夏目漱石も訪れた『草枕』の舞台!小天温泉の観光の見どころをご紹介

夏目漱石も訪れた『草枕』の舞台!小天温泉の観光の見どころをご紹介

熊本県玉名市にある小天温泉(おあま温泉)は、あの文豪・夏目漱石も訪れた温泉です。小説「草枕」の舞台にもなっているため、文学好きにはたまらない聖地となっています。明治時代には5~6軒の温泉宿がありましたが、現在は2軒となっている小天温泉。そんな小天温泉には、観光スポットとしての見どころがたくさんあるのです。魅力は温泉だけではない小天温泉の見どころをご紹介していきます。

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夏目漱石も訪れた『草枕』の舞台!小天温泉の観光の見どころをご紹介

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夏目漱石と小天温泉

熊本市の第五高等学校の英語教師をしていた夏目漱石は、明治30年の年末から明治31年の年始まで数日間、小天温泉に休暇として訪れました。小天温泉は熊本市街から一番近い温泉です。夏目漱石がロンドンへ行った際に友人へ送った手紙に、小天温泉についての記載がされていたことからも、彼が小天温泉をかなり気に入っていたことがわかりますね。

その後明治39年に小天温泉がモデルとされた「那古井温泉」が舞台となる「草枕」が書かれたのです。後に旧称田尻温泉は、「草枕」にちなんで屋号を「那古井館」に変更しました。

夏目漱石が実際に泊まった部屋は「漱石館」として残されています。小説に登場した温泉と名前まで同じ温泉宿が小天温泉にあることで、より一層文学好きにはたまらない観光スポットとなりました。

アクセス

小天温泉へのアクセスはバスがおすすめです。

①熊本駅から九州産交バスの西11系統に乗り約40分でバス停「小天温泉」下車
②桜町バスターミナルから九州産交バスで約50分でバス停「小天温泉」下車
③玉名駅から九州産交バス西11系統に乗り約25分でバス停「小天温泉」下車

駐車場も完備されていますが、すぐにいっぱいになってしまうので公共交通機関を利用するのがおすすめです。
どうしても車を利用したい場合は、比較的早めの時間に訪れてみてください。

前田家別邸

前田家別邸は夏目漱石が実際に宿泊した場所で、今でも現存されている邸宅です。夏目漱石は4畳間と離れの6畳間どちらにも宿泊されたといわれています。

現在も残されているのはその6畳間と、浴場です。浴場については湯槽をそのまま保存、上屋は復元され現存されているのです。以前は離れの一部のみしか一般公開はされていませんでしたが、2004年度に浴場が修復されたため2005年4月24日より一般公開が開始されました。

「草枕」の名場面、登場人物の那美さんが手拭を下げて湯壺に下りてくるシーンは、この場で実際に起きたことから生まれました。小説をじっくり読んでから前田家別邸に訪れることで「草枕」の世界に入り込んだような気分になれるでしょう。

野出の茶屋跡

小天温泉の前田家別邸へ向かう「草枕道」が「草枕」の第1章と第2章の道中編で書かれています。その道の途中にあったのが野出の茶屋。現在は展望公園として整備されています。小天温泉へは熊本の郊外からこの2つの峠を越えて向かうため、夏目漱石もここにあった茶屋をよく利用していたといわれています。

「山を越えて落ちつく先の、今宵の宿は那古井の温泉場だ」という文章から読み取れるように、野出の茶屋後からは海が見えます。この景色を思い出しながら夏目漱石は草枕道について書いたのでしょうか。かつてこの場所には茶屋が隣接していたので、ここで多くの人が休憩をしていたことでしょう。

目指していた小天温泉が目前となり、あと一息と話していた様子も想像できます。「草枕」や当時の情景が浮かんでくる場所なので、是非立ち寄ってみてください。

那古井館

明治元年に創業した那古井館は「草枕」発祥の地として、現在も温泉宿利用することができます。
かつて田尻旅館として営業されており、夏目漱石も田尻旅館という屋号のときに宿泊をしました。その後「草枕」が発表されると、架空の地名として夏目漱石が「那古井」と小説内で書いていたことにちなんで「那古井館」に屋号を変更しました。夏目漱石の影響を大きく受けたゆかりのある場所となっています。

温泉の泉質は単純アルカリ性で、体にも心にも優しい温泉です。食事は旬の食材にこだわっているため、毎月メニューが変わります。ランチもディナーも四季を存分に味わうことのできる味も見た目も申し分ないものとなっているので、満足できること間違いなしです。

施設や客室は清潔感であふれていて、設備やアメニティも文句のつけようがないくらい充実しています。夏目漱石を思いながら、旅の疲れを癒しに是非寄ってみてはいかがでしょうか。

草枕温泉てんすい

小天温泉が夏目漱石の草枕の舞台となったため、もちろん草枕温泉てんすいでも夏目漱石や「草枕」に関して伝え続けられています。
施設内の展示ホールには「夏目漱石 草枕の旅」という夏目漱石の「草枕」に関する裏話などが展示されています。「草枕」を読んだことがある人は胸が高鳴り、読んだことがない人は読んでみたくなるような内容となっているでしょう。
この地に足を運んだのであれば、是非知っておきたい内容となっています。

また、日本のおじいちゃんとして親しまれていた天水町出身の俳優「笠智衆」の遺品や写真も展示されています。
温泉は大浴場、露天風呂、みかんの湯、草枕の湯と4つもの温泉を楽しむことができ、露天風呂から見えるこの地ならではのみかん畑など素晴らしい景色が一望できるのです。

食事のメニューは豊富で、四季を感じられるメニューからお酒のおつまみや丼ものまで幅広い世代が好むものとなっています。食事は好きなものを選びたい人には嬉しい食事処となっています。

草枕温泉てんすいには畳の無料休憩所、ソファーでゆったりできる休憩所、個室の休憩所があるので、泊まらずに夏目漱石に関する明治ロマンを感じたいという人には絶好のスポットです。もちろん、温泉宿に泊まりながら観光として訪れるのも最適です。お土産が買うことができるお店も併設されているため、天水町ならではのお土産を手に取ってみてください。

◎特産の天水みかんも有名!

小天温泉がある天水町では、特産の天水みかんも全国的に有名です。有明海の潮と太陽を存分に浴びた天水みかんはとても甘くて美味しいのが特徴となっています。10月頃からはみかん狩りを体験することができるので、観光の計画の一つに是非入れてみてください。天水みかんの「みかんもち」などの甘味もお土産にできるので、天水みかんもチェックすることをおすすめします。
文豪・夏目漱石が愛した温泉、小天温泉に訪れて、小説の世界に浸りながらゆっくり過ごしてみてはいかがでしょうか。

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