まさに世界遺産の宝庫メキシコにある多種多彩な世界遺産34選

まさに世界遺産の宝庫メキシコにある多種多彩な世界遺産34選

日本の約5倍の面積を持つメキシコには、ユネスコ認定の世界遺産が34か所もあるんですよ。テオティワカンやチェチェンイツァなどのマヤ文明の遺跡は、名前を聞いたことは無くてもテレビや雑誌などで一度は見たことがあるのではないでしょうか?

他にも、植民地時代に造られた美しい建造物から自然保護区など、メキシコには見どころとなる世界遺産がたくさんあります。今回はそんな多種多様なメキシコの世界遺産を全てご紹介します!

目次

まさに世界遺産の宝庫メキシコにある多種多彩な世界遺産34選

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1.ケレタロ歴史的建造物地区

ケレタロ歴史的建造物地区

メキシコシティから車で2、3時間ほど北西に行った場所にある街ケレタロ。こちらケレタロの旧市街は、「ケレタロの歴史的建造物地区」の名称でユネスコ世界文化遺産として1996年に登録されました。

世界遺産に登録されている中心部は、スペイン植民地時代に造られたコロニアル様式の街並みが広がります。石畳の道が続いており、ゴミも落ちていない大変綺麗な地区。多くのバロック様式の教会や建物が建ち、見ごたえがありますよ。しかしそれだけではありません。このケレタロの街を象徴するものは何と言っても、町の東にある全長1280mもの水道橋でしょう。1738年に造られ、74個ものアーチを持ちます。近くにミラドール展望台(Mirador De los Arcos)という場所があり、そこから見渡せる水道橋は一見の価値があります。

2.ケレタロ州シエラ・ゴルダのフランシスコ会修道所群

出典: Tobiascontreras (CC BY-SA 3.0)

メキシコにある「ケレタロ州シエラ・ゴルダのフランシスコ会修道所群」は2003年にユネスコ世界遺産の文化遺産として登録されています。シエラ・ゴルダ地方の伝道所群は、メキシコのキリスト教化の過程でフランシスコ会士によって18世紀半ばに設立されたものです。この伝道所群があったおかげで、キリスト教の伝道が余り行われてこなかったアリゾナ、テキサスなどへの伝道が可能となったのです。

ケレタロ州の東に位置するこの地域には、先住民によるバロック様式「インディヘナバロック」といわれる教会や彫刻があります。先住民族とヨーロッパの文化が融合した建築は、他で見ることはなかなかできません。その中でも5つの教会が世界遺産として登録されています。

ケレタロ市内から車で約3時間、さらに各修道所も距離があります。世界遺産観光をするのであれば、余裕のあったスケジュールを組んでくださいね。

3.オアハカ中央盆地にあるヤグルとミトラの先史時代の洞窟群

オアハカ中央盆地にあるヤグルとミトラの先史時代の洞窟群

オアハカから車で1時間ほどのところにある「オアハカ中央盆地にあるヤグルとミトラの先史時代の洞窟群」はトラコルラ、ディアス・オルダス、ミトラの3つの地域に跨る世界遺産。この洞窟群では、アメリカ大陸最古と考えられる農耕の痕跡が発見されています。他にもサポテカ文明のヤグル遺跡やモンテ・アルバン期の遺跡カバリト・ブランコもこの世界遺産に含まれ、メソアメリカ文明の生活様式の変化を知ることができる重要な洞窟群です。2010年に世界遺産に登録されています。

植物の栽培の跡が発見された洞窟ギラ・ナキツや大きな球戯場跡があるヤグル遺跡。さらに白馬の岩絵が残ることからその名がついたカバリト・ブランコなど見どころは多いですが、残念ながらすべてが公開されているわけではありません。しかし世界遺産には含まれませんが近くにはミトラ遺跡があり、こちらもかなり見応えのある古代遺跡です。

4.カサス・グランデスのパキメ遺跡地帯

出典: HJPD (CC BY-SA 3.0)

メキシコのチワワ州に位置する「カサス・グランデスのパキメ遺跡地帯」は、1998年にユネスコ世界遺産の文化遺産として登録されました。8世紀ごろに人が住はじめ、重要な交易の地として栄えてきたパキメ。複雑に入り組んだ迷路のような都市遺跡は、敵の襲来から町を守るためと考えられています。トルコ石や陶器などの出土品から、大規模な交易をしていたことがわかり、また貝のビーズや陶器などから幅広い文化から影響されているのが見てとれます。

