フランス - クレルモンフェランについて

クレルモンフェランは、フランスの中央高地に位置する都市です。オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地域圏のピュイ・ド・ドーム県の県庁所在地です。ちょうどフランスのおへそのようなこの地は、周りを1000ｍ級の休火山に取り囲まれています。
「人間は考える葦である」の有名な言葉を残した、哲学者であり物理学者であったブレーズ・パスカルはこの地の出身です。

クレルモンとモンフェランという２つの街が合併してできたこの土地は、日本でも有名なヴォルビックやヴィシーといったミネラルウォーターの取水地でもあり、温泉地としても多くの人が訪れる場所です。また、有名なグルメガイドのタイヤメーカーであるミシュランの本社があることでも知られています。また、フランス有数の穀倉地帯としても有名で、アリエ川流域は肥沃で耕作に適した土地で、ブドウ畑も見られます。

人口約14万人のこの地は、1095年にローマ教皇が十字軍遠征の結成を呼び掛けた場所としても有名です。近年では、「フランスの最も美しい村」の事務局が置かれたり、シャレード・サーキットでF1のフランスグランプリが開催されるなど、様々な分野で知名度を上げています。

半大陸性気候の典型であるこの地は、夏は暑く激しい雷雨が特徴で、冬は寒く乾燥する気候です。40℃を記録した夏もあれば、マイナス29℃を記録した冬もあるなど、気温差は激しいものの、日照時間が長いという特徴もあります。

クレルモンフェランには４つの鉄道の駅があります。また、パリのシャルル・ド・ゴール空港、オルリー空港、リヨン・サン＝テグジュペリ空港からの国内線だけでなく、アムステルダム・スキポール空港から定期国際便も出ています。日本からお越しの際は、定期便のある、アムステルダムまたはパリからの乗り継ぎ便が便利です。

クレルモンフェランのランドマークは、やはり街の中心部の観光案内所近くのノートルダム・ド・ラサンプシオン（被商店聖母）大聖堂でしょう。こちらでは、クレルモンフェランの訪れてみたいスポットをご紹介しましょう。

・ノートルダム・ド・ラサンプシオン大聖堂
14世紀に作られたゴシック様式の大聖堂は、この地特有の黒い石で作られています。重厚な外観と対照的に、内部は色鮮やかなステンドグラスがあり、時間によってその色合いを変えてゆきます。
二本の尖塔は、上まで登れるようになっています。螺旋階段を登り終えて上から見渡すクレルモンフェランの街並みや中央山塊のパノラマは、実に印象的です。

・ノートルダム・デュ・ポー聖堂
ロマネスク様式の子の聖堂は、12世紀に建てられた美しい建築です。スペインへと続くサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼の道の歴史的建造物として、1998年、ユネスコの世界遺産として登録されました。
ノートルダム・ド・ラサンプシオン大聖堂の黒ずんだ外観比べると、明るい色合いでシンプルな外観です。地下のクリプトには黒い聖母像が祀られていて、13世紀よりずっと信仰の対象となってきました。

・ル・ピュイ・ド・ドーム
フランスの景勝地として認定を受けているこの休火山（1465ｍ）には、山頂に「メルキュール神殿」と呼ばれる、ガロ・ロマン時代の神殿跡があります。80にものぼるオーヴェルニュの休火山群のパノラマを楽しんでください。
途中には羊が放牧されている牧草地があり、のどかな風景が広がります。

・ル・ピュイ・デュ・パリウ
日本でもおなじみの、ヴォルビックのボトルのラベルの絵の山がこちらの山です。ハイキングコースが色々ありますが、駐車中から1時間から1時間半ほどで登ることができます。頂上からはル・ピュイ・ド・ドームをはじめ、周りの山々が美しく、自然の好きな人におすすめです。登山道が整備されているため、家族連れも多く、小学校低学年ぐらいからの子連れでも登ることができます。

・アバンチュール・ミシュラン
グルメガイドやタイヤで有名な「ミシュラン」。そのミシュランの歴史やタイヤの歴史がこちらで見ることができます。自動車だけでなく、タイヤを使った乗り物の実物があるため、車好きでなくても色々と楽しむことができます。

クレルモンフェランで滞在するなら、市の中心部がおすすめです。大聖堂の近辺には、多くのホテルやレストランが集まっているため、非常に便利ですし、観光をするにしても簡単にアクセスできることがメリットです。

クレルモンフェランは決して治安の悪い場所ではありませんが、やはり日本と同じというわけにはいきません。貴重品は肌身離さず持つ、荷物からは絶対に目を離さない、大量の現金や高価な物は持ち歩かないなど、基本的なことに気を付け、安全に旅ができるようお気をつけください。