週末タイムトリップ!角館で武家屋敷とご当地観光グルメ巡り13選

週末タイムトリップ!角館で武家屋敷とご当地観光グルメ巡り13選

秋田県は米どころ且つ酒どころとして美味しいものが多く、世界遺産の白神山地など自然の観光名所も多い土地。中でも風情ある町並みが美しい角館は人気の観光エリア。そして角館観光といえば、なんといっても武家屋敷です。

「みちのくの小京都」なんて呼ばれる角館ですが、同じ古都でも京都との最大の違いは、御門や公家が暮らした町である京都に対して角館は「武家の古都」であるということ。質実剛健でどこか凛とした雰囲気の漂う通りが続く角館。決して華美ではないけれど、確かな生活の息吹を身近に感じられる人気の観光エリアとなります。

そして、観光の最大の楽しみであるご当地グルメも大充実。有名な稲庭うどんから、蔵を活用した絶品漬物まで、角館を丸ごと堪能できるスポットを厳選してご紹介します。

目次

週末タイムトリップ!角館で武家屋敷とご当地観光グルメ巡り13選

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1.角館武家屋敷 青柳家(秋田県仙北市角館町)

角館武家屋敷 青柳家

歴史ある武家屋敷が並び観光地として人気の高い角館ですが、まずはその歴史をちょっとだけおさらいしておきましょう。今に続く町並みは、江戸時代に芦名氏が築いたものです。その後、佐竹北家の城下町として栄え、その名残が今もそこかしこに息づいています。

町は大きく分けると二つのエリアに分かれており、武家屋敷が並ぶ「内町(うちまち)」と町人や商人が住んだ「外町」から成っています。町の中心にある「火除(ひよけ)」と呼ばれる広場を境界に、町の雰囲気ががらりと変わるので、往時を偲びつつ様々な表情を楽しみながら観光できますよ。

3,000坪もの広大な敷地を有する青柳家は、角館を代表する武家屋敷といえます。芦名氏、佐竹北氏に仕えた青柳家は、明治時代を迎えるまでこの地で主君を支え続けました。有名な「薬医門」は、藩への功績が認められて特別に建造を許されたものです。江戸時代、門はその家の格や威信を表すもので、格調高い造りは上級武士のみに許された特権でした。

また、四季を彩る花木が茂る庭園も青柳家の見所の一つです。600種以上の草木の中には、数百年の年輪を刻む巨木や、江戸時代には珍しく貴重であった薬草なども見ることができます。どの季節に訪れても美しい表情を見せてくれる庭園ですが、観光シーズンは桜前線が北上する4月下旬から5月初旬頃。日本でここにしかない枝垂桜の新種を楽しむことができます。

風情ある角館武家屋敷で見る桜は格別。是非ともゴールデンウィークに訪れたい観光スポットです。

2.角館武家屋敷 石黒家(秋田県仙北市角館町)

角館武家屋敷 石黒家

現存する角館武家屋敷の中で、一番格式が高い家柄であったのが「石黒家」です。こちらは、なんと今でも直系の子孫の方が実際に住まわれていて、武家の生活様式を身近に感じることができる観光スポットなんです。

また、角館の武家屋敷では唯一母屋の座敷を見学することができるのも、嬉しい観光ポイント。この母屋と表の門は、角館の中では現存する最古のもので、200年以上の歴史が刻まれています。

武具や古文書の常設展示も行っているので、歴史好きの方にはぜひゆっくり時間をとって楽しんでほしい観光スポットです。

ちなみに、交差点を隔てたはす向かいには、石黒家の分家にあたる「旧石黒(恵)家」があり、こちらも見学が可能です。昭和10年に建てられたこの建物は和洋折衷のモダンな造りが特徴で、江戸時代からの時代の移り変わりを見ることができる観光名所となっていますよ。

3.角館武家屋敷 岩橋家(秋田県仙北市角館町)

角館武家屋敷 岩橋家

映画『たそがれ清兵衞』の撮影地として一躍脚光を浴びた観光名所「岩橋家」です。芦名氏、佐竹北氏と仕えた石橋家は角館では中級武士の格にあたりました。そのため、こちらの屋敷では当時の典型的な屋敷の造りを見ることができます。

