イギリスの世界遺産30か所の見どころをチェック!

イギリスの世界遺産30か所の見どころをチェック!

ヨーロッパ有数の観光大国イギリスには、文化遺産を中心に自然遺産や複合遺産など30の世界遺産があります。イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つに加え、イギリスの海外領土まで、多彩な世界遺産が満載。イギリスのシンボルである有名な観光名所から知られざる遺産まで、魅力的なイギリスの世界遺産を全てご紹介します!

目次

イギリスの世界遺産30か所の見どころをチェック!

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1. ウェストミンスター宮殿、ウェストミンスター寺院、聖マーガレット教会

ウェストミンスター宮殿、ウェストミンスター寺院、聖マーガレット教会(イギリス世界遺産)

イギリスの政治の中心地「ウェストミンスター宮殿、ウェストミンスター寺院、聖マーガレット教会」は、ロンドンを代表する世界遺産です。

イギリスのシンボルとも言える、ビックベンの愛称で親しまれているゴシック様式の時計塔は、ウェストミンスター宮殿の一部。テムズ川の麓に建つイギリスの国会議事堂は、イギリスの象徴です。

その国会議事堂のすぐ裏手にあるのが、ウェストミンスター寺院。寺院の敷地内にある聖マーガレット教会と合わせて、1987年に世界文化遺産として登録されました。代々の王家の墓があり、国の式典をはじめ、重要なセレモニーが行われるウェストミンスター寺院もイギリスの重要な世界遺産です。

2. ロンドン塔

ロンドン塔(イギリス世界遺産)

夏目漱石も留学時代に訪れたことのあるロンドン塔は、ユニークな歴史と様々な逸話がある場所。11世紀にウィリアム1世によって建てられたこの場所は、造幣所や天文台、銀行や動物園としての過去を持つイギリスで唯一無二の存在です。14世紀以降は、処刑場としての役割を持つようになります。

第二次世界大戦中も政治犯を幽閉するために使われていたロンドン塔。イギリス史を語るのに欠かすことのできないこの場所は1988年に世界文化遺産に登録されました。ロンドン塔には、ワタリガラスにまつわる伝説があることから現在も世界最大級のワタリガラスが飼育されています。伝説的な話に事欠かないロンドン塔は、ロンドン観光の際には欠かせない世界遺産スポットです。

3. ダラム城と大聖堂

ダラム城と大聖堂(イギリス世界遺産)

イギリス北東部の街ダラムにある「ダラム城と大聖堂」は、イギリスで最初に登録された世界遺産のうちの1つ。1093年に建てられたダラム大聖堂は、イギリスのキリスト教信仰において今もなお重要な教会。ノルマン様式の教会として最高峰と呼び声も高い大聖堂と、同じくノルマン様式のダラム城は1986年に世界文化遺産に登録されました。

どちらの建物もゆったりと流れるウィア川の麓に建っています。高さ66mの塔を持つ大聖堂は、ダラム市街を一望できる絶景スポットでもあります。11世紀にノルマン朝の勢力を示すために作られたダラム城ですが、ダラム大学に寄付された1840年から大学の寮として使われているんですよ。とても威風堂々とした趣の世界遺産です。

4. ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群

ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群(イギリス世界遺産)

イギリスのウィルトシャーにある先史時代の考古遺跡を登録した世界遺産「ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群」。

ストーンヘンジは、イギリスで最も世界に知られている考古遺跡ではないでしょうか。ロンドンから西へ約200kmのところに位置するストーンサークルは、紀元前2500年から紀元前2000年に建てられたと考えられていますが、その目的や建設方法については未だ解明されていません。高さが5m近くある巨大な石が草原の中に30個。円を書くように並べられた石は、太陽崇拝の祭壇石や天文台、墓石などの諸説があります。

ストーンヘンジから約30kmのエーヴベリーにも同様の遺跡が見られ、イギリスの世界遺産の中でも最も謎多き場所かもしれません。遺跡好きの方は必見ですよ。

5. エディンバラの旧市街・新市街

エディンバラの旧市街・新市街(イギリス世界遺産)

