名称:Basilica Papale San Francesco D'Assisi
住所:Piazza San Francesco, 2, 06081 Assisi
公式・関連サイトURL:https://www.sanfrancescoassisi.org/html/ita/index.php
イタリアの中央・ウンブリア州アッシジに世界遺産「アッシジ、聖フランチェスコ聖堂と関連遺跡群」があります。アッシジの旧市街は約5kmの城壁に囲まれており、起伏の多い坂道や細い路地が多く、中世の面影を残す場所となっています。
特に「聖フランチェスコ聖堂」や「聖キアーラ修道院」が見どころで、毎年多くの巡礼者が訪れる神聖な場所として知られています。
イタリアの聖人でもある聖フランチェスコは、キリスト教の歴史においても重要な人物。カトリックの修道士である聖フランチェスコが作ったのがフランチェスコ会。その貢献を称え、彼が生まれた街であるアッシジに建てられたのが、「聖フランチェスコ聖堂」です。
どうりでたくさんの観光客がおとずれるとともに、歴史的にも宗教的にも価値の高い場所となっているのですね。
またアッシジはローマ帝国時代から政治・経済の重要な地位を占めた古い都市でもあり、紀元前1世紀頃には「ミネルバ神殿」も建てられました。その遺構も残っている「アッシジ、聖フランチェスコ聖堂と関連遺跡群」を紹介いたします。
目次
【世界遺産】聖フランチェスコ聖堂と関連遺跡群とは?|緑の平原に広がる史跡
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聖フランチェスコ聖堂と関連遺跡群とは?
ローマとフィレンツェの中間地点、標高1300mのスバジオ山の斜面に広がるアッシジの街は人口はわずか2万人。イタリアの都市の中では小さめですが、キリストに次ぐ聖人フランチェスコが生まれ、また眠る町として多くのキリスト教徒が巡礼に訪れています。
1182年、アッシジの裕福な家でに生まれた聖フランチェスコは、何不自由なく生まれ育ました。特に若い頃は奔放な生活をしていましたが、23歳の時、戦争の捕虜となってしまいます。さらに重い熱病をも患らい、その頃から敬虔なキリスト教徒へと回心していったと言われています。
フランチェスコ会を創設すると、清貧を是としたことでたくさんの信者が集まります。没後、フランチェスコ会を通して多くの活動を行ったことが評価され、聖フランチェスコ大聖堂が建てられたのです。
聖堂は外観は白く、清貧と質素さが特徴であるフランチェスコ会に相応しく、牧歌的な印象を受けるでしょう。一方、中は有名な画家による素晴らしい壁画で埋め尽くされています。それは「イタリア宗教芸術の美術館」とも言われるほど。2000年、そんな貴重な聖堂を含めて「アッシジ、聖フランチェスコ聖堂と関連遺跡群」は世界遺産に認定されました。
近くには、この他にもフランチェスコに影響を受けて改宗した聖キアラの女子修道院などもあり、ぜひ鑑賞していただきたい場所です。
フランチェスコ聖堂へのアクセス
日本からイタリアのローマまでは直行便があります。レオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港(フィウミチーノ空港)からローマ市外へ行き、ローマテルミニ駅からからアッシジ駅までは電車となります。素晴らしい車窓を眺めながら約2時間程の旅をお楽しみください。アッシジ駅に到着すると、世界遺産エリアまではバスで約15分です。「サンピエトロ広場」バス停で下車しましょう。
車ですとローマからの所要時間は、片道2時間半から3時間程です。
さらにはローマ、フィレンツェ両都市からアッシジ行きのバスも出ています。または旅行会社主催の日帰りツアーもありますので、一人で公共交通機関を利用するのに不安がある方はご利用下さい。
アッシジ・フランチェスコ聖堂と関連遺跡群のポイント①:サン・フランチェスコ聖堂
「サン・フランチェスコ聖堂」は、聖フランチェスコの功績を称え、彼の死後2年後に教皇グレゴリウス9世により建築されたもの。アッシジの町の北西の斜面に上下2段からなる巨大な建物ですので、解りやすいでしょう。外観は質素ですが、修復に次ぐ修復を重ね、上はゴシック様式・下はロマネスク様式となっています!
アッシジの街を臨む白い大きな聖堂の上の堂には「聖人フランチェスコの生涯」の絵が飾られています。これはフランチェスコの生涯を28の場面に分けて書いたもの。一枚が8畳の大きさもある巨大なものですよ。作者であるジョットの力作を是非ご覧くださいね。
下の堂には同じく有名な画家チマブーエの描いた「玉座の聖母と4人の天使と聖フランチェスコ」もあります。こちらも必見ですね。また地下には聖フランチェスコが眠っています。アッシジを代表するとても貴重な世界遺産「サン・フランチェスコ聖堂」をお楽しみ下さいね。
ちなみにアメリカのサンフランシスコは、聖フランチェスコに由来しています。
フランチェスコ聖堂と関連遺跡群お薦めポイント②:サン・キアーラ修道院
「サン・キアーラ修道院」は、アッシジ地方で掘り出される薄いピンク色と白の石を使った美しい外観をしています。ここは聖キアーラを祀ったもの。彼女は聖フランチェスコの最初の信奉者で、聖フランチェスコの教えに従い、清貧・貞節・従順の精神を貫き通しました。その後、彼女はフランチェスコ会の女子修道会キアーラ(クララ)会の創設者となったのです。
功績が認められ彼女の死後、13世紀になるとサン・キアーラ修道院の建設が始まりました。白とピンクの美しい自然の石と、窓以外は何もないシンプルな教会というのも質素なフランチェスコ会を物語っていますね。また中央にあるテラス状の広場から、美しいウンブリア平原が一望できますので筆硯ですよ。サン・フランチェスコ聖堂と同様、地下には聖キアーラが眠っており彼女を称えて多くの巡礼者がアッシジに訪れています。
聖フランチェスコ聖堂を訪れる際の注意点
「聖フランチェスコ聖堂」も「聖キアーラ修道院」も敬虔なキリスト教信者が訪れる場所です。世界遺産としてだけでなく、聖人の眠る場所としても有名で、とても重要な場所ですよ。見学に行くと多くの信者が静かに祈っている姿を目にします。祈っている人々の邪魔をしないよう、静かに礼節を心がけるようにしてくださいね。
またアッシジは石畳の坂道が多い町ですので歩きやすい靴で行くことをお薦めします。
◎まとめ
世界遺産「アッシージ、聖フランチェスコ聖堂と関連遺跡群」の見どころや詳細を紹介しました。アッシジの街は小さいながら、歴史的にも宗教的にも重要な町です。特にカトリックを信仰するキリスト教徒にとって重要な地でもあり、中世の面影とともにキリスト教の歴史も垣間見られます。緑豊かなウンブリア平原の自然とともにお楽しみください。