また、天気が良ければぜひ注目していただきたいのが屋根です。もとは茅葺でしたが、明治30年頃に木羽葺き(こばぶき)へと替えられました。京都の桂離宮の書院でも見られるこの屋根は、品が良く燃えにくいことが特徴で、これに替えたおかげで明治33年の角館大火の際にも焼失を免れたといわれています。

樹齢300年を数える立派な柏の木も、人気の観光名所となっています。

4.角館武家屋敷 小野田家(秋田県仙北市角館町)

角館武家屋敷 小野田家

こちらの「小野田家」も、先ほどご紹介した「岩橋家」とほぼ同格の中級武士の家柄です。

今宮氏、佐竹北氏と仕え、武術に秀でた家臣であったといわれます。そのため、表の門をくぐった右側には、往時には鍛錬の場であった道場の跡があります。一見簡素な造りのようですが、これぞみちのく角館の武家屋敷!という佇まいが印象的です。

落ち着いて静かに観光したい方や、日本らしい風情を楽しみたい方におすすめの観光スポットです。

5.角館武家屋敷 小野崎家(秋田県仙北市角館町)

角館武家屋敷 小野崎家

武家屋敷通りの最北に位置する「小野崎家」。大通りから入る場合は一番最初に、そして角館の駅から歩いて散策する場合は最後に立ち寄ると、観光エリア全体を回りやすいです。

人通りの多い観光地の大通りに面していながらも、立派な門構えをくぐった先に続く広い敷地内は落ち着いた風情があり、角館に来たんだな、という旅情を感じさせてくれます。

建物は平成12年に当時の間取り図をもとに復元され、現在は公民館として、隣接する武道館と共に地元の人々に親しまれています。

入館料は無料。角館観光の足休めに、ぜひ立ち寄ってみてください。

6.角館武家屋敷 河原田家(秋田県仙北市角館町)

角館武家屋敷 河原田家

「河原田家」は、会津時代から芦名氏に仕えた重臣の家柄です。角館の武家屋敷は、どれも当時の生活様式を残していて趣深いものばかりですが、こちらは建築に興味のある方にぜひおすすめしたい観光スポットです。

建物自体は明治時代中頃に建てられたものですが、間取りや造りは江戸時代の武家屋敷の形式をそのまま踏襲しています。また、母屋の屋根のみ防火対策として町屋風の木羽葺なのも注目の観光ポイント。さらに、表座敷は書院造りが採用されるなど、至る所に意匠が凝らされていて角館ならではの武家屋敷を見ることができます。

そして、最後に薬医門の表札の下を見てみてください。「電話一番」の古札が見つかるはず。実はこれ、のちに電気事業の草分け的存在となった名残なんです。

細部までじっくり観察しながら敷地内を散策すると、面白い発見がたくさんありますよ。ぜひ、たっぷり時間をとって観光してみてくださいね。

7.角館武家屋敷 松本家(秋田県仙北市角館町)

角館武家屋敷 松本家

「松本家」は、先にご紹介した「岩橋家」と同じく、映画「たそがれ清兵衞」の撮影に使われたことで有名な観光スポットです。

もともと学者の家系であった松本家は、秋田県内で残存する唯一の下級武士の住宅です。柴垣に囲まれたこじんまりとした屋敷の佇まいは、なんだかほっとするような、日本人の原風景的な風情があります。簡素な町屋風の造りは、無骨な印象が強い武家屋敷群にあって、どこか温もりを感じさせてくれる観光スポットです。

歴史的な価値はもちろん、映画の撮影地としても人気の松本家ですが、観光地というよりは田舎に帰ってきたような気持ちで寛げる場所です。ちょっと疲れた時や一人でぼーっとしたい時にも、ぜひ訪れてみてください。

8.角館武家屋敷 西宮家(秋田県仙北市角館町)

角館武家屋敷 西宮家

「西宮家」は、メインストリートである内町の武家屋敷通りから少し離れた、街の南側の田町地区に位置します。こちらの通りも、「すくすく育つ」「天に向かってまっすぐ伸びる」ことから武士の象徴とされていた立派な樅の木や、風情を感じさせる黒塀などが続き、角館らしい景観で人気の観光エリアです。春の桜と秋の柿が特に有名ですね。