イギリススコットランドの首都エディンバラは、中世の街並みとスコットランドの自然が融合した観光地としても人気の世界遺産都市。美しい景観と建築物を楽しめる旧市街・新市街が世界遺産として登録されています。

エディンバラで必見の街のシンボル「エディンバラ城」をはじめ、「聖マーガレット教会」「セント・ジャイルズ大聖堂」「ホリールード宮殿」「スコットランド国立美術館」「エディンバラ大学」など世界遺産として登録されているスポットは数え切れません。

歴史的建築物の素晴らしさに加え、「クラグ・アンド・テイル」と呼ばれる氷河期に作られた独特の地形も見所です。

6. カンタベリー大聖堂、聖オーガスティン修道院と聖マーティン教会

カンタベリー大聖堂、聖オーガスティン修道院と聖マーティン教会(イギリス世界遺産)

ロンドンの南東60kmのところに位置する、イギリスを代表するキリスト教会の世界遺産「カンタベリー大聖堂、聖オーガスティン修道院と聖マーティン教会」。イギリス国教会の総本山「カンタベリー大聖堂」はイギリスきっての巡礼地としても有名な場所です。

バロック様式の荘厳なカンタベリー大聖堂は、イギリスで最初のバロック様式の建物。内部には素晴らしいステンドグラスや壁画、彫刻などがあります。1170年にヘンリー2世に暗殺された大司教トマス・ベケットが埋葬されている場所でもあり、ステンドグラスにはその時の様子が描かれています。

16世紀の修道院解散命令によって閉鎖されましたが、当時の趣を残す「聖オーガスティン修道院」、イングランド最古の教会「聖マーティン教会」とともに1988年に世界文化遺産に登録されました。イギリスのキリスト教会の中で最も重要な世界遺産の1つです。

7. マリタイム・グリニッジ(海事都市グリニッジ)

マリタイム・グリニッジ(海事都市グリニッジ)【イギリス世界遺産】

グリニッジ標準時で有名なイギリスの名所グリニッジは、イギリスの世界遺産の1つ。17~18世紀に発展した趣のある建造物と緑が美しく街歩きが楽しい場所です。

グリニッジを象徴する「カティサーク」と呼ばれる帆船や「国立海事博物館」などがあり、中でも必見なのは「グリニッジ公園」を登ったところにある「王立天文台」。グリニッジ標準時の元になる「王立天文台」には、グリニッジ子午線や博物館もあります。

展望台から見渡すクリストファー・レンによって設計された「旧王立海軍大学校」とテムズ川の奥に見えるロンドンの景色はまさに絶景。ビジターセンター「ディスカバリー・グリニッジ」では、世界遺産都市マリタイム・グリニッジについてより詳しく学ぶことができます。

8. バース市街

バース市街(イギリス世界遺産)

イギリスの首都ロンドンから西に140km程のところにある街、バースは世界遺産の街。この地は紀元前からの温泉地として有名な場所で、風呂の由来の街とも言われています。

1世紀ごろ、ローマ帝国の保養地だったバース。ローマ帝国の衰退とともに荒廃しましたが、18世紀にアン王女により、保養地が復活しました。こじんまりとした小さな街は、景観が素晴らしく街歩きがとても楽しい場所です。

街のランドマークである「バース修道院」やパラディオ様式の巨大な集合住宅「ロイヤル・クレセント」、バースの温泉地としての歴史を学べる博物館「ローマ浴場跡」など、小さな街ながら見所は盛りだくさん!

