カナダ - セントジョーンズについて

セントジョンズ(カナダ)（セントジョーンズ）/カナダには、1583年になって英国のハンフリー・ギルバート卿が訪れ、ニューファンドランドをエリザベス一世の領地であると宣言しました。東岸のアバロン半島は、英国領とみなされるようになりましたがその他の地域はフランスが所有権を主張しました。やがて、フランスが半島を除く全ニューファンドランドを支配し、英仏間で戦争が起きる1688年まで統治しました。1713年ユトレヒト条約によって、フランスはこのニューファンドランド島を英国に割譲しました。その後再び英仏間に戦争が起きましたが、ニューファンドランドには戦争中にも植民者がやってきて入植が進み、発展しました。ニューファンドランドは英国領植民地として最も古い歴史を持っています。1833年に代議制議会が開かれ、1855年には責任政府を持ちましたが他の植民地が自治領カナダの結成をしたときには、ニューファンドランドは参加しませんでした。今世紀に入り1948年の州民投票によりカナダ連邦への加盟が決定され、ニューファンドランド・ラブラドル州は1949年にカナダで最も新しい州となったのです。広々とした大西洋に面してアバロン半島の北東に位置している北アメリカで、もっとも古い港町がセントジョンズ(カナダ)（セントジョーンズ）です。ニューファンドランド・ラブラドル州の州都になります。この歴史的な港町は、天然の良港を形づくり、現在も国際的な海運の拠点となっています。通説ではジョン・カボットが1497年の聖ジョンの日にこの港に上陸したという説がありますが、この主張の是非はともかく、この港が数か国のヨーロッパの漁師たちによって漁業基地として1世紀の間利用されていたことは、明らかです。1583年にギルバート卿がこのセント・ジョンズの港に上陸したとき、数か国の漁師が一か所に集住しているのを見かけています。彼は機会を見て女王陛下の主権を宣言し、新大陸の最初の植民地を英国にもたらしたと信じられているのです。英国初の、北アメリカ植民地の誕生です。セント・ジョンズの町は、19世紀に入って5回の火災が起きていますが、1892年の火災の後再建された旧市街は、以前とは少し変化しました。北アメリカでもっとも古い街路のいくつかは、近代都市としての拡張によってその陰に隠れてしまいました。二度の世界大戦のときには、北大西洋の重要な艦隊基地となってセント・ジョンズは各国語が飛び交う、国際色豊かな港になりました。セント・ジョンズ港の入り口に位置する切り立った断崖の上の丘はシグナルヒルと呼ばれ、もともとは港に入る船に合図するために使用されていました。1762年に英仏が北米における7年戦争の最後の戦いをした場所としても知られています。丘の中央に立つ石造りの建物は、カボットの上陸400年とヴィクトリア女王の即位60年祭を記念したカボットタワーで、1898年に完成しました。内部には1901年にグリエルモ・マルコーニが、この地で初めて英国のコーンウオルから大西洋を越えて送られてきた電波を受信した模様が展示、紹介されています。タワーの頂上からの見晴らしは、市街と港を一望のもとに見ることができるパノラマで、北米の最東端スペア岬の海岸線まで見渡すことができます。7月から8月にかけて軍隊の演習を再現した、シグナルヒルタトウーという催し物が行われています。ニューファンドランドの島の南東の沿岸には、ミステイクンポイントと呼ばれている自然遺産があります。現在でも沿海はタラ漁が盛んにおこなわれていて、この島で魚というとタラのことを指すほどです。カナダは北国であることは、みんなに知られています。北緯49度から北極圏極地に至る広大な国土は、気候も大変に多様です。最も人口が集中するアメリカ国境に沿った地域は、夏の日中は30度を超える暑さになることもありますが、冬にはマイナス25度に下がることも珍しくはありません。例年11月から雪が降り、12月には根雪となって、翌年の4月下旬まで溶けません。半年も続く冬の間で最も寒い1月、2月の気温は平均マイナス10度から20度ぐらいに下がります。日本海流の影響を受けるバンクーバーやビクトリアを除いて、カナダの主要都市は厳しい大陸性気候のため、このように長い極寒の冬を迎えるのです。セントジョンズも、例外ではありません。