カナダ - ケベックについて

ケベック(ケベックタウン)はカナダ東部、ケベック州の州都です。ケベックシティとか、フランス語風にヴィル・ド・ケベックとも呼ばれています。元々このケベック州は、かつてフランスの植民地であったことから、フランスの雰囲気を感じさせる地域です。気候は、ケッペンの気候区分でいう亜寒帯湿潤気候です。夏季は湿度が高く降水量が多いのですが、冬は寒さが厳しく雪が多いという特徴があります。積雪量は平均で3.5メートルほどにもなり、春先に雪が降ることも珍しくありません。ケベック(ケベックタウン)の観光の目玉は、特に旧市街とローワータウンに集中しています。旧市街では、セントローレンス川に沿った高台の上の老舗ホテルシャトー・フロンテナックが有名で、ケベック(ケベックタウン)のランドマークです。またラ・シタデルという要塞があります。この要塞は、かつてカナダの領有権を巡ってイギリスとフランスが争った、七年戦争の舞台でもあります。ディアマン岬の上に立っていて、ここに駐屯する第22連隊は、カナダで唯一フランス語で指揮が行われています。旧市街には他にも、ダルム広場やテラス・デュフランなどの観光スポットが見られます。ダルム広場は旧市街の中心にある広場で、フランスからカナダへやって来た開拓移民団の1人でした。シャンプランは地理学者であり、彼ら開拓移民団が作った植民地は、ヌーベル・フランスと呼ばれるようになりました。テラス・デュフランは、シャトー・フロンテナックを出発点とする板敷きの歩道です。ここれからはシャトー・フロンテナックがよく見え、夏には大道芸人の芸が披露されることで知られています。旧市街では、北米博物館も有名です。ここは元々神学校でしたが後に旧ラヴァル大学となりました。この大学は北米最古の大学として知られています。ではローワー・タウンへ足を伸ばしてみましょう。ここにはプチ・シャンプラン地区があり、ブティックやレストランなどが立つ商業地区です。テラス・デュフランへのケーブルカーもあります。それから、ルイ14世の胸像があるロワイヤル広場もこの地区です。勝利のノートルダム教会があるこの広場は、ケベック入植の礎であり、交易所があった場所ですが、今は商業の中心地です。概して史跡が多いのが旧市街、商業の中心がローワー・タウンといえます。また文化人類博物館である文明博物館もこの地区に立っています。ケベック(ケベックタウン)の郊外にはオルレアン島やモンモランシー滝、サンタンヌ・ド・ボープレ聖堂などがあり、アッパー・タウンには週の議事堂があります。この議事堂はネオ・フレンチ・ルネッサンス様式で、50メートルの尖塔が目を引く設計です。ここには戦場公園もあります。七年戦争の中でも屈指の戦いである、アブラハム平原の戦いが行われた場所です。今は国立公園となっていて、用途も様々です。それからこれは冬季限定ですが、ケベック(ケベックタウン)にはウィンターカーニバルもあります。毎年2月に17日間の日程で行われており、オープニングは世界各国から参加するチームによる、雪の彫刻から始まりますが、このテーマは「自由」と決められています。この時期はセントローレンス川が結氷するので、その氷の上で犬ぞりレースやカヌーレースが行われ、他にも氷でできた建物などが披露されることが多いです。中には氷の遊園地もあります。また雪の女王が選ばれて、パレードが行われたりと、イベントが盛りだくさんです。もちろんフランス系の土地であるため、ケベック(ケベックタウン)は食文化も豊富です。ファーマーズマーケットがありますし、レストランもまた多いです。中には開拓時代の料理をそのまま出す店もあり、いわゆるフランス料理とはまた違った味を楽しむことができます。特にミートパイや、メープルシロップを使った料理はいかにもケベック(ケベックタウン)らしいです。またこのケベック(ケベックタウン)の建築物は、多くの建築様式が用いられています。州議事堂のネオ・フレンチ・ルネッサンスやネオ・イタリアン・ルネッサンス、アールデコなど11種類にも及び、それぞれに個性があります。ケベック(ケベックタウン)を訪れたら、こういう多種多様な建築様式を見て回るのもいいでしょう。交通アクセスはカナダ最大の都市トロントから飛行機で1時間半、鉄道では9時間です。他のカナダの都市、たとえばオタワやモントリオールからも飛行機やバスの便があります。