温泉文化は現在のイギリスにはありませんが、2006年にはこの地の温泉を利用した施設「サーメ・バース・スパ」が再開しました。施設内には温水プールやアロマのサウナ、レストランなどありますよ。イギリスで温泉も楽しめ、ロンドンから日帰りで行ける人気の世界遺産です。

9. ファウンテンズ修道院遺跡群を含むスタッドリー王立公園

ファウンテンズ修道院遺跡群を含むスタッドリー王立公園(イギリス世界遺産)

「ファウンテンズ修道院遺跡群を含むスタッドリー王立公園」は、イギリスのノースヨークシャー州にある世界遺産。スタッドリー王立公園内には、ファウンテンズ修道院の遺跡やスタッドリー王立ウォーターガーデンなどがあります。

1132年に建てられた修道院は、13世紀にはイギリスのシトー会の教会の中で最大規模になりました。ヘンリー8世の時代に解散に迫られ荒廃が進んでいますが、アングロ・ノルマン式の建築物です。

広大な公園の中では、自然の中にある遺跡群やウォーターガーデンなど美しい風景を楽しめますよ。1986年に世界文化遺産に登録された王立公園でイギリスの自然も楽しめる世界遺産です。

10. ブレナム宮殿

ブレナム宮殿(イギリス世界遺産)

イギリスのウッドストックにある宮殿の世界遺産「ブレナム宮殿」は、17年の年月をかけ、1722年に完成しました。イギリスバロック様式の建築物で、独特な茶色の建物が特徴的な世界文化遺産です。

チャーチル元首相の生家であり、現在はマールバラ公爵の邸宅として使われているプレナム宮殿で特筆すべきは、庭園。完成当初は建物同様イギリスバロック様式でしたが、18世紀に入ってから人工湖などがある風景式庭園に改造されました。1932年からル・ノートル様式のフランス庭園に変わって現在に至ります。

自然と庭園の景観美が素晴らしいブレナム宮殿は、1987年に世界遺産に登録されました。カフェやレストランなどもあるので、見学中に一休みすることも可能。天気の良い日は芝生に座ってピクニックを楽しむ人もいる世界遺産です。

11. グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁 - コンウィ城、ビューマリス城、カーナーヴォン城、ハーレフ城

グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁 - コンウィ城、ビューマリス城、カーナーヴォン城、ハーレフ城(イギリス世界遺産)

イギリスのウェールズにある4つの城の世界遺産「グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁 - コンウィ城、ビューマリス城、カーナーヴォン城、ハーレフ城」。13世紀に建てられた軍事機能を併せ持つこの城群は、エドワード1世によって建てられました。

わずか4年半で完成した「コンウィ城」や予算不足のため未完成のままの「ビューマリス城」、自然とのコントラストが美しい「ハーレックス城」とそれぞれ個性を持ったお城です。中でも日本人にとって特別な城は「カーナーヴォン城」ではないでしょうか。宮崎駿監督のアニメ映画『天空の城ラピュタ』のモデルとされるのがイギリスのメナイ海峡に面した「カーナーヴォン城」です。

これら石造りの城群はとても迫力があり、見応え抜群!ウェールズの自然と共に楽しみたいイギリスの世界遺産です。

12. キュー王立植物園

キュー王立植物園(イギリス世界遺産)

ロンドンの南西部にある世界遺産「キュー王立植物園」。イギリスの博物館と言えば大英博物館が有名ですが、ここは言わば植物の大英博物館のような場所です。世界中の植物が一挙に集まる世界最大級の植物園で見応え充分!

木々がのびのびと枝を伸ばしているので、森の中にいるような感覚にさえなります。園内には様々なアトラクションがあり、1日いても回りきれないほど。ヴィクトリア朝様式の巨大な大温室「パームハウス」や、「中国パゴタ」と呼ばれる建築物、日本庭園や日本家屋「Minka House」などもあり、見どころ満載です。

地上約18mを歩ける「空中散策路」は、鳥の目線で園内を見渡せますよ。イギリスならではのイングリッシュガーデンを眺めながら園内にあるカフェやレストランでゆったり過ごすのもおすすめ。家族連れにおすすめの世界遺産です。

