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ラリベラの岩窟教会群や歴史的城塞都市ハラール・ジュゴル、ゴンダール地域のファジル・ゲビなど世界遺産の観光地も多いエチオピア。とくにバックパッカー上級者ともなると、一度は行ってみたいと憧れる人も少なくないでしょう。
エチオピアは魅力的な国ですが、近年では経済が停滞し、あまり治安が良いとは言い難いのが現状です。加えて民族間の争いや隣国との紛争により多数の死者が出ている地域もあります。危ない場所はどこか、何に気をつければ良いのかなど、しっかり治安情報を調べてから、エチオピア観光に出かけてください。
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ガイドの詐欺やイスラム過激派組織に注意が必要!エチオピアの治安状況
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首都アディスアベバの治安は悪化傾向
もともと治安が良いとはいえないエチオピアでしたが、2005年の総選挙をきっかけにさらに悪化しました。きっかけは野党を支持するデモ隊と警察官の衝突が起きたことです。それまで比較的安全といわれていた首都アディスアベバで起きたこの衝突は、死者を出す大騒動に発展しました。
2010年以降は追い打ちをかけるようにインフレを起こしたことで経済も停滞。貧困層がより苦しくなってしまったことで、エチオピアの治安はいっそう悪くなってしまいました。アディスアベバでは、2013年にも民家に爆弾が持ち込まれる死亡事件が発生しています。外国人観光客のいるホテルやバスも狙われているので十分な注意が必要です。
エリトリア及びソマリアとの国境地帯には近づかない
エチオピアは国内に多くの不安定材料を抱えていますが、とくに危険なのがエリトリアおよびソマリアとの国境地帯です。外務省の海外危険情報レベル4も発令されていて、これは最上級の退避勧告に相当します。
エリトリアのゲリラ組織によるエチオピア人の誘拐事件が発生し、国境を警備する両国の軍隊同士の衝突も絶えず、当事者ではない外国人とはいえ絶対に近づくべきではありません。
他方のソマリアとの国境においても、反政府武装勢力によるテロや誘拐事件が発生しています。2008年には援助団体関係者が誘拐され、そこには日本人も含まれていました。
イスラム過激派組織「アル・シャバーブ」の存在に警戒が必要
2013年にアディスアベバ市内の民家で起きた爆発事件は、ソマリアを活動拠点とするイスラム過激派組織「アル・シャバーブ」の犯行といわれています。
2015年にはマルカート地区にあるモスクにも手榴弾が投げ込まれました。さらにはエチオピアのサッカー場でのテロも企てていたとされ、人の集まる場所やイベント会場がいつ襲われるかわかりません。地元のイベントやデモを見つけた場合には、なるべく近寄らないようにしましょう。
今ではイスラム過激派組織は世界のどこで起きてもおかしくはありません。とくにエチオピアには過激な組織が実際に存在し、また日本人も標的になる可能性もあるということを忘れないようにしてください。最新の治安情報を入手し、危機意識をもつことが重要です。
観光客の集まる場所では軽犯罪が多発
テロや武装勢力などの組織的な犯罪のほかにも、個人による軽犯罪にも注意が必要です。アジスアベバのような都市部を中心に、外国人旅行者を狙ったひったくりやスリ、強盗が多発しています。ブランド物のバッグや財布は持たず、華美な格好をするのもやめましょう。
治安の悪い街中でガイドブックや地図を広げているととても目につくので、いかにも不慣れな観光客然とした振る舞いは控えるようにしてください。お金は分散させてポケットに入れておき、運悪く強盗に遭ってしまったときは絶対に抵抗はせず、潔く金銭を差し出しましょう。
エチオピアではマルカートとよばれる市場や、観光客の集まるミニバスや乗り合いタクシー、ホテルではとくに気が抜けません。ミニバスや乗り合いタクシーは利用しない、というのも治安対策の1つです。
信頼できる観光ガイドを頼もう
治安の悪化したエチオピアの都市部では、観光ガイドが関与している詐欺事件も絶えません。よくあるケースが、ガイドとグルになっている飲食店に連れて行かれ、法外な飲食代を請求されるという事件。実際に日本人がエチオピアで被害に遭ってしまったという報告も寄せられています。
道端などで声をかけてくるガイドはトラブルの元。信頼できる旅行会社で、きちんとしたガイドを雇うことが大切です。またこういった詐欺があるということを念頭に入れておき、例えば料金は事前に確認する、金銭に絡むことに関してはメモ帳とペンを持ち歩いて、具体的な金額を書いてもらってから実行に移すなど、警戒しているということを相手に分からせるのも有効です。
少し大変ですが、エチオピアは決して治安のいい国ではないことを常に自覚しておいてください。
◎まとめ
エチオピアの治安情報についてお伝えしました。軽犯罪だけならまだしも、イスラム過激派組織の活動が気になるところです。残念ながらまだまだ総じて治安の安定しない国なので渡航前にはしっかりとした準備を行い、またエチオピア滞在中も羽目をはずしすぎず、気を引き締めて観光してください。
上記の治安情報に加え、最新情報をしっかりと入手してから渡航し、楽しいエチオピア旅行にしましょう。