入り組んだ水道施設やアパートのような居住区があったり、かなり発展した都市でした。最盛期の14世紀から15世紀にかけて、人口は1万人ほどいたと考えられています。しかしその後急速に衰えていったのですが、その謎はまだよくわかっていません。

5.サンミゲルの要塞都市とへスス・ナサレノ・デ・アトトニルコの聖地

出典: Jiuguang Wang (CC BY-SA 2.0)

メキシコの中央高原には、中世ヨーロッパの街並みを感じるコロニアル様式の町が多数存在します。その中でも欧米の観光客を中心に人気の高い町が、グアナファト州のサンミゲル・デ・アジェンデ。この町は郊外のアトトニルコとともに「サンミゲルの要塞都市とへスス・ナサレノ・デ・アトトニルコの聖地」として2008年にユネスコ世界遺産の文化遺産として登録されています。

サンミゲルの中心にあるアジェンデ庭園の前には、荘厳な美しさを誇るサンミゲル教区教会があり、そしてその周りにはコロニアル町並みが広がります。カラフルな建物は18世紀半ばまでに建てられたものが多く残っているんですよ。16世紀ごろにサカテカスで銀が発見され、それをメキシコシティへと運ぶ幹線道路はサンミゲルを通っていました。そうしてこの町は重要な都市として発展していったのです。

ヘスス・ナサレノ・デ・アトトニルコにある教会建造物群は18世紀に建てらました。礼拝堂や壁面装飾は30年の月日を費やし、メキシコのシスティーナ礼拝堂とも呼ばれています。建造物群は今でも巡礼地としても重要な世界遺産です。

6.カミノ・レアル・デ・ティエラ・アデントロ

出典: Orbistertius (CC BY-SA 3.0)

メキシコの世界遺産として登録されているカミノ・レアル・デ・ティエラ・アデントロは、アメリカのニューメキシコ州のサン・ファン・プエブロからメキシコの首都であるメキシコシティまで続く約2,560kmの道路です。300年もの間サカテカスやグアナフアト、サン・ルイス・ポトシで採掘された銀を運び、またヨーロッパから運んできた水銀をメキシコの鉱山に運ぶために陸上交易のための道路として利用されていた道です。

アメリカ国内では世界遺産としては登録されず、メキシコ連邦区、イダルゴ州、グアナファト州、サン・ルイス・ポトシ州、サカテカス州、ドゥランゴ州、チワワ州の8州にも及ぶ部分がユネスコ世界遺産の文化遺産として2010年に登録されています。

7.ソチカルコの考古遺跡跡地帯

出典: Javiericardo (CC BY-SA 3.0)

メキシコシティから車で2時間ほど行った場所にあるクエルナバカ近郊にあるのが、このソチカルコ遺跡です。「ソチカルコの考古遺跡跡地帯」として1999年に世界遺産に登録されました。ソチカルコとは「花々の館」の意味。トルテカ文明の中心地として、650年から900年に栄えたと考えられています。

ソチカルコにはピラミッドや神殿、球戯場などがあります。マヤ文明の天文学は有名ですが、ここソチカルコにも洞窟天文台がありとても興味深いものとなっています。その後のアステカ文明にも影響をもたらしたといわれるトルテカ文明の古代遺跡。メキシコシティからもあまり離れていないので、足を運んでみてはいかがでしょうか。

8.オスピシオ・カバーニャス

オスピシオ・カバーニャス

メキシコ第二の都市ハリスコ州の州都グアダラハラにある世界遺産が、オスピシオ・カバーニャスです。こちらは1997年にユネスコ世界遺産の文化遺産に登録されました。元々この建物は病院施設をもつ孤児院として機能していたのですが、現在は礼拝堂、広場、画廊などのある文化施設となっています。館内にはメキシコで有名な画家、グアダラハラ出身のオロスコが描いた巨大な壁画や天井画が多くの観光客を魅了しています。

またオスピシオ・カバーニャスから街の中心あたるソカロまでのエリアには、グアダラハラの見どころが集まっています。レストランやカフェなどの飲食店も多く、観光客には外すことのできない人気観光スポットですよ。

