イギリス - サウサンプトンについて

サウサンプトンはハンプシャー州の沿岸部にあるイギリス南部の都市です。かつてはイギリス最古で随一の重要な港町として栄えており、貿易などで重要な役割を果たしていました。大ヒットした映画「タイタニック」の豪華客船タイタニック号の母港としても有名な街です。現在もイギリス有数のコンテナターミナルが存在しており、海の玄関口としてクルーズ客船の母港にもなっています。サウサンプトンの歴史は長く、石器時代からこの地域への永住が始まっていたことを示している考古学的な発見があるほどです。そのため、市内には中世の城壁が残っていて、ビクトリア王朝時代の街の歴史を感じることもできる一方、医療と学術が盛んで、イギリス最大級のショッピングセンターがあるなど、商業にも力を入れている近代的な一面も持ち合わせています。サウサンプトンは美術館や博物館、さらには歴史建築が大切に保管されている宝庫としても大人気で、多くの観光客がやってくる都市です。サウサンプトンは、イギリス国内での評価が高いのもその特徴で、安価な生活費と交通費に加え、数多くの大型バーやクラブがあるため、18歳から30歳のイギリス人の独身向けには最高の居住地だと評価されています。サウサンプトンは、天気が不安定と言われるイギリスらしい気候を持つ都市ですが、イギリスの中では比較的温暖な地域で,年間を通して曇りの日が多く、風が強い傾向にあります。雨の日が多いのも、特徴のひとつです。夏は快適ですが、冬は長くとても寒いため、観光で訪れるなら夏に訪れるのがいいでしょう。年間を通して、気温は3度から21度の間を推移し、氷点下や真夏日になることは滅多にありません。そんなサウサンプトンを観光で訪れるなら旧市街エリアがおすすめです。イギリスの古い街並みそのままに、中世時代に海からくる外敵に備えて築かれた城壁が現在も残されているエリアです。このエリアは古い建物と新しい建物が建ち並んでいる場所で、サウサンプトンの歴史を感じながら現代の雰囲気も楽しめます。また、この旧市街地の周辺には、レストランやカフェ、日用品店などがありますので、美味しいイギリス料理を楽しんだ後に港町の風を感じながら観光するのもおすすめの一つです。この旧市街地にある城壁そのものがサウサンプトンのランドマークであり、この世界有数の港町を象徴するものです。城壁を辿っていくと、中世の教会や古いワイン貯蔵室、古民家などの数々の史跡が建ち並んでおり、サウサンプトンの歴史に触れることができます。この城壁内を巡るガイド付きツアーには、国内外を問わず多くの観光客が足を運び,子供から大人まで大人気となっています。そして、旧市街地エリアに来たらぜひ訪れたいのが、サウサンプトン初の博物館であるチューダーハウスです。チューダーハウスは旧市街地の中心部に位置しており1492年に完成しました。ここはサウサンプトン初の博物館であると同時に、800年以上もの長い歴史を持つ木造建築物でもあり、中世から残る歴史の数々を感じることができるサウサンプトンの中でも最も歴史的価値の高い建物のひとつと評されています。チューダーハウスでは、当時のサウサンプトン旧市街の様子やヴィクトリア調のキッチンなど、中世の人々の生活ぶりを垣間見ることができる趣深い博物館です。この建物には博物館の美しい庭を眺めながらゆっくりとしたくつろげる空間を提供しているカフェも併設されています。新たなランドマークと言われているのが、2012年にオープンしたシーシティ博物館でしょう。高くそびえ立つ大きな時計台が目印のこの博物館は、サウサンプトンの歴史や関連する企画展などが開催されているのですが、中でも観光客を含めた多くの人から注目を集めているのがタイタニックに関連する展示です。25分の1スケールで再現されたタイタニック号や当時の船長の海軍軍刀、タイタニック号の事故から無事に生還した乗務員が持っていた懐中時計など貴重な遺留品の展示物コーナーが人気です。その他にも、タイタニック号の操縦を疑似体験できる仮想コーナーや、「沈まない船」とも呼ばれたタイタニック号がなぜ沈没したのか、その原因に迫った実際の裁判の様子も学ぶことができる貴重な博物館で、歴史に関する展示物コーナーでは、石器時代からローマ、さらには中世にかけて発掘された貴重品の数々を展示しています。