西宮家の注目観光ポイントは「蔵」です。なんと敷地内に5つもあるんです。最も大きな蔵は「米蔵」で、太い梁が印象的です。現在は物産販売所として活用されており、角館名産の桜皮細工や藍染の古布など生活雑貨がたくさん並んでいます。女子向けのお土産は、ぜひここでゲットしてくださいね。

そして、5つの蔵の中で最も古いのが「文庫蔵」です。明治27年に棟上げし、現在は角館の武家に伝わる道具類や文献の展示を行っています。今では作り手がおらず途絶えてしまった「角館春慶」という角館の伝統的技法の塗り物も、ここで見ることができます。

最も小さな蔵は「ガッコ蔵」と呼ばれています。角館でよく耳にするこの「ガッコ」という名称、これはお漬物のことで、古くからこの「ガッコ」を貯蔵していたのが「ガッコ蔵」なんです。現在は農産物の販売所として活用されており、お漬物はもちろん、手作りの農産加工品や新鮮野菜を購入することができます。角館のやさしい味をぜひ堪能&お持ち帰りしてくださいね。

ガッコ蔵の隣にある「前蔵」は、大正8年に建てられた蔵で、地元の人々が集うコミュニティ空間となっています。もちろん見学もできますよ。

前蔵と同じ頃に建てられた「北蔵」は、蔵特有の空間を生かした落ち着いたレストランになっており、角館産の低農薬米や新鮮な野菜を使った旬の料理を楽しめます。迷ったときは、平日限定の日替わりランチがおすすめ。四季折々の素材を生かしたメニューは、見た目に鮮やかでどれもやさしい味わいです。

お昼時を過ぎてからの観光なら、母屋の甘味処で休憩を。奥座敷や中座敷など4つの部屋で、角館の趣ある景色を堪能しながら甘味と抹茶を楽しめます。特におすすめは囲炉裏部屋で、武家屋敷ならではの落ち着いた空間が観光の疲れを癒してくれます。

また、女子旅におすすめの「抹茶付ハイカラさん体験」もこちらで出来ます。純和風家屋でハイカラさんの衣装を着てお抹茶を頂く、なんていうのも歴史ある観光地ならではの楽しみ方ですよね。こちらは3日前までに予約が必要です。

角館の中でも人気の高い武家屋敷ですが、広い敷地内にそれぞれの蔵が分散しているので、人混みが苦手な方もゆっくり楽しめる観光スポットです。

9.「桜の里本店」の比内地鶏親子丼

武家屋敷観光を楽しんだ後は、角館名物「比内地鶏親子丼」でお腹も満たしちゃいましょう。

「秋田の美味しいもの」をコンセプトにしているここ「桜の里本店」では、地元の美味しい食材を丸ごと味わうことができます。

角館グルメといえば、稲庭うどんと比内地鶏が有名ですが、こちらで特におすすめなのが「比内地鶏親子丼」。比内地鶏の卵を3個も使用した贅沢な親子丼は、とろっとろでボリュームも満点!柔らかな鶏肉と絶妙な甘さの卵が絡む味わいはぜひ一度ご賞味あれ。

お酒好きな方には、比内地鶏の串焼きが2本ついた生ビールセットがおすすめですよ。角館の地ビール「武家屋敷」や「枝垂れ桜」、「桜酵母」ももちろんあります。日本酒が好きな方には「日本酒飲み較べ」セットがオススメです。

観光の最大の楽しみとも言えるご当地グルメと地酒を一緒に堪能できちゃいます。

美味しい地鶏と地元のお酒で、素敵な角館の夜を過ごしてくださいね。

10.「安藤醸造」のお漬物

角館 安藤醸造

歴史ある建物や立派な蔵が立ち並ぶ角館の中でも、一際目を引くのが商家が立ち並ぶ人気の観光エリア・外町(とまち)に位置する「安藤醸造」の蔵と木製看板です。こちらは、現存する蔵座敷としては東北地方で最古のもので、角館町指定文化財にも指定されています。

蔵内に所狭しと並んだ「味噌」「醤油」「お漬物」は、どれも本当に絶品!特に、新鮮な野菜を米どころ且つ酒どころである秋田の酒粕で漬けた「粕漬け」と、特製の味噌に二年間野菜を漬け込んだ「二年みそ漬け」は味わい深くご飯にぴったりです。