9.メキシコ国立自治大学(UNAM)の大学都市の中央キャンパス

メキシコ国立自治大学

メキシコの世界遺産の多用性を表している一つがこちら、メキシコ国立自治大学の大学都市の中央キャンパスです。60人以上の建築家や技師が創り上げたこの大学都市は2007年にユネスコ世界遺産の文化遺産として登録されています。こちらの大学都市の見どころは何と言ってもその壁画に尽きるでしょう。メキシコの有名な画家シケイロスが描いた立体的な壁画「民衆から大学へ、大学から民衆」や、フアン・オゴルマンが中央図書館に描いた4つのモザイク壁画などは絶対に見逃すことができないもの。

メキシコシティ南部のコヨアカン地区にあるので、絵画などに興味のある方でしたら有名なフリーダ・カーロの博物館などと併せて観光するのもおすすめ。世界遺産に登録されているメキシコ国立自治大学のキャンパスにて、現地の学生に混じってのんびりと過ごすのも良いかもしれませんね。

10.ルイス・バラガン邸と仕事場

出典: 準建築人手札網站 Forgemind ArchiMedia (CC BY 2.0)

20世紀を代表するメキシコの建築家であるルイス・バラガンは、その独特な色使いやシュールに構成された壁、また水や溶岩といった自然の要素を取り入れたデザインで世界中から注目を浴びているメキシコの巨匠です。彼の自宅や仕事場は「ルイス・バラガン邸と仕事場」として2004年にユネスコ世界遺産の文化遺産に登録されています。

ルイス・バラガンの作品は世界遺産として登録されている彼自身の家だけでなく、個人の家から公共施設の公園などでメキシコシティで見ることができますよ。建築物やデザインに興味のある人には外すことのできない世界遺産。彼の自宅ルイス・バラガン邸や個人宅であるヒラルディ邸などは個人の家なので、見学の際は事前予約が必要になります。

11.トラコタルパンの歴史的建造物群

出典: Luisalvaz (CC BY-SA 4.0)

トラコタルパンとはメキシコのベラクルス州にある町で、15世紀の中頃にスペイン植民地の河川港として建設された街です。1998年に「トラコタルパンの歴史的建造物群」としてユネスコ世界遺産の文化遺産として登録されてます。

こちらの町並みはスペインとカリブ海文化の建築様式が融合した景観。他のメキシコの世界遺産によく見られるコロニアル調の町並みとは一風変わっています。カラフルな建物にピンクの教会など、かわいらしい風景です。このピンクの教会はカンデラリアの聖母教会といい内装も見事なので、一見の価値がありますよ。

12.ポポカテペトル山腹の16世紀初頭の修道院群

ポポカテペトル山腹の16世紀初頭の修道院群

「ポポカテペトル山腹の16世紀初頭の修道院群」は1994年に登録されたユネスコ世界遺産の文化遺産です。16世紀にフランシスコ会士、ドミニコ会士、アウグスティノ会士たちによって建立された修道院群であり、地元住民達を短期間でキリスト教化を行う上で大変役に立った施設です。

ポポカテペトル山はプエブロ州にある活火山であり、メキシコ国内で2番目に高い山です。その山腹にある修道院群は主に箱型の質素な作りと、威圧的な高さが印象的。メキシコ国内のいくつかの州に跨って修道院があるので、全てを訪れるのは難しいです。しかしいくつかの修道院はメキシコシティから1時間少しで行くことができるので、時間に余裕があれば訪れてみたい世界遺産です。

13.歴史的城塞都市カンペチェ

歴史的城塞都市カンペチェ

ユカタン半島の西側に位置し、メキシコ湾に面する都市がここ、カンペチェです。カンペチェは植民地時代に、国内で集めた金銀財宝をスペインに運ぶための港として利用されていた場所。その為、カリブ海を荒らしまわっていた海賊たちから何度も襲撃を受けてしまいます。その襲撃から街を守るためにスペイン人たちは大要塞を建て、スペイン様式の町並みをその城壁に囲まれた内部につくります。その当時の町は今も残り、「歴史的城塞都市カンペチェ」として1999年にユネスコ世界遺産の文化遺産として登録されました。

この街の魅力はやはり、世界遺産として登録される理由にもなったコロニアル調の町並みが残る旧市街。色とりどりの建築物や城壁は、当時の繁栄の面影を今も見ることができますよ。

