名称:アルジェのカスバ
住所:アルジェ県
アルジェリアは国土の大半がサハラ砂漠に覆われた国です。その乾燥した大地が形造る様々な奇景は、この国独特のものでしょう。また、古代から残されている歴史的価値の高い遺跡や建築物も沢山あります。
どちらかと言うと、アルジェリアは観光地としてハードルが高い国だと思っている人が多いのではないでしょうか。治安が不安定で行く前の安全確認は必須ですが、この土地ならではの魅力ある観光スポットは沢山あります。ぜひ、旅の参考にしてくださいね!
1.アルジェのカスバ
アルジェのカスバは、アルジェリアの首都アルジェにある旧市街の一角です。カスバとはアラビア語で「要塞」という意味で、16世紀に地中海を縄張りとしていた海賊がこの街を造ったそうです。
カスバの見どころは、街全体の珍しいランドスケープにあります。高低差が118mもある大地に、家々が互いにもたれかかるように建てられています。街の下から細い石畳の坂道を登っていくと、宮殿やモスク、市場や工房があるので、現地の人々の暮らしが垣間見られるでしょう。天気の良い日に展望台まで行けば、地中海が一望できますよ!
しかし、カスバの街は老朽化が進んでおり、建築の構造上、一か所が崩れると大部分が崩壊する可能性があるようです。また、外国人旅行者が迷路のように入り組んだ路地を散策するには、信頼できるガイドが必要でしょう。中世アラブの雰囲気を味わえる貴重な場所ですが、リゾート地と異なることは忘れずにおきましょう。
2.ジェミラ
出典: Marco Di Leo /flickr(フリッカー)
ジェミラは大変保存状態の良いローマ帝国都市の遺跡として、1982年世界遺産に登録されました。ジェミラには、様々な神殿、3000人収容できる劇場、集会場、寺院、大浴場、公共トイレ、市場などの跡が残されいます。ここで生活していた人々の文化的豊かさがイメージできますよね!この都市が滅びたあとに訪れたアラブ人が、都市建築の美しさに感動し、アラビア語で美しいという意味の「ジェミラ」と名付けたそうです。
遺跡の石には美しい模様が彫られていたり、色とりどりのモザイクでさまざまな海の動物が表現されているので、アート的な面でも楽しめますよ。また、ジェミラ遺跡は自然豊かな小高い丘にあります。周囲には小麦畑やユーカリの並木道があったりして、季節によっては、アーモンドのピンク色の花を楽しめますよ。こんなのどかな田舎風景の中で古代遺跡を見るのも魅力的ですね。
名称:ジェミラ
住所:セティーフ県
3.ムザブの谷
ムサブの谷は首都アルジェから約600kmのガルダイア県にあります。谷の中心には、ガルダイア、ベニイスゲン、メリカ、ボウノウラ、エルアトゥフの5つの町が集まっており、モスクを中心に同心円状に民家が建てられています。
民家は茶色い土壁の上に、ところどころ白や黒で塗装されていて、屋根には蚊よけのブルーが塗られています。ムサブならではの建築デザインは見どころの一つですよ!また、非常に乾燥している土地なので、水を確保する技術は必須なんです。町のいたるところに貯水槽や水路、井戸とヤシの木が見られます。こうした灌漑技術によりオアシスの町として発展してきたんですね。
もう一つの見どころは、人々の伝統的な暮らしぶりです。今でも女性は肌を出さず、全身白の衣装を身にまとっています。茶色の土壁に白装束の女性たちは美しく、つい写真を撮ってしまいたくなりますが、撮影は禁止です!マナーを守って旅を楽しみたいですね。
名称:ムザブの谷
住所:ガルダイア県
4.ホガール山地
ホガール山地は、首都アルジェから1500kmのサハラ砂漠にあり、別名アハガル山地とも呼ばれています。標高は平均800m以上で、アルジェリアで一番高いタハト山があります。めったに人が近寄らず、侵食による奇形の茶色い岩々が広がるこの高地は、まるで月に降り立ったような風景だと言われています。ここはかつて、スーダンから地中海へ向かう商人たちが通る道でした。美しく広大な風景を眺めながらの旅路はどんなものだったでしょう?
時季よって、ワンタメルラの谷からラクダに乗ってキャンプをしながらいくつかの山を越える、観光客向けのトレッキングツアーが開催されることもあるそうです。ホガール山地の東側にはタッシリナジェールと呼ばれる低地の砂漠地帯があります。今は砂漠ですが、数千年前までは緑があり、その頃に書かれた壁画群は国内観光スポットとして大変人気がありますので、併せて行きたいですね!
名称:ホガール山地
住所:タマンラセット県
5.タッシリ・ナジェール
タッシリ・ナジェール高原は、リビアとの国境近くにあります。岩の森のような景観と古代から残された壁画群は、1982年に自然と文化を合わせた複合遺産として登録されています。
壁画には、踊る人々や、羊の群れ、牛、キリンなど描かれています。一番古いのは約8000年前の物だそうです。タッシリ・ナジェールは現地語で「水の豊富な土地」を意味します。今は砂漠でも、地名からすると、このような動物が描かれているものうなずけますね!
壁画群の中でも際立って有名なのが、「セファールの白い巨人」と呼ばれるものです。3mも身長がある人形の絵は、世界各地にある謎の壁画と共通点も多く、宇宙人が関わっているという噂も!
タッシリ・ナジェール高原に行くには、首都のアルジェからジャネットまで飛行機で行き、そこから車を使います。最終的に壁画までたどり着くには徒歩で行く必要があり、多くのツアーにはキャンプが含まれています。
名称:タッシリ・ナジェール
住所:タマンラセット県
◎まとめ
アルジェリアは一般的に砂漠のイメージが強い国ですよね。でも、地中海沿岸には、森や草原が存在する美しい国立公園がありますし、雪が降る山々や湖もあるんですよ!この記事で紹介したタッシリ・ナジェールと同様、ナシオナル・デル・カラ公園とクレア国立公園も人気が高い公園です。今回は紹介しきれませんでしたが、まだまだ沢山の魅了があるアルジェリアです!