フランス - リールについて

リールはフランスの北部にある都市です。近隣の主要都市であるパリ、ブリュッセル、アムステルダムなどにも行きやすい場所で、交通の便も良いことから観光都市として栄えています。
町の成り立ちには、リデリックとフィナールという2人の巨人が携わっており、この2人の巨人により640年に町が創設されたという伝説が残っています。しかしながら、これはあくまで言い伝えであり、町について初めて公式な文献で確認できるのは1066年のことです。
1667年にルイ14世によって制圧されるまで、町はフラマン人、ブルゴーニュ人、あるいはスペイン人などによって占拠されてきました。19世紀には繊維工業で大きく発展した町ですが、第二次世界大戦の世界恐慌により産業は大打撃を受け、いったん貧困な町とかしてしまいます。
現在は、英国とフランス、ベルギーなどをつなぐユーロスターという列車で気軽に観光しにいくことができることもあり、フランス国内で4番目に大きな都市にまで発展しています。
リールへ観光に訪れるなら、おすすめ季節は6月から9月ごろの夏の期間です。北海道のような気候をイメージするとよいでしょう。寒い時期が苦手でない方は、クリスマスのシーズンに訪れてみましょう。クリスマスマーケットやイルミネーションなどを楽しむことができます。
リールの街には、歴史的なランドマークが多く存在します。それらの名所をご紹介します。
・旧証券取引所
フランスやベルギーなどの国を歩いていると街の中にグラン・プラスと呼ばれる広場がありその周辺で歴史ある建築物を多く見ることができます。リールも例外ではありません。
グラン・プラスにある歴史的建築物のひとつに、La Vieille Bourseと呼ばれる旧証券取引所があります。1652年から1653年にかけて作られた17世紀の建築物で、現在は中庭で中古の書籍が販売されたり、夏には多くの人がタンゴを踊ったりと、市民の憩いの場となっています。
・リール市庁舎の鐘楼
ユネスコの世界遺産にも登録されているのが、104mの高さがある市庁舎の鐘楼です。内部を見学することができ、鐘楼のもっとも高い部分から町を見下ろすことができます。視界を遮るものがなにもないので360度のパノラマビューを楽しみましょう。
天候によって見学ができないことがありますが、毎日見学することが可能です。所要時間は30分ほどです。双眼鏡がレンタルできるので、じっくりと街並みを眺めることができます。
・パリ門
1685年から1692年に建てられたこの凱旋門は、パリ門あるいはporte de parisと呼ばれています。ルイ14世が1667年にリールを制圧したことを称えて作られたものです。幾何学式庭園のほかに、強さの象徴であるヘラクレスの像や、勝利の神であるマーズなどで飾られています。
門の頂には、王冠を被った二人のエンジェルの像が安置されており、太陽王と呼ばれたルイ14世の栄華を称えています。
・ノートルダム・ド・ラ・トレイユ大聖堂
フランス革命でハプスブルク家が率いるオーストリア軍によって陥落してしまったもののなかに、教会がありました。その後、長いこと再建されないままであったために、歴史がある街にはすこしにつかわない近代的な教会です。
1854年から建築が始まっていたとはいえ、最終的に教会ができあがったのが1999年のことです。大聖堂内には、チャペルが８つありそのうちの一つが、ジャンヌダルクに関連があります。
・リール宮殿美術館
町の中心部にある美術館で、ナポレオン一世の命令によって建築が始まった美術館は、1809年に一般公開され多くの市民が美術に触れる機会を与え続けています。
７万点を超える美術品を展示保存しており、その中には、モネ、ゴッホ、ドラクロワ、トゥールーズ・ロートレック、ロダンなどの作品をコレクションしています。

リール町に滞在し観光するなら、中心部であり交通の便もよいグラン・プラスそばがおすすめです。世界的に有名なホテルから、手ごろなホステルタイプまで幅広く探すことができます。歴史のある老舗ホテルに滞在し、ワンランク上のおもてなしを味わうのもよいでしょう。
また、グラン・プラスのまわりは、週末になるとマーケットがでるのでショッピングなども楽しめます。パブやカフェ、地元のグルメを楽しめるレストランも充実したエリアですので、食事にも困りません。
地下鉄、バス、トラムなどにも乗りやすいので、郊外への観光にも行きやすい場所です。