14.古代都市パレンケと国立公園

パレンケ

パレンケはユカタン半島のチアパス州に位置する、マヤ文明の古代都市遺跡です。マヤ文明の遺跡として典型的な形式であり、1987年に「古代都市パレンケと国立公園」として世界遺産に登録されました。

かつて中央アメリカとエジプトのピラミッドは、違う役割のものと考えられていました。しかしパレンケのピラミッドから王の石棺が見つかり、その定説は覆ります。宇宙飛行士の絵が描いてあるのではないか?と話題になったオーパーツを聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?それこそ、ここパレンケ遺跡で発見されたパカル王の石棺なんですよ。ほかにも天体観測用の塔を有する宮殿や神殿などがあり、王の石棺は見ることもできます。

15.メキシコシティ歴史地区とソチミルコ

メキシコシティ歴史地区

中南米を代表する都市であるメキシコの首都メキシコシティは、郊外のソチミルコとともに「メキシコシティ歴史地区とソチミルコ」として1987年にユネスコ世界遺産の文化遺産として登録されてました。

世界最大の広場であるソカロのど真ん中には、メキシコの国旗が掲げられています。またその周辺にはアステカ帝国の中央神殿であるテンプロ・マヨールやラテンアメリカ最大級の教会建築物であるメトロポリタン・カテドラルなどの観光施設、また数々の飲食店やショップが立ち並んでいます。そしてソチミルコでは、かつてメキシコシティが水上都市であった時の名残を見てとれます。

メキシコシティやその周辺には、他にも世界遺産に登録されている場所が複数存在しています。数日かけてのんびりと観光するのがおすすめですよ。

16.オアハカ歴史地区とモンテ・アルバンの考古遺跡

オアハカ歴史地区とモンテ・アルバンの考古遺跡

メキシコ南部の町オアハカは、その歴史的建造物と郊外にある古代都市モンテ・アルバンの遺跡と共に「オアハカ歴史地区とモンテ・アルバンの考古遺跡」として1987年にユネスコ世界遺産の文化遺産として登録されています。

オアハカはサポテカ民族の宗教都市であり、メキシコの中でも先住民族文化を色濃く感じることができる世界遺産の町。石畳の道やカラフルな建物で構成される町並み、また多くの独特な民芸品は女性を中心に観光客に大人気!またユネスコの無形文化遺産として登録されているオアハカ料理もおすすめです。

郊外にあるモンテ・アルバン遺跡は、オアハカ中心部から30分ほどで行けます。その広大な土地に古代サポテカ民族の神殿や宮殿、天文台、球戯場のある宗教上の祭礼センターとして機能していた場所です。

他にもオアハカの周辺には見どころが多数存在します。メキシコシティ同様数日かけてのんびり観光するのがおすすめですよ。

17.プエブラ歴史地区

プエブラ大聖堂

メキシコシティから東に120km、車で約2時間ほどに位置する都市がプエブラです。その中心部である歴史地区は「プエブラ歴史地区」として1987年にユネスコ世界遺産の文化遺産に登録されています。このプエブラという町は近代都市なのですが、世界遺産に登録されている歴史地区には今もコロニアル様式の町並みが残っているんですよ。

この町の魅力は他にもタラベラ焼きと言われる特産品やその独特の料理にあります。チョコレートなどから作られる独特のモーレソースや、白地に青が美しいタラベラ焼き。世界遺産に登録されているその町並みだけでなく、メキシコでも有名なプエブラの文化も感じてみてくださいね。

18.グアナフアト歴史地区と鉱山

グアナフアト歴史地区

メキシコ中央高原の中にあるグアナファトは、中世の町並みを感じることができる場所。またその治安の良さから観光客に大変人気のある観光都市です。「グアナファト歴史地区と鉱山」として1988年にユネスコ世界遺産の文化遺産として登録されています。

グアナファトは1540年に金鉱床が発見され、それに伴って発展していきます。人が増えるとさらに他の鉱脈も見つかり、18世紀にはメキシコで最も豊かな都市となりました。豊富な資金で豪華なコロニアル様式の町を造り上げ、今ではメキシコで一番美しい町と言う人もいるほど。観光をするなら、特にピピラの丘から見渡す世界遺産の町は絶景ですよ。

19.モレリア歴史地区

モレリア歴史地区

ミチョアカン州の州都モレリアは「モレリア歴史地区」としてユネスコ世界遺産の文化遺産に1991年に登録されています。モレリアは歴史的に重要な建造物が多く、特に中心部にあるカテドラルはメキシコで2番目の高さを誇るバロック様式の教会で、見ごたえがあります。