そして、ビール派の方へのおすすめは、角館の代表的なお漬物である「いぶりたくあん」。独特の風味が、酵母が香る角館の地ビールと相性ばっちりです。砂糖やお酒を少量かけて食べるのも美味しいですよ。

あれこれ試食していると、観光に来ていることを忘れてしまうので要注意!とはいえ、じっくり吟味してぜひお気に入りの味をお持ち帰りください。

11.抱返り渓谷(秋田県仙北市角館町)

抱返り渓谷

角館随一の景勝地として人気の観光スポット「抱返り渓谷」。JR角館駅から車で15分ほど行くと、自然の神秘を詰め込んだような美しい景色が広がります。

「東北の耶馬渓(やばけい:大分県にある「青の洞門」で有名な景勝地)」とも称されるこの渓谷は、原生林と青い渓流のコントラストが美しい観光名所で、特に新緑の5月と紅葉の11月がおすすめです。遊歩道に沿って散策すると、奇岩や滝、急流の川などを間近に見ることができます。渓谷に架かる「神の岩橋」は絶好の撮影ポイントです。

駅から車ですぐの観光スポットですが、のんびり散策を楽しむなら、町内観光とは別日に時間を取って訪れるのがおすすめです。武家屋敷群とはまた違った大自然の雄大さを堪能できる人気の観光地です。

12.抱返神社(秋田県仙北市田沢湖卒田字)

抱返神社

御祭神「水波能売神(みずはのめのかみ)」を祀る「抱返神社」は、抱返り渓谷とあわせて訪れたい観光スポットです。

決して大きな神社ではないですが、自然公園の奥深くに鎮座するためか、静謐で心が洗われるような厳かさがあります。古くから「龍神」「水分神」「養蚕の守護神」といった水に関わる神様として篤い信仰を集め、雨乞いの神様としても有名です。お守りや御朱印などの授与はありませんが、のんびりと散策しながらお参りすると、不思議と心が軽くなりリラックスできますよ。

人混みを避けたい人におすすめの、角館からちょっと足をのばして訪れたい穴場の観光スポットです。

13.古城山城跡・古城山公園(秋田県仙北市角館町)

古城山城跡・古城山公園

最後にご紹介するのは、角館を一望できる観光スポット「古城山城跡・古城山公園」です。

かつて角館の地を治めていた戸沢氏が築城し、城下町とあわせて軍事的機能に優れた町作りがここを中心に行われました。現在に続く角館の町割りの基礎を築いたのは、この戸沢氏の後にこの地を治めた芦名氏ですが、そうした時代と町の移り変わりを見守り続けたのがこの古城山です。

ハイキングコースとしても親しまれているこの山は、標高160メートルと登りやすい小山で、山頂からはのどかな田園地帯や角館の歴史ある町並みなど観光名所を一望できます。

また、東にはみちのくのシンボル奥羽山脈が走り、西には春の桜並木で有名な桧木内川(ひのきないがわ)が流れ、城下町として栄えた江戸時代から変わらない地形が目の前に広がります。自然がありのままの形で残っているので、春先には足元にタンポポ、頭上に満開の桜を楽しむことができますよ。

タイムトリップの締めくくりにふさわしい、観光名所を一度に臨める古城山。ぜひ、武家屋敷や商家の町並みなど角館観光を楽しんだ最後に訪れてみてください。

◎まとめ

武家の古都である角館は、日常から離れて、時間を気にせずのんびり観光を楽しみながら歴史ロマンに浸るのにぴったりです。

落ち着いた趣ある町並みが魅力の観光地なので、グループでわいわい訪れるよりも、親友や家族と、あるいは一人でじっくり楽しむのがおすすめ。歴史に詳しくなくても、歩いているだけでなんとなく背筋が伸びるような、そんな静謐な雰囲気の漂うみちのくの古都です。

自然の彩りや景色を堪能するなら、観光シーズンである桜と紅葉の季節がおすすめですが、春夏秋冬どの季節に訪れてもこの町が持つ特有の美しさを堪能することができます。

観光名所がJR角館駅から徒歩圏内に密集しているので、週末トリップにもおすすめの観光地です。

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