三陸宮古の景勝地「浄土ヶ浜」観光情報|見どころ・遊覧船・アクセス

三陸宮古の景勝地「浄土ヶ浜」観光情報|見どころ・遊覧船・アクセス

岩手県宮古市の「浄土ヶ浜」は、三陸復興国立公園・三陸ジオパークを代表する観光名所。流紋岩の白い岩塊が"極楽浄土”を彷彿とさせる、国の名勝にも指定された景勝地です。

浄土ヶ浜の景観は浄土ヶ浜海岸から眺めるのが一般的ですが、船に乗って海から観光するのもオススメ。宮古市遊覧船「宮古うみねこ丸」と、青の洞窟を巡るサッパ船、それぞれに違う魅力があります。

ここでは、「日本の白砂青松100選」にも選ばれている浄土ヶ浜への行き方、見どころと観光情報、人気のホテルをご紹介します。

目次

三陸宮古の景勝地「浄土ヶ浜」観光情報|見どころ・遊覧船・アクセス

目次を閉じる

浄土ヶ浜とは?

岩手県宮古 浄土ヶ浜

「極楽浄土」という仏教用語があります。「けがれや煩悩がなく、仏さまや菩薩さまが住むところ」を意味するのですが、今回紹介する浄土ヶ浜には、そんな極楽浄土のような世界が広がっています。

宮古山常安寺の霊鏡竜湖和尚が「さながら極楽浄土のごとし」と当時、人が来ることが稀だったこの地に感嘆したことが「浄土ヶ浜」の名前の由来となっているとの説が一般的です。

浄土ヶ浜の特徴的な景観は、5200万年前の古第三紀にできた流紋岩というマグマの働きによってできました。地学的にも非常に貴重な場所で、日本ジオパークの1つである「三陸ジオパーク」を構成するジオサイトの1つとされています。そして、東日本大震災の惨禍の後、それまでの陸中海岸国立公園を2012年に三陸復興国立公園として再編されました。

浄土ヶ浜の奇岩が並ぶのは奥浄土ヶ浜。そこを海から眺められる遊覧船も人気です。青の洞窟(八戸穴)という「願いが叶う」といわれているスポットもあり、船から間近に見ることもできるので必見です。

浄土ヶ浜への行き方

◆宮古への行き方

浄土ヶ浜へ行くにはまず、宮古を目指します。

盛岡駅からレンタカーなら、国道106号線で1時間半ほど。JRなら快速「リアス」、バスなら106番急行バス、どちらも2時間20分ほどで宮古につきます。このほか、横浜や東京からの高速バス、宮古~北海道・室蘭を結ぶシルバーフェリーの航路もあります。

飛行機の場合は、いわて花巻空港から宮古までレンタカーで約1時間50分。
バスは「宮古らくとく空港きっぷ」がオトクです。空港ターミナルビル2番乗り場から盛岡行きに乗車し、盛岡駅前7番乗り場から宮古駅前行きに乗り換えます。

◆宮古から浄土ヶ浜への行き方

路線バス 奥浄土ヶ浜バス停

宮古駅から路線バスの場合は、宮古駅から約20分。「奥浄土ヶ浜」バス停で降りると、浄土ヶ浜が目の前です。
ただし、「浄土ヶ浜ビジターセンター」バス停のほうが本数が多く、施設内で情報収集もできます。

車の場合、例年4月~10月のオンシーズンには通行規制があり、許可証の無い一般車両は浄土ヶ浜レストハウスまで乗り入れができません。自家用車やレンタカーは浄土ヶ浜ビジターセンター前の第1駐車場、または少し手前の第2駐車場に駐車してください。

浄土ヶ浜うみかぜルート

浄土ヶ浜ビジターセンターから浄土ヶ浜までは、海岸線の遊歩道「浄土ヶ浜うみかぜルート」を散策しながら景観を楽しむのがおすすめ。浄土ヶ浜ビジターセンターからセンター内のエレベーターを降りて浄土ヶ浜までは歩いて15分~20分の道のりです。
4月~10月の週末や祝日等には無料の浄土ヶ浜園内周遊EVバスも運行しているのでご利用ください。

