カナダ - モンクトンについて

モンクトンは、カナダの東部にあるニューブランズウィック州に属する都市です。大西洋に面している同州の中でも南東部にあるウェストモーランド郡の都市であり、プチコーディアック渓谷内に位置します。カナダ国内の大西洋岸諸州の中では、地理的には比較的中央部に位置する都市です。長い街の歴史の中で、大西洋側の諸州の間で鉄道をはじめとする陸路輸送のハブ地として機能していたこともあってハブ・シティという愛称を持つ街でもあります。都市圏においては人口は12万人を超える規模であり、州内最大クラスの都市部です。国内だけでなく世界有数とされるトロントより東の地域において、最も急成長している都市圏とされています。
街の歴史のはじまりは、1733年の植民地開拓によるものでした。ペンシルベニア・ダッチ移民がフィラデルフィアより1766年に到着したことにより、町開きが行われます。開拓当初は農民の集落でしたが、市制が施行されたのはおよそ90年後の1855年のことです。街の名前は近隣のフォート・ボゼジュールにて捕らえられた、イギリス軍士官・中佐の名前に因んで名付けられました。市制が施行された19世紀の中盤あたりには木造船の造船業が発達しますが、1860年代に入る頃には造船業が下火になります。しかし10年後の1871年にカナダ・インターコロニアル鉄道がモンクトンに本社を置いたことにより、事態が一辺します。陸路による流通を支える鉄道の街として約100年間にわたって栄えていくこととなり、その勢いはカナディアン・ナショナル鉄道が機関車操車場を閉鎖する1980年まで続きました。
造船業に次いで鉄道産業の衰退によって二度の経済的危機が訪れたものの、モンクトンはその度に復興を遂げてきた都市です。80年代に危機を乗り越え鉄道城下町として復興したのち、現在では運輸業や流通・小売といった商業都市としての顔に加えて教育や福利厚生、金融や情報科学など多角化した経済的基盤によってより安定して発展を遂げて行っています。主な教育機関としてはケベック州を除いては最大のフランス語大学であるモンクトン大学をはじめ、クランドール大学やマウント・アリソン大学など枚挙に暇がありません。
ファンディ湾からは50km未満、ノーサンバーランド海峡からは30km未満の距離であるにも関わらず、夏と冬の気候は海よりも大陸性気候の傾向が強いです。夏は平均的な降水量分布を特徴として暖かく、冬の厳しさはカナダ国内の例に漏れてはいないものの日差しによって暖かさが増します。冬場のノーイーストオーシャンストームにより、大規模な降雪が発生する確率が高いです。また冬場はセントローレンス湾に海氷が形成されるため、春の訪れが比較的遅くなります。
標高70mと国内では低めとなる標高の市内で、最も高いランドマークとなるのが1971年に建設されたベルアリアントタワーです。高度127mとなるベルアリアントタワーは、建設当時において北米の中で最も高いマイクロ波通信塔でもありました。現在もその地位は揺るがず、大西洋側の4つの州の中でもいまだ最高クラスを誇ります。
市街地の中心部より北東に離れた位置に、グレーター・モンクトン国際空港があります。国内においては5つの路線と、海外に対しては4つの路線の合計9都市へとアクセスしている空港です。1970年代以降に衰退したカナディアン・ナショナル鉄道は、現在は民間利用から貨物輸送を行う企業向けの鉄道となっています。旅客輸送についてはVIA鉄道が担っており、モントリオールからハリファックスの間を結ぶオーシャン号がモンクトンにも停車します。主な幹線道路はトランスカナダハイウェイ2号線に加えて、州道15号線と16号線です。
街のメインストリートには、1920年代に建設されたキャピトルシアターがあります。劇場内ではさまざまな演劇や舞台が上演され、街の文化の中心地です。隣接しているエンプレスシアターでは、小規模公演やコンサートが開催されます。市内には街の歴史を示す鉄道の資料を保有するモンクトン博物館と、多彩な美術品を収蔵するアカデミア美術館もあります。
モンクストンにおけるおすすめの宿泊エリアは、市街地中心地でありベテランズハイウェイとバージニア・アベニューの通りが交わる一帯です。映画館やシアターをはじめ観光やショッピングに最適なスポットが豊富であり、さまざまな規模のホテルが取り揃えられています。