名称:宮沢賢治記念館
住所:岩手県花巻市矢沢1-1-36
公式・関連サイトURL:https://www.city.hanamaki.iwate.jp/miyazawakenji/kinenkan/index.html
宮沢賢治と聞くと、「銀河鉄道の夜」「注文の多い料理店」「セロ弾きのゴーシュ」「やまなし」など、日本における童話作家だと誰もが思うはずです。彼の作品は国語の教科書にも掲載され、今でも愛されている作品も多いです。
そして、彼を育てたのがこの岩手の大地だというのは聞いたこともある人も多いでしょう。しかし、彼の生涯は波乱万丈に満ちたものでした。彼の生涯の記録をわかりやすく展示しているのがこの宮沢賢治記念館です。
今回は、「宮沢賢治記念館」と「宮沢賢治童話村」、その周辺施設もご紹介します。
目次
花巻市の観光スポット「宮沢賢治記念館と童話村」周辺で、童話の世界を満喫!
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宮沢賢治の生涯
岩手・花巻で育った宮沢賢治の生涯は?
宮沢賢治記念館の説明をする前に彼の人生について簡単に触れておきましょう。
1896年8月27日に岩手県川口村(現在の花巻市の一部)に賢治は生まれました。花巻川口尋常小学校入学後、彼は3・4年生の担任、八木英三から童話をたくさん聞き、のちの作品群に多大な影響を受けたことが賢治の日記にも書かれています。
その後、中学校では壮絶ないじめにあうなど、不遇な人生を送りますが、盛岡高等農林学校(現岩手大学農学部)に首席で入ると、仏教、特に法華経に深く傾倒するようになりました。
その後、東京に進学していた妹のトシが入院し、1921年に上京します。「文信社」という出版社に勤めた賢治は「法華文学」の創作に取り組みました。その年の12月に稗貫郡立稗貫農学校(翌年、岩手県立花巻農学校に)の教諭になります。
その年発表した「雪渡り」が生前唯一の原稿料が入った作品でした。
妹・トシの死で作品観が一変
1922年に妹のトシが亡くなります。トシは賢治の唯一の理解者でした。そのショックの大きさは大きかったようです。賢治は「永訣の朝」「松の針」「無声慟哭」を書きあげたあと、当時樺太と呼ばれていたサハリンに生徒の就職のあっせんを兼ねて、トシの魂を追い求めて、わたりました。
このサハリン滞在時の記録はあまりよくわかっていませんが、「銀河鉄道の夜」の制作モチーフになったといわれています。
「春と修羅」という詩集を刊行、「注文の多い料理店」を出版するなど精力的に活動するようになりました。しかし、1928年からは病臥生活を送るようになります。「雨ニモマケズ」はこのころの作品です。闘病生活を続けたものの、その甲斐なく1933年に賢治はなくなりました。
賢治の死後から開館まで
宮沢賢治を生前から評価していた人は草野心平などがおり、その作品は賢治の死後に全集として集められました。ヒューマニズム的精神は今日に至るまで評価されています。
賢治は地学や宇宙・農業・エスペラント・仏教(特に日蓮宗)などにも興味を持っていたようで、その方面からも評価されることがあります。
その功績がたたえられ、1982年にこの「宮沢賢治記念館」が完成しました。
宮沢賢治記念館に入ってみよう
内観は常設展示室と企画展示室に分けられており、賢治の世界観を余すことなく展示しています。常設展示室では「宮沢賢治の心象世界」「宮沢賢治の作品世界」「宮沢賢治のフィールド」という角度から賢治の内面を明らかにしようとしています。
レストラン「山猫軒」ものぞいてみよう
敷地内にはレストラン「山猫軒」があります。「注文の多い料理店」に出てきた料理店の名前ですね。ここでは「イーハトーブ定食」など、賢治にまつわる料理のほかに花巻ならではの料理を味わうことができますよ。
併設している売店ではオリジナルグッズを入手することができます。
名称:山猫軒
住所:岩手県花巻市矢沢1-1-36
公式・関連サイトURL:https://www.yamanekoken.jp/
宮沢賢治イーハトーブ館も訪れよう
ここでは宮沢賢治にまつわる本や研究論文が多数所蔵されていて、賢治研究の最前線になっています。宮沢賢治をもっと深く知りたいといった方におすすめですよ。
ここには、「宮沢賢治学会イーハトーブセンター」の本部があり、研究員の方との交流の場にもなっているほか、企画展も行われることがあります。
名称:宮沢賢治イーハトーブ館
住所:岩手県花巻市高松第1地割1番地1
公式・関連サイトURL:https://www.city.hanamaki.iwate.jp/miyazawakenji/ihatov/index.html
