭
ラヴィルと呼ばれるメスは、580ヘクタールをこえる緑地があり、フランス国内ではもっと公園が多いところです。町の中心部には芝生と噴水がきれいな公園があり、駅の売店などで購入したサンドウィッチを食べながら休憩するのにぴったりです。
かつてフレスカテリー公園と呼ばれていた、4.4ヘクタールの敷地があるボタニカル公園は、無料で見学ができる温室があり、4500を超える熱帯植物を鑑賞できます。
メスで滞在するなら、散歩が楽しめるフォッシュ通りがおすすめです。すぐそばには、地元のグルメを楽しめるレストランがあります。ホテルも四つ星ホテルが点在していますし、観光名所は徒歩圏内なので、少し暗くなってもホテルが近いと安心して、名所を見て周れます。