カナダ - ガンダーについて

ガンダーは、カナダの東海岸に位置しているニューファンドランド島の北東部にある町です。ガンダーのあるニューファンドランド島は海洋性気候で、海陸風や季節風などの海と陸の間で起こっている風の影響を受けやすいため、最低気温と最高気温の差が小さいとい特徴があります。ニューファンドランド島は、寒流であるラブラドル海流が島の東側を南下したあとに南側を西へ流れていきます。寒流の影響を強く受けているため、気温は比較的低めなのです。１月になると、島の全体が氷点下となるほど厳寒で、夏でも高原に雪が溶けずに残っているほど涼しいのが特徴です。島はどこも風が強い傾向にあり、特に冬は北米大陸を東から西に向かって進む低気圧が島近くを通ります。そのため、１１月から３月にかけてノーイースターと呼ばれている発達した温帯低気圧による激しい嵐が何度も島を襲います。また、夏には南で発生したハリケーンが接近することがあり、大雨と激しい強風が吹き荒れるのです。ガンダーの有名なランドマークは、ガンダー国際空港です。ガンダー国際空港は、１９８３年にニューファンドランド空港として開港し、１９４１年に王立カナダ空軍ガンダー基地に改称されました。第二次世界大戦には、北米から欧州へ新造航空機を輸送したり、北大西洋の対潜部隊の拠点となります。アメリカ空軍や王立カナダ空軍の飛行機が、ガンダーを経由して欧州へ向かっていったと言われ、戦後になるとアメリカ合衆国の東海岸にある主要な都市から、ロンドンやパリなどに向かうコース上に位置していた為に、給油拠点として利用されていました。１９６０年代にジェット機飛行距離が延長され、多くの航空会社が新型機の導入をすすめたため利用便数が減少し、給油拠点としての役割を担う機会が減少しました。しかし、その後も北米と欧州を結ぶ航空機は全てガンダーの航空交通管制と通信する必要があるなど、北大西洋上の重要な管制基地としての役割を果たしています。また、２０１１年の同時多発テロ事件が発生した際には、イエローリボン作戦の一貫でカナダ交通省とFAAによって、北米の全ての空域が閉鎖されたたために、大西洋航空機３９機がガンダー国際空港に緊急着陸することとなりました。その結果、ガンダーの住民の６０%以上にあたる６６００人以上の乗員乗客が滞在することになりました。この時にガンダーや近郊の住民が、自宅などを解放して乗客乗員を受け入れたという話はとても有名です。ガンダーのおすすめスポットとして一番に挙げられるのは、北大西洋航空博物館です。ガンダー国際空港が、北大西洋の航空史の中でも特に重要な役割を果たしていたことを知ることができる資料が多く展示されています。飛行機が展示されている他に、飛行機の操縦を疑似体験することができるフライトシュミレーターが設置されており、憧れの職業でもあるパイロットの気分になれるとファミリー層の観光客だけでなく、地元の子供たちにもたいへん人気があります。規模はそれほど大きくはありませんが、見応えがある博物館となっているのです。音楽への関心が高い方におすすめなスポットといえば、芸術文化センターです。ガンダーのコミュニティーセンターと隣接していて、地元のバンドやアーティストの公演をはじめとしたさまざまな音楽イベントが行われています。タイミングがあえば、ローカルな音楽と触れ合える絶好の機会となります。ここはすぐ近くに温水プールもあるため、地元の子供たちだけでなくファミリー層の観光客にも人気があるスポットなのです。町の東側にあるコブス・ポンド・ロータリー・パークは、敷地面積の半分以上を占める大きな池と、池の周辺をぐるりと沿うように作られた遊歩道が魅力的な公園です。パーク内には綺麗に整備された芝生の他にも、白樺やブナが生い茂っている森や湿地帯があり、カナダならではの自然を体感することができ、展望デッキやベンチも設置されているため、散策を楽しんで疲れたら池を眺めながら休憩をとるということができます。町の近くにあるガンダーヘリステージ記念公園は、地元市民の癒しスポットとして人気があります。散歩だけでなく、綺麗に整えられた芝生やベンチで一休みすることもできるので人気です。また、ガンダーや周辺地域出身の兵士やパイロットを祀っている記念碑が建てられているなど、歴史を感じることができるスポットとしても人気です。観光や散策に疲れて一息つきたい時にはぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。