【山形・鶴岡】羽黒山は今も信仰を集める修験道の霊場

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【山形・鶴岡】羽黒山は今も信仰を集める修験道の霊場

山形県鶴岡市にある羽黒山は、湯殿山と月山と並ぶ出羽三山であり、全国でも有数の修験の山として有名です。その中でも羽黒山の山頂には、3つの山の神を合祀した三神合祭殿と呼ばれる社殿があるため、足を運ぶ人が多くいます。今回はそんな羽黒山の魅力についてご紹介しましょう。

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【山形・鶴岡】羽黒山は今も信仰を集める修験道の霊場

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羽黒山五重塔

羽黒山出羽神社にある五重塔

出典: ばりろく / PIXTA(ピクスタ)

羽黒山五重塔は、羽黒山に残っている建造物の中でも最も古く、国宝に指定されています。西暦931年から939年にかけて、平将門によって創建されたという言い伝えがあります。これまでに何度も修復された歴史もありますが、武藤政氏が1372年から1374年にかけて再興したものが今に残されているものです。

五重塔はお釈迦様のお墓に見立てられていて、明治まではこの周辺を瀧水寺が治めていたことから、瀧水寺の塔と呼ばれていました。羽黒山の本尊として信仰されてきた正観世音菩薩や軍荼利明王、妙見菩薩を祀っていましたが、明治の神仏分離によって羽黒山が神社となりました。そして、羽黒山五重塔は明治維新の際に国家のために殉難した人々の魂を祀る招魂社になったのです。

さらに、昭和21年の終戦後は、戦争で亡くなった人の魂が集まるよりどころという意味を持つ千憑社になりました。現在のご祭神は神社で、この世とあの世を司り、国造りの神や農業・商業のご利益がある神として知られる大国主命が祀られています。

爺杉

出羽神社の爺杉

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爺杉は、羽黒山の参道や五重塔の近くに立っている推定樹齢1,000年以上の大きな杉。環境庁の「日本の巨樹・巨木林 北海道・東北版」によると、その高さは42m、幹の太さは7.7mもあります。

かつては爺杉と同じように樹齢が長い巨木の婆杉も近くにありました。しかし、1902年の暴風により2本のうち1本が倒れてしまいます。2本を見分ける大きな特徴がなかったため、どちらが爺杉か婆杉か分からず議論になり、残された1本の呼び名を「親杉」とすることで決着が付きました。それにも関わらず、1951年に残った1本を国指定の天然記念物に登録する時に、なぜか「爺杉」として登録されてしまったという逸話が残されています。

表参道

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羽黒山から出羽神社までは車でも行けますが、せっかくなら表参道を歩いてみませんか?続いては、羽黒山の表参道ならではの魅力をご紹介します。

■非常に美しい随神門

羽黒山の表参道にある随神門は、神域への入り口です。これから参拝するという神聖な気持ちをもって潜り抜けましょう。朱色の随神門と周囲の木々の緑のコントラストはとても美しいので、思い出に1枚写真を撮るのもおすすめです。

■石段の数がとても多い

羽黒山の表参道を歩き、羽黒山五重塔を過ぎていくと石段が見えてきます。石段の段数はなんと2,446段と驚きの数です。出羽神社の御利益を得るためには石段を上ることが重要だと言われていますが、非常に長いため無理はしないようにしましょう。

■力餅元祖二の坂茶屋で休憩

表参道の途中には、力餅元祖二の坂茶屋があります。力餅元祖二の坂茶屋では、人気が高い力餅、夏はかき氷を食べながら休憩ができます。天候が良ければ遠くの景色を見渡せ、その風景を眺めながらほっと一息つけるでしょう。

須賀の滝

羽黒山にある須賀の滝

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須賀の滝は、羽黒山の山頂へ向かう表参道の石段脇にあります。祓川を挟んで流れ落ちる姿は必見です。神仏分離以前は不動滝と呼ばれていた人口の滝で、五十代執行別当の天宥が堰を作り、およそ8km離れた水呑沢から流れる水が落ちています。

出羽神社参道の入り口である随神門からは、徒歩でおよそ10分の場所にあります。随神門から降りていくとすぐに祓川神橋が見え、その真下に岩戸分神社と祓川神社が鎮座。岩戸分神社と祓川神社の間には、奉納された不動尊像と梵天が祀られているのでぜひ参拝してみましょう。

出羽神社

出羽神社の鳥居

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出羽三山は、羽黒山・月山・湯殿山の総称です。明治時代までは神仏習合の権現を祀っている修験道の山でした。しかし、明治以降は神仏分離によって神山となり、羽黒山には稲倉魂命・伊氏波神、月山には月読命、湯殿山には大山祗命・大己貴命・少彦名命が祀られるようになりました。それでも羽黒派古修験道は継承され続け、出羽三山への信仰は今でも変わりません。

その中の1つが出羽神社です。出羽神社は、神社の中でも仏教の面影が強く残っています。境内には鏡池と呼ばれる池があり、「水面がまるで鏡のようだから鏡池と呼ばれる」とか「かつて人々が銅鏡を奉納したから鏡池と呼ばれる」など様々な言い伝えがあります。

正善院黄金堂

正善院黄金堂は、かつて源頼朝が平泉の藤原氏を討つ際の勝利祈願のために寄進したという言い伝えが残されています。東北地方ではかなり珍しい等身大の三十三体の聖観世音菩薩像が祀られています。そのため、黄金堂と名付けられました。

以前は、羽黒山の山頂にある大金堂(現羽黒山三神合祭殿)に対して、麓にあることから小金堂と呼ばれています。黄金堂がある正善院では、於竹(おたけ)大日堂もあり、大きな信仰を集めた於竹大日如来も参拝可能です。

山伏修行は体験も可能!

非常に魅力が詰まっている羽黒山では、山伏修行の体験ができます。(2020年1月時点の情報です)

■体験日数

・日帰り
・1泊2日
・2泊3日

■参加費

3万2,000円(2泊3日の場合)

■山伏修行の体験の魅力

山伏修行の体験は、俗世界から離れて修験道の修業を経験できる、貴重な体験です。自然と一体になることで、自分自身を見つめ直せます。

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