飛行機でよく耳にするコードシェア(共同運航)とは?うまく利用して安いチケットをGET!

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飛行機でよく耳にするコードシェア(共同運航)とは?うまく利用して安いチケットをGET!

国内線や国際線の飛行機の中でよく耳にする「コードシェア」(またはそれで運航される便をコードシェア便)という言葉があります。例えば、ジェットスターのGK119便は、日本航空(JAL)6029便とオーストラリアの航空会社である、カンタス航空5009便、アメリカのアメリカン航空9052便とコードシェアをしています。

ジェットスターで航空券をとった人で「どうしてJALが出てくるのか…そして外国の航空会社のはずであるカンタス航空やアメリカン航空はどう関わりあっているのか?」と疑問に思う人もいるかもしれませんね。

実際、この便には、アメリカン航空やカンタス航空のCA(客室乗務員)は乗っていません。

実はこの「コードシェア」という仕組みを知ることによって、航空券を安く探せるコツにつながります。今回はこのコードシェア便のトリックと活用方法をお教えします。

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飛行機でよく耳にするコードシェア(共同運航)とは?うまく利用して安いチケットをGET!

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共同運航とコードシェアは厳密にいえば違う

共同運航の形態の1つがコードシェアです。コードシェア(便)とは、「提携相手の機材を使って運航する便」ということになります。上記の場合、ジェットスターGK119便が使用している飛行機は、日本航空(JAL)6029便とカンタス航空5009便、アメリカン航空9052便でもあるということです。

コードシェア便の乗務員やサービスは基本的にコードシェアされる相手側のサービスになります。例えば、ジェットスターGK119便にはJALやカンタス航空、アメリカン航空の乗務員は乗務していません。また、シートやサービスもジェットスターのものを使用し、ターミナルも成田は第3ターミナル発着です。

後述するANA(全日本空輸)とスターフライヤーの関係のように、コードシェア先の航空会社によってターミナルも変わる場合もあるので要注意です。

共同運航には双方の乗務員が乗務するケースもありますが、過去にはアエロフロート・ロシア航空の東京(羽田発着、成田空港はまだ開港していませんでした)~モスクワ便にはアエロフロートと提携相手であるJALが乗務していたという事例や、オーストリア航空の東京(成田)~ウィーン便には、オーストリア航空と提携相手であるANAの双方の乗務員が実際に乗務していたなど非常に例は少ないです。

【日本国内線編】JAL系とANA系に分けられる日本国内線のコードシェア

日本の航空会社はJALとANAにコードシェアしている会社が多い

日本を代表する航空会社であるJAL(日本航空)とANA(全日本空輸)。この2つ以外にも航空会社はたくさんあるのですが、コードシェアを行う会社もこの2社の系列に分けられ、どちらにもコードシェアを行っていない会社は、「スカイマーク」やLCCの「ピーチアビエーション」、「春秋航空日本」、「エアアジアジャパン」などむしろ少数派です。

JALは、グループ会社である日本エアシステムや北海道エアシステムなどのほか、フジドリームエアラインズ、天草エアラインなどといった会社とコードシェアしています。

また、ANAは、IBEXエアライン、エアドゥ、ソラシドエア、スターフライヤー、オリエンタルエアブリッジといった航空会社とコードシェアしています。

JALとANAがコードシェアする側、後者の各社がコードシェアされる側となります。スカイチケットではコードシェア便を「●●が運航」と表記していますが、JAL、ANA便名義で買うと、JALやANAのマイルがたまる一方で、同じ飛行機に乗るにもエアドゥの航空券が安いことが多いです。

機内サービスもJALやANAではなく、相手の便のものを基本的に受けることになります。例えば、スターフライヤー運航便をANA便名で予約してもスターフライヤーと同様の機内サービスを受けることになります。

ANA便で予約してもスターフライヤー運航便は羽田空港第1ターミナル発着の便もあるので、搭乗する際はそちらに向かうことになります。

そして、何らかの意図があってコードシェアしない便(スターフライヤーの羽田~北九州の一部便やFDAの一部便など)もあります。

では、「JALやANA便名で買う場合の利点は?」というと国際線の絡みによるものが多いです。

国際線を見れば、コードシェアがわかる!