13. アイアンブリッジ峡谷

アイアンブリッジ峡谷(イギリス世界遺産)

イギリスのシュロップシャー州にある「アイアンブリッジ峡谷」は、1986年に登録された世界遺産です。アイアンブリッジ峡谷は景観がとても美しく、イギリスの産業革命の始まりの場所。近代的な製鉄法を開発したところから始まった産業革命ですが、その技術の証とも言えるのがアイアンブリッジです。

1779年に造られた世界初の鉄製の橋は、今も橋として使用されています。セヴァーン川の両側は、緑が広がる美しい場所で川に映るアイアンブリッジの姿は絶景ですよ。

歴史的に重要なこの場所は、世界文化遺産の1つ。製鉄の技術を今に伝えるだけでなく、イギリスのカントリーサイドの自然も堪能できる世界遺産です。

14. ローマ帝国の国境線

ローマ帝国の国境線 ハドリアヌスの長城(イギリス世界遺産)

「ローマ帝国の国境線」は、イギリスとドイツにまたがる世界文化遺産です。1987年にイギリス「ハドリアヌスの長城」、2005年にドイツの「リーメス」、2008年にスコットランド「アントニヌスの長城」が追加登録されました。

イギリス北部にあるローマ時代の城壁「ローマ帝国の国境線 ハドリアヌスの長城」は、2世紀にローマ帝国最北端のケルト人の侵入を防ぐために造られた防御壁。完成当時は高さ4~5m、長さ約118kmと壮大でしたが、現在残っているのはその一部分のみです。

前情報なしで見ると、世界遺産ではなくただの石垣のように見えるかもしれません。しかしこの城壁は、ローマ帝国が遥か昔に作り上げた国境線なのです。

17世紀まで利用されていたこの壁は、現在のイギリス内のイングランドとスコットランドの境界線の決め手になりました。ローマ帝国の歴史と建築技術を示すものとして、1987年から世界文化遺産に登録されています。

ローマ帝国の国境線 アントニヌスの長城(イギリス世界遺産)

アントニヌスの長城は、イギリススコットランドの中央部に残るローマ時代の防壁であり国境線です。このアントニヌスの長城は、実はハドリアヌスの長城の代わりとして作られたもの。全長約60km程の長城は、ハドリアヌスの長城と比べると規模は小さいですが、西暦142年から144年の短期間に築かれました。

現在見られるのは荒廃した石垣の後ですが、高い建物が何もない緑の芝に続くアントニヌスの長城の景観は圧巻。ハドリアヌスの長城とあわせて訪れたいイギリスの世界遺産です。

15. ソルテア

ソルテア(イギリス世界遺産)

ソルテアは、イギリスヨークシャー州にあるヴィクトリア時代のモデルヴィレッジの世界遺産。ここは世界遺産だけではなく、ヨーロッパ産業遺産としても重要な場所です。1853年にイギリスの産業家サー・タイタス・ソルトによって建設されました。

19世紀後半の織物工場と労働者が過ごした建物が残っており、当時の様子を垣間見る事ができます。伝染病が産業を阻んだ時代、ソルトはソルテアを理想の街としてつくり上げました。安全性と清潔感を保ちつつ、生産性を向上させることに成功した街の様子は、現在も見て回ることができます。イギリスの産業革命に関連する世界遺産ソルテアは、2001年に文化遺産として登録されました。

16. ダーウェント峡谷の工場群

ダーウェント峡谷の工場群(イギリス世界遺産)

イギリスの中部にあるダーウェント川を付近にある世界遺産が「ダーウェント峡谷の工場群」です。ここは17~18世紀にかけて紡績工場が発展したイギリスの産業革命に関連する世界文化遺産。マッソン・ミルと呼ばれる近代的な工場が生まれた場所でもあります。

1769年にリチャード・アークライトの発明した紡績機は、水車を利用して発展したもので水域が必要だったため、ダーウェント峡谷に工場群が建てられました。工場群は立地条件の悪い場所にあったため、労働者の住宅も建設されています。