浄土ヶ浜ビジターセンター

浄土ヶ浜ビジターセンター

浄土ヶ浜を訪れて最初に訪れたいのは「浄土ヶ浜ビジターセンター」です。浄土ヶ浜ビジターセンターは、環境省が整備した、浄土ヶ浜をはじめとした三陸復興国立公園のすばらしさを伝えてくれる施設です。浄土ヶ浜をはじめとした三陸の観光のことならこの施設を拠点にして情報を集め、周辺を散策するとよいでしょう。エレベーターもあるので安心です。

浄土ヶ浜ビジターセンターの地下から、浄土ヶ浜への海岸遊歩道へと出られます。

浄土ヶ浜マリンハウス

浄土ヶ浜マリンハウス

浄土ヶ浜うみかぜルートを5分ほど歩き、トンネルの手前を右折すると「宮古うみねこ丸」浄土ヶ浜遊覧船乗り場があります。
さらにこのトンネルを抜けた先に、「浄土ヶ浜マリンハウス」が見えてきます。

浄土ヶ浜マリンハウスでは食事ができ、真っ青な海の色をした「青の洞窟ソフト」が人気。また、青の洞窟を巡るサッパ船遊覧乗り場を兼ねています。
浄土ヶ浜へ行くには、もう少し海岸線を歩いていきましょう。

浄土ヶ浜レストハウス

浄土ヶ浜には奇岩の数々が並ぶ
浄土ヶ浜レストハウス

一般的に「浄土ヶ浜の景観」といわれているのが奥浄土ヶ浜の風景です。
その奥浄土ヶ浜の風景を眺めながら食事をしたり3階の展望台からじっくり眺めたりすることができるのが、浄土ヶ浜レストハウス。東日本大震災の際には、この建物も津波の被害にあい、2階の上まで浸水しました。その時の浸水ラインがプレートに書いてあります。「あの日」はだんだん遠くなっていきますが、風化させないことが大事なのだと感じますね。

宮古駅行きのバスが発着しているので、ここから帰ることも可能です。

2階のレストランでは、浄土ヶ浜レストハウス名物「浄土ヶ浜カレー」が注文できます。浄土ヶ浜をモチーフにした盛り付けがインスタ映えすると人気ですよ。

宮古市遊覧船「宮古うみねこ丸」に乗ってみよう

「みやこ浄土ヶ浜遊覧船」の後を引き継ぎ、2022年7月に新就航した浄土ヶ浜の観光遊覧船が「宮古うみねこ丸」です。
宮古うみねこ丸は、出崎ふ頭発着所、または、浄土ヶ浜発着所で乗下船できます。

三陸ジオパーク・ジオサイトを巡る湾内周遊クルージングで、広い屋根付き展望デッキから迫力ある自然芸術をお楽しみください。また、出崎ふ頭から浄土ヶ浜までは7分ほどなので、水上交通手段としても利用できます。浄土ヶ浜から出崎ふ頭への所要時間は約30分です。宮古うみねこ丸の船内で「うみねこパン」を購入すると、うみねこに餌づけもできますよ!

浄土ヶ浜 遊覧船からの景色

宮古うみねこ丸に乗れば、子安地蔵、千畳敷、賽の河原、烏帽子岩など名付けられた特徴的なスポットを眺められますが、なかでも代表的な見どころをご紹介します。

◆子安地蔵

浄土ヶ浜 子安地蔵

賽の河原がある岩塊の頂上には、子安地蔵を祀った祠があります。子安地蔵は、健康と大漁祈願の神様。地元の方からは「賽の河原の地蔵さん」と呼ばれ、信仰されているそうです。

◆ローソク岩

ローソク岩(浄土ヶ浜)

大沢海岸の沖にある高さ約40mの細長い岩。長い年月をかけて海に削られ、中心部の固い部分のみ残り、今のような形になったと考えられている国天然記念物です。

◆八戸穴(青の洞窟)

浄土ヶ浜 八戸穴(青の洞窟)
浄土ヶ浜 青の洞窟

青森県八戸市へ通じているという伝説から、「青の洞窟」は、ブルーの神秘的な空間が人気の海蝕洞窟で、正式名は「八戸穴」。この青森県八戸市まで通じているという伝説が名前の由来ですが、実際は8mほどで行き止まりです。

