カナダ - スーセントメリーについて

スーセントメリーは、カナダのオンタリオ州のセント・マリー川沿いにある都市です。オンタリオ州の都市としては人口が多く、都市の南側を流れるセント・マリー川を挟んで、アメリカと国境を接する場所になります。この都市の愛称は「ザ・スー」で、この「スー」とは、1600年代に使われていたフランス語で滝や急流を意味する言葉が由来となっているようです。スーセントメリーの気候ですが、夏は快適で、快晴の日が比較的多くなる日中でもうだるような暑さを感じることはありませんし、朝晩は涼しいのが特徴です。ところが夏の終わりから雨などが多くなり、冬になると、曇りの日が多くなり、雪も降る気候で、凍えるほど寒くなることが知られています。それで、天気・気温・降雨・降雪などを総合的に考えると、観光など活動しやすい時期は7月上旬から8月下旬までと比較的短い期間になります。観光やビジネスなどでカナダのスーセントメリーを訪れる際に気候的に関係して注意したいもう一つの点が、日の出日の入りの時間です。スーセントメリーはカナダの南部に位置するとはいえ、全世界的に見ると北極圏に近い位置です。そのため、太陽が出ているか、日の出日の入り前後の薄明りとなる時間は、夏は極端に長く、冬は比較的短くなる傾向にあります。
カナダ・スーセントメリーのランドマークと言えば、やはりスーセントメリー運河です。スペリオル湖とヒューロン湖をつなぐセント・マリー川にかかる運河で、その2つの湖には高低差があるため、船を航行させるためには閘門(こうもん)と呼ばれる装置がつけられています。パナマ運河にも採用されているこの閘門は水位が異なる河川や運河などで水位を調整して船を上下させることができる空間を作る手法で、カナダ側にも1つの閘門が設けられています。アメリカ側にある閘門は数も規模も大きいため大型の船舶が航行しますが、カナダ側の項目は数も少なく小規模の関門であることから、観光用や娯楽用の小型の船舶が航行するにとどまります。ですが特にカナダ側の運河周辺には公園が整備されていて、カナダ環境省の文化遺産保護制度の一つである「国定史跡」にも指定されています。そして閘門や航行する船舶を間近で見ることができるとして人気の場所で、夏の時期はガイドツアーも開催されるほどです。
スーセントメリーを観光で訪れる場合におすすめの観光エリアは、やはりセント・マリー川周辺の地域でしょう。セント・マリー川沿いで発展した経済の歴史や先の世界大戦にまつわる軍事的な歴史にまつわる施設などが多いのが、セント・マリー川周辺エリアだからです。その一つとして有名なのが、ブッシュプレイン・ヘリテージ・センターです。こちらのセンターは飛行機と森林保護を目的とした施設で、1987年に設立されました。森林消防設備のエリアでは昔の消火のために使われた様々な用具を見ることができますし、飛行機の展示施設には水上飛行機や川や湖を使って短距離で離着陸できるブッシュプレーンなどの飛行機を見ることができ、第二次世界大戦で偵察機として活躍し、今なおカナダの広大な森林を守るべく消火に使用されている機体を間近で観察することができます。さらにこちらにはキッズセンターもあって、飛行機の操縦室に入って機器類をいじることができるので、大人から子供まで楽しみながら滞在できるのが良い点です。加えて観光客に人気なのが、ベルビューパークです。ベルビューパークはスーセントメリーの南部のトップセール島に続いていて、その広大な公園には花壇などが美しく整備されています。様々な遊具が整ったプレイグラウンドもあるので、子供たちだけでなく大人も運動神経やバランス感覚を養うことができます。また、ウォーターフロントエリアには2km以上の舗装された道があり、美しい木々や風景の中を歩くのもやはり人気です。スーセントメリー運河の歴史を知るにはスーセントマリー運河史跡が良いでしょう。今は使われていないものの主に1900年代に100年近く使用されてきた歴史的な運河が今でも残されています。こちらには、その当時としては画期的だった電動で動作する閘門と緊急時に使用されるシステムが残されていて、ガイド付きのツアーで説明を聞くこともできます。こちらの史跡周辺には2km以上の散策路が整備され、湿地と森があることでアヒルやリス・アライグマなど様々な野生動物を観察できるようです。