オマーンの世界遺産「バット、アル-フトゥム、アル-アインの古代遺跡群」

画像出典:Alfred Weidinger (CC BY 2.0)

オマーンの世界遺産「バット、アル-フトゥム、アル-アインの古代遺跡群」

世界遺産「バット、アル-フトゥム、アル-アインの古代遺跡群」は、オマーンの首都マスカットの西方にある古代都市のネクロポリス(死者の都=墓地)。消滅した文化的伝統又は文明の稀な証拠として、1988年ユネスコの世界遺産に登録されました。

元々1987年にバットの遺跡のみを「バットのネクロポリス」として世界遺産に推薦したものですが、ICOMOSは遺跡が持つ重要性を認めつつも、近隣の遺跡群が含まれていない事等を理由に延期、翌年保存状態の良いアル-フトゥムとアル-アインの遺跡を含め登録が認められました。

目次

オマーンの世界遺産「バット、アル-フトゥム、アル-アインの古代遺跡群」

「バット、アル-フトゥム、アル-アインの古代遺跡群」とは?

出典: F igy

バット、アル-フトゥム、アル-アインを含むここオマーンのマガン(Magan)地方は、紀元前3000年紀頃、遠く離れたメソポタミアの地にまで銅を輸出して富を得ていたとされています。当時のマガン地方の実態は未解明の部分が多く、1972年に始まったバット遺跡の発掘がその解明に寄与するものと期待されました。

世界遺産「バット、アル-フトゥム、アル-アインの古代遺跡群」には、バット、アル-フトゥム、アル-アインの3つが登録されていますが、中心はイブリの町の東方24kmにある一番規模の大きいバット村の遺跡。

お墓の多くはほとんど加工の施されていない扁平な石を積み上げたもので、近くで見ると蜂の巣の様。バットだけでも1000以上のお墓が発掘されています。その他、直径約20~25m、高さ約10mと推定される大きな塔もあります。

バットの西2kmにあるアル-フィトムではバットと同じ塔が見つかっており、バットの南東22kmにあるアル-アインにも同様の墓があります。但し、いずれも看板も何も無く遺跡がそのまま放置されているような状態なので、ガイド無しでの来訪はご注意を。

「バット、アル-フトゥム、アル-アイン」へのアクセス

日本からオマーンへの直行便はありませんので、周辺国の主要都市を経由して行くことになります。最も便利なのは、同じ中東国のアラブ首長国連邦やカタールを経由するルート。オマーンの玄関口は首都マスカットになります。尚、ドバイを経由する場合は距離が近いので、ドバイ-マスカット間を陸路(国際バス約5-6時間)にすることもできます。

マスカットから世界遺産「バット、アル-フトゥム、アル-アイン」へは、残念ながら公共交通機関が有りません。従って、基本はレンタカー。但しこの世界遺産は場所が分かりにくいので、お金は張りますが、タクシーのチャーターも選択肢。マスカットからは車で4時間です。

「バット、アル-フトゥム、アル-アイン」観光後のおすすめポイント2

マスカット

出典: Pranav21391

世界遺産「バット、アル-フトゥム、アル-アインの古代遺跡群」を見た後は、やはり観光拠点となるマスカットの町を歩きましょう。首都マスカットは大きく分けると、マトラ、オールドマスカット、ルイ、グレートマスカットの4つの地区からなっています。

マトラ地区の見所は、何と言ってもマトラ・スークとマトラ・フォート。スークとは市場のことで、マトラスークは正に多くの人が頭に描くアラビアの雰囲気を感じさせるスーク。マトラ・フォート(マトラ要塞)は、フォートの国と言われるほど要塞の多いオマーンを代表するフォート、お札の絵柄にもなっています。但し残念な事に、マスカットのフォートでは全て内部への立ち入りが禁止されているとか。

オールドマスカットで外せないのが、王宮と隣接するジャラリー・フォート、 その他マスカット・ゲート博物館などもおすすめです。グレートマスカットには、オマーンを象徴するグランドモスクもあります。

ニズワ

出典: Andries Oudshoorn (CC BY-SA 2.0)

首都マスカットから世界遺産「バット、アル-フトゥム、アル-アインの古代遺跡群」へ向かう途中にある町が、オマーン第2の都市ニズワ。6~7世紀には、この国の首都でもあったハジャル山地の中腹にあるオアシス都市で、銀細工で有名な街です。

まずは城壁に囲まれた中にあるニズワスークを散策し、名物の銀細工等お土産でも物色してみましょう。ここは、アラブ世界の旧市街を思い起こさせる情緒漂うスーク。大昔のヒット曲”異邦人”のメロディが聞こえてきそうな雰囲気です。

次は、ニズワを代表する有名なニズワフォートに向かいましょう。17世紀に、内陸地方の当地を防衛する為に造られた城塞。砦の上からは、スークや周囲の山々を見渡すことができます。内部には、敵の侵入を防ぐ為の曲がりくねった通路やカモフラージュの扉も見どころ。また、オマーンで1番美しいといわれるジャブリン城も近くにあります。

◎まとめ

世界遺産「バット、アル-フトゥム、アル-アインの古代遺跡群」をご紹介しましたが、いかがでしたか?バット、アル-フトゥム、アル-アインの遺跡はいずれも観光地化されていない場所にあるため、見つけにくいのが難点。情報量も極めて少ないため、事前の準備をしっかりして訪れましょう!

国内のエリア一覧

海外のエリア一覧

カテゴリー一覧

オマーンでおすすめの記事

オマーンのアクセスランキング