ブラジル - ブラジリアについて

ブラジリアは、1960年にクビチェック大統領の主導によりブラジルの中部に旧首都リオデジャネイロに代わる新首都として計画的に建設された都市です。人口は約300万人で、ブラジルで3番目の大きな都市です。
ブラジリアの新首都建設は、人口・産業が大西洋沿岸に集中する国土利用を内陸部に均衡的に発展させるねらいがあり、世界でも珍しい首都機能移転のモデルケースとして知られています。建設後30年も経たない1987年には早くも世界遺産に登録されました。
新首都は人造湖のパラノア湖のほとりに飛行機の翼を広げた形です。国会議事堂や大聖堂などが独特のデザインで作られています。
市内の道路は自動車道と歩道が完全に区別されており、住宅・商業・官庁街なども明確に区分されています。ただ、その間の移動が不便なこともあり、車での移動が多くなっています。
公共交通は、バスとタクシーに地下鉄も開業しています。
ブラジリアは標高1000mの高地にあり、温帯夏雨気候です。気温は年間を通して平均27℃くらいです。
・三権広場
飛行機型をしたブラジリアの操縦席部分にあたります。立法・司法・大統領という三権の最高機関に囲まれた象徴的な広場です。
・国会議事堂
2つの半円球型の建物です。ニューヨークの国連本部を設計したブラジルの世界的な建築家オスカー・ニーマイヤーが設計したものです。
中央に議会事務局、左側の下向きの半円球のオブジェが保守的な上院、右側の上向きのオブジェが開放的であるべき下院を象徴しています。無料の内部見学ツアーもあります。
・連邦最高裁判所
連邦最高裁判所もオスカー・ニーマイヤーの設計で三権広場に面しています。建物の前には、「目隠しの像」が立っています。ギリシャ神話女神テミスがモチーフで、目隠しをしていますが、これは目に見える予断を排除し裁判を公平な目で行うことを意味しています。手に持つ剣は、強さと勇気を表わすものだそうです。
・アルボラーダ宮殿（大統領官邸）
アルボラーダ宮殿は、世界遺産を構成する建築物の1つです。「黎明の宮殿」という意味で、市の枢要部分よりも早くパラノア湖畔に建設されました。この建築設計もオスカー・ニーマイヤーの手によるものです。柱の形が特徴のあるブラジリアのシンボルです。
・ドンボスコ聖堂
イタリアの聖人ドン・ボスコが見たという「南米の大きな湖の傍の地にユートピアを作るべし」との夢を元にブラジル政府が、夢の記憶通りに建設し、彼の名を冠したものです。
大広間の壁面の窓は80本の柱に支えられており、青いステンドグラスがはめこまれています。夜にはヴェネツィアから取り寄せた7400個のムラノガラスの光が堂内を照らします。イエス・キリストの象徴ともされる青色の万物の光は圧巻です。街の中心から歩いて15分くらいです。
・メトロポリタン・カテドラル
メトロポリタン・カテドラルは1970年に完成しました。高さ40mの円形の白い幾何学的な建物です。16本の弓なりの曲線状の支柱が天に向かって伸びていますが、祈りの手を表しています。周囲を水面が囲んでおり、建物を水面に写し輝かせています。入り口近くに大きなマタイ・マルコ・ルカ・ヨハネの4人の使徒像があります。水面からの気化熱で建物内は夏でも空調不要です。
・テレビ塔
高さ224mのテレビ塔はルシオ・コスタの設計で、三権広場の西側にあります。ブラジリアの都市の全容を見ることができる絶好の場所にあります。塔の75mの高さのところに展望台が設置されています。テレビ塔からは、パラノア湖や国会議事堂、三権広場を中心に左右に広がる集合住宅街などが規則正しく広がっている姿など、飛行機形をしたブラジリアの街並みを見渡すことができます。
テレビ塔の周辺は、週末に市場が開かれます。民芸品など様々な品が売られる店が立ち並び、ブラジルのグルメも味わうことができます。多くの人出で賑わう場所ですので、ブラジリアでも必ず訪れたい場所です。
・国立図書館
こちらもオスカー ニーマイヤーの設計です。シンプルな四角型のデザインが隣接するドーム型の国立美術館との対比になっています。ブラジルの歴史を記した資料がたくさん収められています。Wi-Fiが無料で利用できます。
・ジュセリーノ・クビチェック橋
ジュセリーノ・クビチェック橋も人気が高い場所です。首都移転を決めた大統領の名前が付けられたこの橋は、パラノア湖とブラジリア中央の架け橋として2002年に作られました。ブラジリアの交通の要所にもなっています。
ブラジリアのホテルは市中心部を始め周辺部にも多数あります。著名な建物や広場・ショッピングに徒歩で行けるホテルもありますので、ご希望の観光先に応じて選ぶとよいでしょう。