宮古うみねこ丸は洞窟内に入れませんが、後述する小型の「さっぱ船」なら入ることができます。

サッパ船で「青の洞窟」を遊覧

サッパ船「青の洞窟」遊覧観光

地元の漁師がアワビやウニ漁に使うサッパ船に乗って、青松と極楽浄土の白い岩塊に近づいて船上観光し、「青の洞窟」へ出かけましょう。
小舟でしか入れない青の洞窟(八戸穴)は、海の青さが際立つフォトジェニックな場所として人気があります。

青の洞窟遊覧は、所要時間は20分ほどと手軽です。事前予約はできませんが、随時出航しています。餌付けされたウミネコが”えびせん”を求めてサッパ船に寄ってくるので、間近で観察できますよ。

御台場展望台から全景を見下ろす

御台場展望台から眺める浄土ヶ浜

御台場(おだいば)展望台は、マリンハウスを上ったところにある浄土ヶ浜全景を高台から眺められるスポット。浄土ヶ浜レストハウスとはまた違った風景を楽しむことができます。

体験も楽しめる「岩手県立水産科学館」

岩手県立水産科学館は、全国初の水産をテーマにした博物館です。水族館ではなく、漁法や漁具、養殖についての展示が主です。エントランスホールには15種類の水槽が展示され、宮古の漁師さんたちから提供された魚たちが元気よく泳ぎまわっているのを見ることができます。

常設展示、企画展示はもちろん、体験もできる!

常設展示では、三陸の海の環境を再現したジオラマで宮古の海が恵まれていることを知ることができます。また、旧石器時代からの漁具・漁法の移り変わりを見ることができたり、水産加工に関するコーナーを見学することが可能です。

ホタテ貝の絵付けや缶詰づくりといった体験は子供にも人気。特に缶詰づくりは手紙などを缶の中に入れて封入することである種のタイムカプセルとして利用することができます。

潮吹穴

浄土ヶ浜 潮吹穴

船がUターンをした「姉ヶ崎」の先にある、クジラが潮を吹いているかのように見えるスポット。条件がそろえば豪快な"潮吹き"を拝めます。

日出島

日出島と潮吹穴

クロコシジロウミツバメの日本最大の繁殖地になっている島です。全域が鳥獣保護区であり、国指定天然記念物。クロコシジロウミツバメは夏鳥で、日本では釜石市の三貫島とここしかいません。

また、化石の産地としても有名で、1899年には大量の、当時亜熱帯にしか棲息していなかったアンモナイトや有孔虫の化石が発見されました。

※シーカヤックや釣り船から眺めることはできますが、島への上陸はできません。

宿泊は「浄土ヶ浜パークホテル」がイチオシ!

浄土ヶ浜パークホテル

宮古湾を見渡せる高台に建つ高級ホテル。景色が良いのはもちろん、浄土ヶ浜や浄土ヶ浜ビジターセンターまで徒歩10分、岩手県立水産科学館は徒歩6分ほどと近くて便利。電車でお越しの方は、宮古駅~ホテル間の無料送迎バスを予約制で利用できます。

お食事はライブキッチンのあるダイニングレストランで、新鮮な海の幸たっぷりのビュッフェ料理をご堪能ください。売店横には無料のウェルカムドリンクが用意されています。景色を楽しめるロビーラウンジでごゆっくりどうぞ。光明石の人工温泉露天風呂付き大浴場、エステやマッサージも完備。ライブラリーラウンジもご利用いただけます。

◎買い物はリニューアルオープンした宮古市魚菜市場で

宮古魚菜市場の様子

浄土ヶ浜の魅力を感じていただけたでしょうか。三陸は、3.11のつらい体験を乗り越えて頑張っています。そのことがわかる場所のひとつが宮古市魚菜市場です。

2019年3月にリニューアルした市場では所狭しと海の幸や山の幸が並んでいるのを見ることができます。食堂ではおいしい海鮮丼を味わいましょう。海は時に脅威となりますが、この土地の人々にとって海は欠かせないものです。
あなたも三陸の海に会いに、ぜひ一度浄土ヶ浜にお越しになってみてください。

国内のエリア一覧

海外のエリア一覧

カテゴリー一覧

宮古でおすすめの記事

宮古のアクセスランキング