ピンクのカンテラ石を使った建物は統一感があり、美しい町並みをつくりだしています。またミチョアカン州という場所は食材の宝庫。日本に輸入されているメキシコ産のアボカドの大部分はここミチョアカン州の物だそうですよ。

残念ながら2017年現在、治安の悪化が心配されています。事前に必ず治安情報を確認して、危ないと言われる場所には近寄らないようにしてくださいね。

20.古代都市エル・タヒン

古代都市エル・タヒン

古代都市エル・タヒンはメキシコ北部、ベラクルス州パパンテカ山塊の渓谷に残る古代遺跡。メキシコ湾岸の古代遺跡としては最も有名なものです。ユネスコ世界遺産の文化遺産として登録されたのは1992年。古典期後期から後古典期前期(西暦600年頃から1200年頃)まで繁栄した、メソアメリカの祭祀センターとして考えらている古代遺跡です。トトナカ族、あるいはワステカ族が建設したと言われています。

こちらの遺跡の中で有名なものは「ラ・ピラミデ・デ・ロス・ニチョス」と呼ばれる壁龕(へきがん)のピラミッド。その造りは他の遺跡では見ることのできない装飾。また古代球技発祥の地とも言われ、球戯場なども有名な物です。

21.サカテカス歴史地区

サカテカス歴史地区

メキシコ中央高原の北側にある町サカテカス。サカテカスの歴史地区は1983年にユネスコ世界遺産の文化遺産として登録されています。16世紀にメキシコ屈指の銀鉱山の町として栄えたサカテカスは、その銀で得た莫大な富を利用して豪邸や教会などを多く建設していきました。現在も世界遺産であるサカテカスの歴史地区では、その当時に建てられた建築物がコロニアル様式の町並みを作りあげています。

町の中心にある一際目立つ建物がカテドラルです。植民地時代に建てられたカテドラルは、とても緻密なファザードで飾られています。さらに、カンテラ石で造られているカテドラルはピンク色が美しい教会。世界遺産の町にそびえるカテドラルは、サカテカスの植民地時代を色濃く感じられます。

22.シエラ・デ・サン・フランシスコの岩絵群

出典: Moomintrollmania (CC BY-SA 3.0)

「シエラ・デ・サン・フランシスコの岩絵群」はメキシコのバハカルフォルニア州のシエラ・デ・サン・フランシスコ地域にある岩絵群です。1993年にユネスコ世界遺産の文化遺産として登録されています。古いものは紀元前100年頃のものからありますが、アクセスが困難な場所にあったので保存状態がよく、いまだに鮮やかな岩絵が残されています。

岩絵には人物や様々な動物、魔術的なものではないかと考えられるものなどが描かれています。メキシコが植民地となる前の狩猟遊牧民の生活を読み解くことができ、貴重な世界遺産となったのは納得できるでしょう。岩絵は広範囲に多数ありアクセスは困難ですが、一見の価値があります。

23.古代都市テオティワカン

テオティワカン

数あるメキシコの世界遺産の中でも、特に有名な一つと言っても過言ではないテオティワカンの古代遺跡。こちらは1987年に「古代都市テオティワカン」としてユネスコ世界遺産の文化遺産に登録されています。メキシコシティからバスで約1時間ほどとアクセスもよく、大変多くの観光客が訪れています。また、広大な土地や標高の高さから、ゆっくりと見学したい遺跡です。

紀元前2世紀から6世紀まで栄えたテオティワカン文明の遺跡といわれています。中でも有名なのが太陽のピラミッドと月のピラミッド。ここからの景色は遺跡全体を一望することができ素晴らしいものです。テオティワカンの人々に関してはまだ多くは解明されていません。それも、この遺跡をより魅力のある場所にしているのかもしれませんね。

24.テキーラの古い産業施設群とリュウゼツランの景観

出典: Mdd4696 (CC BY-SA 3.0)

メキシコといってイメージするものは何でしょうか?プロレス「ルチャ・リブレ」?それともメキシコ料理の代表格「タコス」でしょうか?お酒の好きな人ならばテキーラも忘れてはいけませんね。実はメキシコの世界遺産の一つに「テキーラの古い産業施設群とリュウゼツランの景観」というものがあります。

