カナダ - イカルイトについて

イカルイトはカナダのパフィン島南部にある、フロビッシャー湾の奥に位置する都市です。2010年にはG7サミットが開催されたことで一躍有名になった都市でもあります。人口6,000人のうち約6割がイヌイットという深い歴史のある場所で、現在でもイヌイットの伝統的な衣装に身を包んだ人々が見られます。
北極圏が間近にあり、一年を通して寒いツンドラ気候に属していて、樹木は育たず農耕ができない土地です。真夏でも15℃程度の気温のため、春夏に訪れる際にも防寒着が必要です。
最近では、トロントやモントリオールからの航空定期便が運航しており、人の往来が盛んで急速に経済成長を遂げています。空港はイカルイト空港1つで、電車やバスなどはなく車での移動がメインとなります。海が氷結しない真夏のみ船舶の運航もあります。
イカルイトとはイヌイットの言葉で「大量の魚」という意味があり、フロビッシャー湾で取れる豊富な水産資源で生活を支えてきました。現在では、イヌイットの文化を伝承する施設や観光スポットとしての収入が大きくなっています。

イカルイトは一年中寒い気候を生かした観光スポットやアクティビティがあります。イヌイットの文化を体感できる施設もあり、観光客に人気の都市になっています。

・ナッタスナックタアンジット博物館

イヌイットの文化を学べる施設の1つに、「ナッタスナックタアンジット博物館」があります。こぢんまりとした博物館ですが、イヌイットが実際に使っていた工具や衣装、当時の写真や資料などが豊富に展示されています。イヌイットに伝わる伝統工芸品などの展示もあり、芸術が好きな人にとっても面白い博物館と言えます。
博物館にはギフトショップもあり、イカルイトで取れた鉱石やポストカード、コースター、石鹸、カレンダーとった多種多様なお土産品が並んでいます。


・セント・ジューズ・アングリカン大聖堂

イカルイト中心部にある「セント・ジューズ・アングリカン大聖堂」は、丸みのあるシルエットが特徴的な英国式の大聖堂です。1階建ての小さな大聖堂ですが、他にはないルックスでイカルイトのランドマーク的な存在になっています。中に入ると美しい木製の祭壇や、繊細に編まれたタペストリーや絵画などが飾られています。無料で入れるので、旅の合間時間に立ち寄って、ゆっくりとした時間を味わうのもおすすめです。


・ユニッカルビクビジターセンター

イカルイトの子どもたちも授業で訪れる歴史・生物博物館です。公営施設で入場無料なので、観光客の間でも人気のスポットとなっています。イヌイットの歴史が学べるのはもちろんこと、イヌイットより前の時代から生きる動物たちの歴史や生態なども紹介されています。動物の模型なども展示されており、難しい内容が分かりにくい子どもも楽しめます。

・ヌナブト準州議会

ヌナブト準州議会は、イカルイトが属するヌナブト準州の議員が集う議会会館です。事前予約をすればガイド付きで議員会館内を見学できます。海外の議員会館を見学できる貴重な体験は、政治に興味がない人にとっても思い出に残るはずです。建築物としても美しく見ごたえのある建物です。


・ノーザンコレクタブル
イカルイトでも有名なお土産店である「ノーザンコレクタブル」では、イヌイットに伝わる伝統的な工芸品を購入できます。美術館のような展示をしているため、購入目的でなくても楽しめる観光スポットと言えます。地元の芸術家や作家の作品なども販売されており、一点物のめずらしい美術品が欲しい人にもおすすめの場所です。一般的なお土産店とは違う、重厚感のある彫刻や絵画などが販売されています。

イカルイトに宿泊するなら、内陸部よりもフロビッシャー湾に面したエリアを選びましょう。海側の方がスーパーや飲食店などが多く、大聖堂や博物館といった観光スポットへのアクセスも楽になります。
特にクィーンエリザベス通りや、ニアクングジアリアク通りに近いホテルは、空港や観光スポットへの行き来も分かりやすく人気です。イカルイトの治安は安定していますが、夜は冷え込みが厳しく夜間に外出している人はほとんどいません。スーパーやレストランの閉店時間も日本に比べてとても早いです。
季節によっては昼間でも暗いことがあり、14時の時点で夕方のような暗さになることもあります。できるだけ日が出ている間に買い物などを済ませておき、暗い時間は室内で過ごすよう工夫が必要です。