ポランの広場の南斜花壇
南斜花壇は、宮沢賢治が思い浮かべ、構想を描いていたものの生前には実現しませんでした。そこで、賢治が思い浮かべていた設計図を基に今日の技術で完成させた美しい花壇です。ポランの広場にあるこの花壇は、賢治の理想郷、つまりイーハトーブを表しているのではないでしょうか。
宮沢賢治童話村も訪れてみよう
お子様連れのご家族におおすすめな施設で、宮沢賢治の3施設はいずれも近いところにあります。賢治の精神を受け継いだ「楽習」施設になっており、入り口の銀河ステーションをくぐれば、「銀河ステーション広場」、「妖精の小径」、「天空の広場」、「山野草園」といった施設が現れます。そして、メイン施設となる「賢治の学校」とログハウス「賢治の教室」がそれぞれ宮沢賢治とのかかわりが深い「植物」「動物」「星」「鳥」「石」といったカテゴリの関連の展示を行っています。
賢治の学校
宮沢賢治が興味・関心を示したものの展示がされています。館内は「ファンタジックホール」、「宇宙」、「天空」、「大地」、「水」のカテゴリに分かれていて、とても幻想的な賢治の世界観にいざなってくれそうです。
季節になるとライトアップもされ、さらに美しい光景を見ることができます。宮沢賢治が表現したかったこともここに来ればわかりそうですね。
宮沢賢治童話村のお土産屋「白鳥の停車場」
銀河鉄道の夜に出てくる「白鳥の停車場」を冠したお土産屋さんが人気です。
物語に本当に出てきそうなお店ですね。
ここでは賢治の愛した化石などといった石の販売や、ハンドメイドの雑貨、宮沢賢治の作品の本が売っています。どれも魅力的な商品なので迷ってしまいますね。
名称:宮沢賢治童話村・土産物店「白鳥の停車場」
住所:岩手県花巻市高松第26地割19番地
公式・関連サイトURL:https://www.city.hanamaki.iwate.jp/miyazawakenji/dowamura/index.html
花巻市博物館
宮沢賢治童話村に隣接しており、花巻市の歴史が原始時代から今日までわかりやすいように展示されています。撮影もでき、1時間もしないで常設展示がみられるほか、魅力ある特別企画展示も見に来られてはいかがでしょうか。
名称:花巻市博物館
住所:岩手県花巻市高松第26地割8番地1
公式・関連サイトURL:https://www.city.hanamaki.iwate.jp/bunkasports/bunka/1008981/1009017/1009013.html
ついでに見てゆきたい「願はくはわれ太平洋の橋とならん」 花巻新渡戸博物館
昔の5000円札の肖像画で有名な新渡戸稲造の記念館です。新渡戸家ゆかりの品々や彼の生涯について展示がされています。国際貢献に生涯をささげた方でした。その功績を見れば5000円札の肖像画に選ばれた理由もわかるのではないでしょうか。
名称:花巻新渡戸博物館
住所:岩手県花巻市高松9-21
もう1つついでに萬鉄五郎記念美術館も訪れてみよう
萬鉄五郎(よろずてつごろう)は、日本の美術界で近代美術をけん引した人物です。萬の生地で彼の愛した花巻を見わたせる丘に立っています。土沢の集落に関するものや美術品が展示されています。
名称:萬鉄五郎記念美術館
住所:岩手県花巻市東和町土沢5区135
公式・関連サイトURL:https://www.city.hanamaki.iwate.jp/bunkasports/bunka/yorozutetsugoro/1002106.html
花巻市の施設をまわるなら周遊チケットがおすすめ
花巻市博物館、宮沢賢治童話村、花巻新渡戸記念館との共通入館券が売られています。この3施設はJR東北新幹線の新花巻駅の南西にあり、新花巻駅からはやや距離はありますが歩いてくることもできます。JR東北本線花巻駅から新花巻行きの土沢線「賢治記念館口」で下車が便利です。
路線バス利用の場合、花巻市から助成が受けられ、宮沢賢治記念館や花巻新渡戸記念館、萬鉄五郎記念美術館いずれか1館の入場が無料になります。
花巻出身の偉人たちの足跡をたどれる
いかがでしたでしょうか。宮沢賢治が愛した郷土岩手の花巻をご紹介いたしました。もし賢治がこの地に生まれていなかったら私たちは今日のような文化を持っていなかったかもしれませんね。賢治以外にも花巻を愛した萬鉄五郎の話もしました。皆さんもぜひ偉人の愛した花巻へ足を運んではいかがでしょうか。
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