テキーラは産地呼称のお酒であり、決められた場所、原料、製造方法をクリアしていないとその名前を名乗ることができないのです。ハリスコ州テキーラ村周辺はその貴重な製造場所。村の周辺にはリュウゼツラン(ブルーアガベ)の青々とした畑が広がりその光景は圧巻。メキシコらしい世界遺産です。

25.古代都市ウシュマル

ウシュマル

メキシコのユカタン州に位置するマヤ文明の遺跡、古代都市ウシュマル。こちらは1996年にユネスコ世界遺産の文化遺産に登録されています。メリダから南に80kmほど行った場所にあり、車で約1時間ほど。この遺跡は500年から1500年代までと、長く人が住んでいたといわれています。

ウシュマルには水の発生源がありませんでした。そのため雨の神チャックを崇拝し、各神殿にはこのチャック像が飾り立てられています。特にその独特な丸みを帯びた魔法使いのピラミッドは、他のマヤの遺跡でみることができない大変美しいものです。尼僧院と呼ばれる宮殿や大球戯場など、マヤ文明の遺跡に見られる典型的なものもあります。

26.古代都市チチェン・イッツァ

チチェン・イッツァ

ここを訪れるためにメキシコに来たという人もきっといるのではないでしょうか?それだけ有名な世界遺産がここチチェン・イッツァです。こちらの遺跡は「古代都市チチェン・イッツァ」として1988年にユネスコ世界遺産の文化遺産に登録されています。

チチェン・イッツァは、マヤ文明の最高神として知られるククルカン(羽毛のヘビの神)を祀るカスティージョ神殿を中心とした遺跡。春分の日、秋分の日には太陽の角度により、ククルカンが現われるとして世界中の人々が観光に訪れます。遺跡内には天文台もあり、この二つは精密な天体の計算によって建てられています。驚くべきことに現代のコンピューターの計算と同じ精密さであり、新・世界の7不思議にも選ばれているんですよ。

メキシコ屈指の人気リゾート地カンクンから車で2時間半ほどなので、リゾートに訪れたら足を延ばしてでも見る価値のある世界遺産です。

27.パドレ・テンブレケ水道橋の水利システム

パドレ・テンブレケ水道橋

メキシコにある世界遺産の中で、一番最新に登録された場所がこちら「パドレ・テンブレケ水道橋の水利システム」です。2015年にユネスコ世界遺産の文化遺産として登録されています。こちらは1554年から1571年に建造された、メキシコ中央高原のメキシコ州・イダルゴ州の間に位置する水道橋と水利システムのことです。

この水利システムは採水地域・湧き水・水路・貯水タンク・アーケード状の水道橋で構成されており、アーチが1段になっている水道橋としては一番高い造りのものです。その長さは48kmにもおよび、地元民も協力しながら17年かけて完成させました。まだ登録されて間もない世界遺産は、これから注目度もあがるでしょう。

28.レビジャヒヘド諸島

レビジャヒヘド諸島

メキシコの世界遺産には文化遺産だけでなく自然遺産もあります。その中のひとつがレビジャヒヘド諸島です。世界遺産への登録は2016年。レビジャヒヘド諸島はメキシコ・バハカリフォルニア半島の南西、太平洋上に浮かびます。

多様な鳥類、魚類、爬虫類、植物の固有種が生息し、別名「メキシコのガラパゴス」とも呼ばれています。ハンマーヘッドシャーク、ジンベイザメなど数種類のサメを観察することができ、世界中のダイバーを魅了している海域でもあるのです。最も新しいメキシコの世界遺産、その大自然に魅了されに訪れてはいかがでしょうか?

29.ピナカテ火山とアルタル大砂漠生物圏保存地域

出典: Cbojorquez75 (CC BY-SA 4.0)

2013年に登録されたメキシコにある世界遺産の自然遺産がこちらです。アメリカとメキシコにまたがって広がる北米大陸の4大砂漠の一つであるソノラ砂漠。ソノラ砂漠に含まれるアルタル大砂漠とピナカテ火山が世界遺産の主な対象です。

ピナカテ火山では、この土地の複雑な自然環境や固有種、絶滅危惧種を含む多様な生物を見ることができます。またアルタル大砂漠は北米大陸の砂漠で最も雄大で活動的なものでもあり、高さ200mもの砂丘がさまざまな色と形に変化する姿を観察することができます。大変貴重な大自然を感じることのできるこのメキシコの世界遺産、ぜひ訪れてみませんか?

