台湾 - 花蓮県について

花蓮県は、太平洋と台湾中央山脈に挟まれた台湾東部の県です。国内の県としては最大の面積を誇ります。台北にある桃山空港から国内線約35分で着けるアクセスの良さも魅力です。

日本統治時代の建物が多く残ることから、日本との深い関わりを感じることができます。また原住民である阿美族が多く住む地域としても知られており、いろいろな人種の生活様式を垣間見られる場所です。

もともとは「奇莱」と呼ばれており、1622年にスペインが到来して砂金の採取を行った際には「多羅満」と呼んでいたと記録されています。

漢民族が初めて入植したのは1851年のことです。当時は東部へのアクセスは海路に限られており、日本の統治により臨海道路が完成するまでその状況が続きました。

花蓮県を開拓した日本の人物としては「賀田金三郎」が知られています。彼は1897年に会社を設立し、交通業を手がけました。その後も各地で建設業、鉄道建設や港湾事業に携わり、現地の発展に寄与しました。

長く日本の統治が続いていましたが、1945年の終戦以後は中華民国の領有となり、現在に至ります。

直近では2018年に起こった「花蓮大地震」の被害を受けています。市内のホテルやビルのほか、17人が死亡する被害を出しました。現在でも復興が進められています。

現地の気候は亜熱帯性気候に属しており、台北と似たような天候です。しかしながら台北と比べると冬が温かく、1年を通じて安定した気温という特徴があります。東部の中でも降水量の多いエリアからは外れているため、国内においては一般的な降水量にとどまります。

それではこれより、台湾東部のメイン都市の1つとして知られる花蓮県の観光スポットを紹介していきます。

・阿美文化村
先住民族の阿美族の文化が体験できる観光スポットです。村の中心には高さ22mの神の像が祀られ、信仰を集めています。阿美族が台湾にはじめて到達したときの船の模型も展示されています。数々の舞踊が見られる公演が見ものです。


・花蓮鉄道文化園区
県内東部にある観光スポットで、鉄道関連施設を公園にした場所です。SL機関車の写真撮影が1番人気で、いつも家族連れでにぎわいます。当時の暮らしを感じられる静かな雰囲気が観光客にも好評で、周辺の夜市で食事も済ませることができます。


・吉安慶修院
日本統治時代に建てられた寺院で、台湾でもっとも保存状態が良い日本式寺院として知られています。台湾に住む日本人のためだけでなく、現地の人にとっても病院や学校としての役割を果たしてきました。庭には草木が生えて静かな雰囲気が漂い、観光の休憩場所としてもおすすめです。

・瑞穂牧場
約30haもの面積をほこり、中央山脈の水源に位置する牧場です。国内随一の品質と言われる味の濃い牛乳が自慢で、現地の酪農コンテストで何度も優勝しています。しぼりたての牛乳をそのまま飲めるほか、チーズやスイーツにも加工されています。カフェやサイクリングロードもあり、家族連れでにぎわっています。

・鯉魚潭
県内南西部の湖の観光スポットです。一周4kmの道路が整備されており、サイクリングやドライブを楽しむことができます。ボートに乗って湖の上から湖畔の景色を楽しめるほか、夜はライトアップも実施されるため1日中ゆっくり過ごせるポイントです。

・石梯坪
県の南側にある観光スポットで、エリア全体が広い海岸となっています。波によって浸食された独特な地形を見ることができる景勝地です。国内でもトップクラスの景観を誇る名所として知られています。海に住む生き物を間近で観察できるほか、釣りの名所としても有名です。宿泊もできるため、月明かりに照らされた海岸線を散歩することもできます。

・九曲洞
県内中心部からバスで1時間の距離にある洞窟です。700メートル近いトンネルを30分程度かけて歩いて往復します。狭い渓谷の間を縫うように掘られており、自然を眺めながら散策できるポイントです。多くの人がカメラを片手に散策を楽しんでいます。トイレも整備されているため休憩しながら歩けます。

・蘇花公路
台湾東部を結ぶ幹線道路で、台湾9路線の1つに数えられています。全長は102.4kmを誇り、太平洋や断崖絶壁を見られるドライブコースとして台湾はもとより世界的に有名な道路です。

花蓮県は台北や台中などの都市部と比較して、のどかな田園風景が続く地方都市です。台湾において比較的治安が良い地域とされていますが、人通りが多い夜市を散策する場合はスリ対策を徹底しておくべきです。