航空会社はなぜこのような面倒に思えることをしているのでしょうか。

日本国内線の航空便は外国の航空会社が飛ばすことができません(春秋航空日本は中国系だと思われることが多いですが、航空法の外資規制があるため、本家の春秋航空による出資は33%以内です)。

国内の輸送に国外の勢力が入り込んでくることを防ぐことを「カボタージュ規制」といいます。例えば、船の世界でいうと日本船籍以外の外国船運航のクルーズ船が「日本一周」と称しているのにわざわざ韓国の釜山やロシアのコルサコフなどの外国に寄るのもこのためです。

このままだと、例えば、現在直行便のない名古屋からニューヨークに行く場合、羽田や成田まで航空機や新幹線などで自力で移動し、そこから国際線に乗るか、名古屋から直行便のあるソウルなどに飛んで、乗り継ぐしかないですが、コードシェア便がこれを解決します。

コードシェア便の場合は、国外に行くこと、国外から到着することが前提条件になっています。そうすることによって名古屋→成田→ニューヨーク→成田→名古屋を1枚の航空券で発券でき、乗り継ぎがスムーズになります。

同様にJALやANAもアメリカや韓国などでコードシェアを行っているので、JALやANA便名の通しの航空券で、例えば、福岡、札幌といった都市から東京経由でアメリカ各地までといった航空券を購入できます。

コードシェアで滞在の選択肢が広がることで乗客にも、航空会社にとってもwin-winの関係に

コードシェア便は航空会社や乗客にも恩恵が大きい

東京から外国のある都市まで日系のAという航空会社が1往復していて、Bという外国系の航空会社も1往復、Cという航空会社も1往復していたとしましょう。東京からその都市までは1日3回搭乗機会があることになります。

海外への航空券は往復航空券で購入するのが基本です。日本国内からの片道と海外からの片道で購入するとLCCや一部航空会社を除いて割高になるのが基本です。

例えば、日系のAという航空会社で往復する場合、Aは、午前中に東京を出発、現地を午後に出発という場合、Aという航空会社に乗るには午前中に東京の空港に向かう必要があります。あわただしいですよね。地方の方は前泊が必要かもしれません。

一方、Bという外国の航空会社は午前中に現地を出発し、午後に東京で折り返し、出発します。ゆっくり空港に向かうことができる反面、現地は夜遅くなることもあります。また、地方の方は羽田や成田に1泊しなくてはならない可能性も…

いずれにしてもAとBの航空会社、双方のフライトには課題が残ります。しかし、2往復に増便するには航空会社にとって、負担が大きいです。

そこで、AとBがタッグを組んでコードシェアをすれば、搭乗の機会が2回に増えるので行きはA社便で帰りはB社とのコードシェア便利用、といった具合に時間を有効活用できます。また、共通のライバルであるCの航空会社は1往復しかしていないので、その面でも優位性があります。

さらに、東京までのA社国内線便にB社利用の乗客を乗せる代わりにB社の現地国内線便にA社の乗客を乗せることで、その都市がある国での行動パターンも増え、より多くの集客が見込めます。

航空会社は何をもとに業務提携をしているのか?

航空会社はアライアンス(航空連合)という連合を組んでいます。大きな派閥は3つあり、JALならば「ワンワールド」、ANAならば「スターアライアンス」、ほかに日本の航空会社は加盟していませんが、デルタ航空が所属する「スカイチーム」があります。

この所属するアライアンスによって相手も違ってきます。例えばアメリカではJALは同じワンワールドに属するアメリカン航空、ANAはスターアライアンスのユナイテッド航空と組んでいます。ちなみにスカイチームはデルタ航空です。

マイレージも相互に乗り入れていることが多いので、ANAのマイレージをユナイテッド航空の特典航空券に取り換えることも可能。ただし、相手側運航便のコードシェア便との自社名義での交換が不可能であるなどの制約もあります。

航空会社が多く存在しても3つのアライアンスがそろっているとは限らず、日本におけるスカイチームのようにその国に1つが欠けている場合も多いです。ちなみに、スカイチームであるデルタ航空は自ら日本からさらに第三国へ延びる路線を多く所有していましたが、ソウルから第三国への大韓航空便とコードシェアすることでこれを置き換えています。

ただ、スカイチームがワンワールドの航空会社と連携していたり(大韓航空とJAL)するなど、異なるアライアンスの航空会社間で提携している事例や、自らは三大派閥に入らず、コードシェアだけしていたりする場合(エミレーツ航空とJAL)もあります。

コードシェア便を知って便利な旅行にしよう

楽しい旅行にしよう

コードシェア便は自社運航便とターミナルが違ったり、サービスに差が出たりするなど不便な部分もありますが、上手に使えば、乗り継ぎの待ち時間が少ない効率的な旅行も可能です。

星の数ほどある格安航空券ですが、こういった事例もあることを確認して、楽しい旅行や有意義な出張にしましょう。

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