30.エル・ビスカイノ生物圏保護区

エル・ビスカイノ生物圏保護区

エル・ビスカイノ生物圏保護区は、1993年に登録されたメキシコにあるユネスコ世界遺産の自然遺産です。太平洋とカリフォルニア湾に挟まれたバハ・カリフォルニア半島中央部にあるメキシコの生物圏保護区は、コククジラの繁殖地となっています。

ホエールウォッチングの際にはクジラに触れることもできてしまいますよ。またその他絶滅の危機に瀕しているアオウミガメやタイマイなどのウミガメの保護区でもあります。大変貴重な動物たちを観察することができるこの世界遺産の海は、貴重な大自然を感じることができます。

31.オオカバマダラ生物圏保護区

オオカバマダラ生物圏保護区

メキシコの世界遺産「オオカバマダラ生物圏保護区」は2008年に登録されました。こちらはオオカバマダラが越冬する際に暮らす地域の保護を目的としたものです。

約1億5,000万匹のチョウが越冬のため、カナダやアメリカ北部からメキシコへ旅をします。行き先は大部分がメキシコミチョアカン州の東部、残りがメキシコ州西部です。この場所、そして冬の期間でしか見ることのできない大量のオオカバマダラの作り出す黄金の森は必見です。標高の高い土地、それも冬の大自然の中での観察ですので、しっかり寒さ対策をしてこの世界遺産に訪れてくださいね。

32.カリフォルニア湾の島々と自然保護区

カリフォルニア湾の島々と自然保護区

「カリフォルニア湾の島々と自然保護区」は2005年にユネスコ世界遺産の自然遺産として登録されています。メキシコのカルフォルニア湾とはメキシコ北西部、北米大陸とバハ・カリフォルニア半島との間の南北方向に伸びる細長い湾です。

湾内は海洋生物の宝庫となっておりクジラ、イルカ、カリフォルニアアシカ、シャチ、ゾウアザラシなど海生哺乳動物が回遊し、また湾内の島々はアメリカオオアジサシ、オグロカモメなどの海鳥の繁殖場となっています。多種多様な生物を観察できるこちらの保護区は、基本的にはツアーに参加することで行くことができますよ。

33.シアン・カアン

シアン・カアン

シアン・カアンとはメキシコのキンタナロー州にある自然保護区であり、ユネスコ世界遺産の自然遺産に登録されている場所です。メキシコに複数あるユネスコ世界遺産の自然遺産としては一番最初に登録された場所で、世界遺産への登録は1987年。

シアン・カアンではマングローブ地帯でのシーカヤック、セノーテでのシュノーケリングやダイビング、また運が良ければ絶滅の危機に瀕しているマナティを見ることができます。多くの観光客はメキシコ随一の人気を誇るリゾート地、カンクンからツアーなどで訪れます。マヤ文明の遺跡巡りと一緒に、自然遺産に立ち寄るのもおすすめですよ。

34.カンペチェ州カラクムルの古代マヤ都市と熱帯雨林保護区

カラクムルの古代マヤ都市

メキシコにある世界遺産として唯一複合遺産として登録されているのがこの「カンペチェ州カラクムルの古代マヤ都市と熱帯雨林保護区」です。世界遺産としての登録は2002年にまず文化遺産として、そして2014年に自然保護区に拡大する形で複合遺産として登録されました。

文化遺産としては、カラクムル遺跡はマヤ文明最大規模のもの。複数の神殿、そしてその前に並ぶ石碑(ステラ)が大変印象的です。自然遺産としては、自然保護区にジャガーなどが生息し、遺跡内であってもトゥカンやサルなどを観察することができます。貴重な遺跡と大自然を併せて堪能できる、まさに複合遺産として素晴らしいメキシコの世界遺産です。

◎まとめ

メキシコにある全34箇所の世界遺産の紹介しました。有名な場所もたくさんあったと思います。古代文明の遺跡から大自然、または個人の家など本当に多種多彩な世界遺産があるのが、メキシコという国なんですよ。メキシコと聞くと治安が不安な人もたくさんいると思います。もちろん油断はできないですが、きちんと情報を調べていけば問題ない場所もたくさんありますよ。これだけたくさんの世界遺産がある国に行かないのは、もったいない!ぜひ素敵なメキシコ旅行に行ってみてはいかがでしょうか?

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