函館で歴史ロマンに思いを馳せる!観光の足を止めて立ち寄りたい公園5選

函館で歴史ロマンに思いを馳せる!観光の足を止めて立ち寄りたい公園5選

異国情緒溢れる美しい港町・函館。新幹線が開通したことで利便性もぐんと高まり、ますます注目が集まる函館は、見どころの多い北海道の中でも人気の観光地です。

多くの開拓使節が北の大地へと渡った明治以前から、幕府による蝦夷地統治の中心であった函館には、開港とともに外国領事が駐留し外交の玄関口として発展してきた歴史があります。明治維新後、新しい国家樹立を掲げて戦った旧幕府軍最後の砦でもありました。

そんな歴史を刻んできた函館の街は、北海道にあって他の観光地とは一種異なる趣を内包しています。ちょっとだけ立ち止まって、この街が刻んだ歴史に思いを馳せてみませんか。四季折々の花の彩りを眺めながら、ゆったりとした時間を過ごせる函館の公園をご紹介します。

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函館で歴史ロマンに思いを馳せる!観光の足を止めて立ち寄りたい公園5選

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1. 五稜郭公園

五稜郭公園

戊辰戦争最後の戦いである箱館戦争の舞台となった五稜郭は、北海道で唯一の国の特別史跡に指定されています。軍事施設であった五稜郭が、函館市民の請願を受けて公園として一般公開されたのは大正3年のこと。現在では桜の名所として親しまれ、5月の連休には多くのお花見客で賑わいを見せます。遅い春の訪れとともに約1,600本もの桜で薄ピンク色に染まる五稜郭を、かつての箱館政府の人々は一体どんな思いで眺めたのでしょうか。一転、真っ白な雪が降り積もる冬には、堀のライトアップが行われ幻想的な雰囲気に包まれます。五稜郭タワーから見下ろせば、その姿はまさに夜空に浮かぶ大きな星のよう。

幕末から明治維新にかけての重要な遺構である五稜郭には、土塁・石垣・堀・兵糧庫など当時の様子を偲ぶことができるものが多く残されています。平成22年に工事が完了した箱館奉行所は、建築面積こそ三分の一程度に縮小されたものの、当時と同じ場所に、同じ伝統工法で、同じ材木を使用して復元されました。激動の時代の名残を今に伝えながら、函館市民に愛され続ける五稜郭。広い郭内を散策しながら、侍たちの見た夢を辿ってみれば、背筋が伸びるような清廉な気持ちに包まれます。

2. 函館公園

函館公園

桜の名所として知られる函館公園は、明治12年に函館市民の全面協力によって開園されました。当時の函館駐在英国領事リチャード・ユースデンの発案に、多くの市民が賛同して資金や労働力の提供を行うなど、市民参加で造られた近代日本を代表する公園です。

ロンドンを歩いていると、現代的なショッピングストリートと自然溢れるパークとが共存しているのを目にします。そんな自然の大切さをよく知るイギリスからやってきたリチャードは「病人に病院が必要なように、健康な人間には休養する場所が必要」と、豊かな草木に覆われた函館山の麓に公園を造ることを提案したのです。

開園後も、函館公園は市民の手によって改築・増築を重ねてきました。桜の名所としての歴史は、地元の商人・逸見 小右衛門が奈良県の吉野山になぞらえて、自らの手で桜と梅の木を約5,250本を植栽したことから始まります。

植栽は、明治24年と明治27年の二度に渡りました。大正・昭和の大火で樹木の一部が消失しましたが、今でもソメイヨシノを中心に約400本の桜の木が残され、春には満開となり園内をピンク色に染めます。また、秋には函館山の紅葉を背景に園内の楓も色づき、趣ある景色を見せてくれます。

広い敷地内には、博物館や遊園地、ミニ動物園などもあります。ぜひ函館の人々の思いがたくさん詰まった公園をゆっくりと散策してみてください。

3. 元町公園

元町公園

港を見おろす高台にある元町公園は、まさに函館の歴史が凝縮された場所です。「はこだて」という町名の由来を知っていますか。その始まりは、室町時代にまで遡ります。

後に松前藩の初代藩主となる武田信広と共に津軽からやって来た河野政通が、現在の元町公園と市立函館病院跡地付近に箱型の館を築いたことから「箱館」の名が付いたといわれています。以後、江戸時代にはここに函館奉行所が置かれ、戊辰戦争の際に一時その機能が五稜郭に移された後、明治から昭和25年まで再び奉行所や開拓使が置かれることとなり、道南の行政の中心としての役割を果たしてきました。