街にある建造物800件以上が世界遺産の対象となっていますよ。マッソン・ミルにある労働繊維博物館では、68万ほどの糸巻きを見ることができるのでおすすめ。2001年にイギリスの世界遺産として登録されたダーウェント峡谷の工場群、周辺の自然溢れる景観も美しいスポットです。

17. ドーセットと東デヴォンの海岸

ドーセットと東デヴォンの海岸(イギリス世界遺産)

イギリス南部、イギリス海峡に面した街「ドーセットと東デヴォンの海岸」は、地形がユニークな世界自然遺産。なんとここではジュラ紀のアンモナイトの化石が見つけられます。

自然が作り上げた雄々しい断崖は、三畳紀やジュラ紀、白亜紀の地層が積み重なり作り上げられたもの。特に「ダードル・ドアの天然橋」と呼ばれる岩は、この世界遺産の象徴的な景色の1つです。夏場は観光客が多く集まり、海を楽しんだり、アンモナイトの化石を探したり思い思いに楽しんでいます。

18. コーンウォールと西デヴォンの鉱山景観

コーンウォールと西デヴォンの鉱山景観(イギリス世界遺産)

イギリスの南西部コーンウォール州からデヴォン州西部にかけてある、20もの鉱山景観が登録された世界遺産です。18世紀にスズの鉱山開発から始まったこの地域は、19世紀まで銅やスズの採掘が精力的に行われ、この地域一帯の風景を変えました。19世紀初頭の最盛期には、世界の2/3の銅がコーンウォールと西デヴォンから供給されています。

現在世界遺産として登録されている鉱山景観は、言わば人工的に作られてきたもの。現在は当時使われていた煙突や、レンガ造りの動力施設などの廃墟が残る場所ですが、世界中に影響を及ぼしたイギリスの鉱山産業の始まりの場所として2006年に世界遺産に登録されました。鉱山産業の歴史を語る上で欠かせない場所です。

19. ブレナヴォンの産業景観

ブレナヴォンの産業景観(イギリス世界遺産)

イギリスのウェールズ南東部にあるブレナヴォンも、イギリス産業革命に関する世界遺産です。1788年から始まった製鉄業で発展を遂げた街ブレナヴォンでは、製鋼と炭鉱によって最盛期を迎えますが、1890年の閉炭後から衰退の一途をたどりました。

現在ブレナヴォンでは、製鉄や炭鉱に関する文化遺産を見ることができます。当時使われていた坑道を実際に歩くことができる「ビッグ・ピット国立石炭博物館」や「ブレナヴォン製鉄所」、製鉄業と深いつながりがある「ポンティプール・ブレナヴォン鉄道」など見られますよ。

イギリスには多くの炭鉱街があり、ブレナヴォンに広がる産業景観は保存状態がいいことから2000年に世界文化遺産として登録されました。イギリスの炭鉱の歴史を感じることのできる世界遺産です。

20. ポントカサステ水路橋と運河

ポントカサステ水路橋と運河(イギリス世界遺産)

イギリスのウェールズ北東にあるトレヴァーの村とフロンカサステ村を渡る水路橋と運河は、イギリスの世界遺産の中でもユニークな場所。ランゴレン運河の一部である高さ約38m、長さ約307mもあるポントカサステ水路橋は、イギリスで最も長く高い水路橋です。

幅3.4m、深さ1.60mのトラムには水が流れており、その上を運河船が行き来します。高くそびえる水路橋は、辺り一面緑が広がる自然いっぱいの場所。歩いて渡ることもできますが、ここでは是非とも運河船に乗りたいですね。高い橋の上を渡る運河船からウェールズの自然を楽しんでみてはいかがでしょうか。子供も楽しめるイギリスの世界文化遺産です。

21. セント・キルダ

セント・キルダ(イギリス世界遺産)

