ブラジル - べレムについて

べレムはブラジル北部にあり、パラー州に位置しています。アマゾン川の南口にあり、人口は145万人と大きな都市です。1772年にマラニョン州から分離し、パラー州が州都となりました。そして、日本人と日系ブラジル人がおよそ3000人住んでいると言われています。また、半分以上の町がアマゾン川に囲まれているため、動物や植物がたくさん存在しています。そのほかにも、マンゴー並木が立ち並んでいて、市内ではとても有名です。1年をとおして、最高気温は常に30度を超えており、日中平均気温も20度を超えています。湿度も80から90パーセントとなっており、高温多湿の気候です。また、ブラジルの中心部とは陸路で繋がっており、長距離バスも走っていますので、簡単にアクセスできます。空路でもヴァウ・ジ・カーンス国際空港があります。

17世紀末、砂糖を主とする貿易が行われていたが、それから先は社畜が中心になります。また、珈琲や米、綿も重要な産業の1つでした。ところが、南部地域への入植が進んでいくと、ベレムは農業の価格競争に敗退し、衰退してしまいます。また、1836年に紛争が終わりましたが、多くの命が奪られ、悲惨な思いをします。しかし、1866年にアマゾン地方は開拓し、ベレムはゴムを輸出することにより栄えましたが、1912年、価格高騰のため、ゴムの産業は終了してしまいました。現在は北部での商業中心都市になり、アマゾンの集散地として繁盛しています。

ベレムの有名料理には「タカカ」と呼ばれるスープがあり、これはトゥクピー、エビ、ジャンブー、そしてマンジョッカという芋のでんぷんで作られています。ジャンブーは野菜のことで、少し辛いです。そのほかにも、「パット ノ トゥクピー」という鴨のスープなどがあります。

人口が多く、歴史もあるベレムですが、観光地も非常に多い場所ですので、いくつか観光スポットをご紹介します。
・カステロ要寒
1616年に造られた監視所や砲台です。ポルトガルのカステロ・ブランコによって造られ、彼はアマゾン地方を征服しています。ここはパラ州の歴史を学ぶことができる、とても奥ゆかしい博物館です。また、丘に造られているため、グアジャラ湾を見渡すことができ、市場なども見物できます。特に日没の景色は絶景そのものです。そのほかにも、ブラジルについてたくさん知ることができますので、新たな知識を持って帰ることもできます。また、駐車場は無料です。
・エスタサゥン・ダス・ドッカス
劇場やイベントが開催されるアミューズメント施設です。グアジャラ湾にあった倉庫を改修し、造られました。レストランやカフェがありますので、食事をしたり、ゆっくりと休憩することができます。そして、ベレムの有名料理やアイスクリームなど、たくさんの店が揃っているため、とても素敵な時間が過ごせます。川沿いはオープンテラスになっており、景色も最高です。また、アパレルショップやお土産も購入できるので、ショッピングとして訪れることも可能です。
・宗教美術館
ベレム当時の歴史を学ぶことのできる美術館で、カステロ要寒の隣に位置しています。また、イエズス会のアマゾン地域を布教しており、とても神聖なる場所です。建物は2階まであり、1階では、かつて教会だったところをホールにしています。2階にはさまざまな絵画や銀器、聖母マリア像やイエス・キリスト、そして歴史の紹介などをしている展示室となっています。とても美しく、幻想的な場所ですので、一度は鑑賞してみたいものです。
・ナザレ聖堂
バチカンにあるサン・ピエストロ寺院をもとに建てられた教会で、非常に人気の観光スポットになっています。ここはルネッサンス様式で、ベレムでゴムの産業が最も栄えていた1908年に造られました。教会にはさまざまな美しい景色が広がっており、モザイク画の壁は黄金に輝き、ヨーロッパから運び込まれた大理石は豪華で、気品あふれています。また、記念品を購入することのできる店があります。

ベレムはあまり聞いたことのない地名ですが、活気があり、とても栄えている土地です。ショッピングモールや市場も存在します。そのなかでも、マーケット歩きは人気の1つであり、観光客はもちろんのこと、地元の人々で賑わっています。宿泊施設もいくつかあり、中心部のほうでは値段が少し高くなってしまいますが、郊外にはお手頃価格のホテルがたくさんあり、安心です。