現在、公園奥には函館写真歴史館として利用されている旧北海道庁函館支庁庁舎を復元したルネッサンス風の洋館があり、すぐ近くには古いレンガ造りの函館支庁書籍庫が建ち並んでいます。旧支庁庁舎の横に建つのは、私財をなげうって函館の都市形成に尽力した今井市右衛門、平田文右衛門、渡辺熊四郎、平塚時蔵の「四天王像」です。

まさにここは、室町時代から現代までの函館を見守り続けてきた場所なのです。敷地そのものはあまり広くはありませんが、公園のグリーンと、通りを挟んだ奥に見える旧函館区公会堂の鮮やかなブルーグレーとイエローとが、美しい色彩の調和を見せています。初夏にはバラが咲き乱れ、坂の途中にある旧英国領事館と共に花の名所としても親しまれています。

基坂を登りきった場所にあるこの公園は、洋館めぐりや観光の小休止にぴったりの場所です。異国情緒溢れる街並みと函館港を眺めながら、この街の足跡を辿ってみてください。

4. 旧岩船氏庭園・香雪園(見晴公園)

旧岩船氏庭園・香雪園(見晴公園)

北海道で唯一の国指定文化財庭園に指定されている公園です。市内有数の豪商であった岩船氏の元別荘として使われた、函館では珍しい日本庭園です。

その造園は明治31年頃。京都より庭師を招いて造園し、親子3代に渡り私財を投入して完成。香雪園は昭和2年に、岩船家の好意で市民に無料で開放されるようになりました。その後、函館市の管理へと移り、現在では紅葉の名勝として人々に愛されています。

4万坪を超える広大な庭園内には、レンガ造りの温室、茶室様式を取り入れた書院造りの園亭、渡り橋などがあり、和洋織り交ぜた魅力が随所に散りばめられています。園内にはソメイヨシノをはじめとした桜の木が点在し、芝生広場は春になると満開の花が咲き乱れます。夏の夜なら、ホタルの池周辺で約1,000匹の平家蛍を観賞できますよ。

ですが、この庭園の魅力を存分に味わうならやはり秋がおすすめ。カエデを中心とした約150種にも及ぶ庭木が色付く様は本当に見事です。夜のライトアップが始まると、落ち着いた風情を湛えた和の景色が幻想的な空間へと変わります。

静謐な空気が流れる日本庭園は、心穏やかに静かな時を過ごさせてくれます。北の地で、いったいどんな思いを込めてこの庭園をつくったのでしょうか。日本人の心の琴線に触れる、静かな佇まいが魅力の日本庭園です。

5. 湯川黒松林(市民公園)

湯川黒松林

湯の川温泉街の海岸からほど近い漁火通りに面して広がる湯川黒松林。ここは、北海道最初の防風砂防林です。約1.75ヘクタールの広大な敷地に、900本余のクロマツの緑地が広がります。

湯の川地区は、明治の始め頃から温泉浴場が開かれ、明治30年代には一大温泉保養地として富裕層の別荘が建ち並ぶようになりました。しかし、津軽海峡から吹きつける強い潮風に舞い上がる砂丘海岸の砂が訪れる人々を悩ませていました。

そこで、金森倉庫の初代創業者である函館の豪商・渡辺 熊四郎が私財を投じ、故郷・沼津から取り寄せた約20万本のクロマツの苗を明治22年から10年以上の歳月をかけて植林・育成したのが、この湯川黒松林の始まり。北海道で最初の防風林になったというわけです。敷地内の碑に刻まれた「植えおきし われは冥土にかえるとも 千代まで栄え まつのみどりを」という句は、当時の渡辺熊四郎の心の内を表しています。

海からの風の影響を受け、同じ方向に大きく傾いたクロマツの林を見ていると、当時の人々が困難な局面を工夫を凝らして乗り越えた様子が偲ばれます。現在は、函館市民共有の財産として整備され、市民公園として地元の人々や温泉に訪れる人々の憩いの場となっています。

市電「湯の川温泉」電停から海に向かって歩いて約10分、大きく育ち視界を覆うようなクロマツの緑地に閉塞感はなく、海辺の街ならではの開放感に溢れています。きっと明治の人々も、ここで日常を忘れて休暇を楽しんだのでしょう。

◎まとめ

いかがでしたか。美しい景色、新鮮な海の幸、異国情緒溢れる建造物の数々、ロマンティックな夜景…。華やかな函館の街のそこここに、北の大地に夢を託し、切り開き、発展に尽力した人々の思いが今も息づいています。観光の足をちょっとだけ止めて、ゆっくりと流れる時間を過ごしていきませんか。

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