イギリスのノースウェストから64km程離れた北大西洋に浮かぶ群島「セント・キルダ」。セント・キルダには、最大の島ヒルタ島をはじめ、ダン島やソアイ島、ボーレー島などがあります。自然が作りあげた断崖絶壁と手つかずの自然が残る素晴らしい場所で、自然景観と多くの野生動物が生息していることから、イギリスでも数少ない世界自然遺産として1986年に登録されました。

1930年以降は無人島になっており、人類の生息していた痕跡の建造物や耕地跡、ハイランド地方特有の伝統的な石造家屋などに見ることができます。これらの文化的価値も認められ、2004年に拡張して世界複合遺産になっています。たどり着くまでにかなりの時間を要しますが、他ではみられない壮大な景色を見ることができる素晴らしい場所ですよ。

22. オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地

オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地(イギリス世界遺産)

イギリススコットランド北部の北海と大西洋の境界に位置するオークニー諸島は、新石器時代遺跡の中心地である世界遺産。オークニー諸島には70個もの島々がありますが、世界文化遺産に登録されているのはメインランド島にある新石器時代の4つの遺跡です。

人の手に触れる機会が少なく、保存状態が極めて良好であるため1999年に世界遺産として登録されました。北ヨーロッパの新石器時代を現在に伝える貴重なイギリスの遺跡群です。先史時代の集落や墓石、地下構造物や石の塔などの石像建築を見ることができますよ。

23. ニュー・ラナーク

ニュー・ラナーク(イギリス世界遺産)

イギリススコットランドの中心部にある「ニュー・ラナーク」は18世紀の紡績工場を再現したモデル・ヴィレッジの世界遺産です。

イギリス各地で発展した紡績産業は、19世紀に入ると衰退を始めます。その時期にイギリスの社会革命家で実業家であるロバート・オーウェンが共同所有者としてニュー・ラナークのシステムを根底から変え、生活者にとってのユートピアを作り上げたことが世界遺産登録の決め手でした。

オーウェンは街に住む労働者、特に子供たちに生活向上に注力しました。イギリス初の幼児学校ができたのもこの時期。ニュー・ラナークの評判を聞いた人々がイギリス内外から訪れ、福利厚生制度の基礎になったとも言われています。

現在はスコットランドの重要な観光地として人気のニュー・ラナーク。世界遺産だけでなく、ヨーロッパ産業遺産の道のアンカー・ポイントでもあります。

24. フォース橋

フォース橋(イギリス世界遺産)

フォース橋はイギリススコットランドのフォース湾にかかる橋の世界遺産。1890年に完成したカンチレバートラス橋で全長約2530m。イギリスの世界遺産として2015年に登録されました。

フォース橋設計の背景には強風が多いスコットランドの気候があります。19世紀のイギリス産業革命により鉄道橋が各所に造られ、テイ橋もそのうちの1つでした。1879年に完成したテイ橋は強風を考慮しない設計の甘さと工事のずさんさから翌年に「テイ橋の悲劇」と言われる崩壊事故を起こし、フォース橋の設計に取り掛かっていたトーマス・バウチは責任を問われ、フォース橋設計は別の建築家の手に渡ります。

そんな曰く付きの橋は現在もフォース湾にかかるスコットランドで一番有名な橋。フォース湾にかかる姿は頼もしくもあるスコットランドの世界文化遺産です。

25. ジャイアンツ・コーズウェーとコーズウェー海岸

ジャイアンツ・コーズウェーとコーズウェー海岸(イギリス世界遺産)

自然の不思議を見せつけられるような石柱「ジャイアンツ・コーズウェーとコーズウェー海岸」は、イギリス北アアイルランドにある世界遺産です。

海岸に並ぶ4万本ともいわれる六角形の石柱は、火山活動によって造られたもの。8kmにも及ぶ不思議な景観は、アイルランド伝説の巨人「フィン・マックール」によって創られたと言われるのも思わず納得です。

1986年に世界自然遺産として登録されましたが、1960年代からは歴史的建築物の保護を目的としたイギリスのボランティア団体「ナショナル・トラスト」によって管理されています。イギリスの自然の驚異を見せてくれる世界遺産です。

26. ヘンダーソン島

ヘンダーソン島(イギリス世界遺産)

出典: Kevin Dooley

ヘンダーソン島は、南太平洋に浮かぶイギリス領の無人島。ピトケアン諸島の1つで、珊瑚礁の島です。1819年にイギリス東インド会社のヘラクレス号ジェームズ・ヘンダーソン船長がヘンダーソン島を発見したことからヘンダーソン島と名付けられました。

ここにはその昔、古代ポリネシア人が生息していた跡が残りますが、人類が消滅した謎多き島。古代ポリネシア人の遺跡の他、正体不明の人骨なども多く見つかっているミステリーアイランドです。自然生態と環境を保護する目的で1988年に世界遺産として登録されています。

27. ゴフ島とイナクセシブル島

ゴフ島(イギリス世界遺産)

南大西洋に浮かぶイギリス領ゴフ島とイナクセシブル島も世界自然遺産の1つ。1956年からイギリスやアフリカの気象観測所の職員を除いて定住者はおらず、無人島扱いの火山島です。過去にクジラやアザラシを獲るために訪れた漁師によって名付けられたゴフ島と固有種の野生の海鳥が多くいるイナクセシブル島は自然保護を目的とした世界遺産。

1995年にゴフ島が世界自然遺産として単独登録され、2004年にイナクセシブル島が追加で登録されています。

28. バミューダ島の古都セント・ジョージと関連要塞群

バミューダ島の古都セント・ジョージと関連要塞群(イギリス世界遺産)

北大西洋に浮かぶバミューダ諸島、イギリス領バミューダ島の首都セント・ジョージは「バミューダ島の古都セント・ジョージと関連要塞群」として世界遺産に登録されています。

1503年にスペイン人に発見されたバミューダ島は、1609年のイギリス移民船が難波したことがきっかけでイギリス領になった島。1612年から定住が始まり、現在の町の原型となりました。

バミューダ島最古の町であるセント・ジョージには見所が盛りだくさん。特に「ターカー・ハウス」や18世紀に建てられた「セント・ピーター教会」、イギリスの軍事工学の発展が見られる博物館などがあります。

アメリカとヨーロッパをつなぐイギリスの世界遺産の中でも変わった場所ですが、自然と海の美しさ、街並みの美しさを楽しめる素晴らしいスポットです。

29. ウェールズ北西部のスレートの景観

ウェールズ北西部のスレートの景観(イギリス世界遺産)

2021年に文化遺産として登録された「ウェールズ北西部のスレートの景観」は、ウェールズ北西部グウィネズ州のスノードン山周辺に位置するスレート採石に関係する鉱山や採石場、ミル(工場)や道路、鉄道といった産業遺産と、周辺の集落に自然をいれた文化的景観です。

30. イングランドの湖水地方

イングランドの湖水地方(イギリス世界遺産)

イングランド北西部の湖水地方は、手つかずの自然景観が美しいピーターラビットの世界。この文化的景観が、2017年に世界遺産登録されました。絵本作家ビアトリクス・ポターが『ピーターラビット』を書き上げたコテージ「ヒル・トップ」は、ウィンダミア湖に近いニアソーリー村にあります。

◎イギリスの世界遺産30か所まとめ

バース修道院(イギリス世界遺産)

イギリスは、イングランドやスコットランド、アイルランドやウェールズとイリギスの海外領土に、それぞれ個性的な世界遺産があります。気軽に行けるところもたくさんあるのが嬉しいポイント。予備知識を入れてから尋ねるとより楽しめます。

日本からロンドンへの直行便は、JAL、ANA、ブリティッシュ・エアウェイズの3社が運航しています。世界遺産の宝庫であるイギリスで世界遺産巡りをしてみてはいかがでしょうか。

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