オマーンの古都サラーラを訪ねて、おすすめ観光スポット8選!

画像出典:A Vahanvaty (CC BY-SA 2.0)

オマーンの古都サラーラを訪ねて、おすすめ観光スポット8選!

アラビア半島にあるオマーン第二の都市が、ドフール特別行政区にあるサラーラです。特徴的なのはその気候。アラビア砂漠の近くにあるものの、インド洋の影響を受けているので一年のほとんどは熱帯の気候です。気温は、夏は40度近い高温ですが、冬は22度にまで下がり過ごしやすくなります。6月後半から9月前半までのサラーラには南西からのモンスーンが吹きます。この時期は「ハリーフ」の季節と呼ばれていて雨が多く、アラブ湾岸諸国から避暑客で街の人口は2倍近くになるんです。そこで、ハリーフフェスティバルなども行われて一番賑やかな観光シーズンになります。

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オマーンの古都サラーラを訪ねて、おすすめ観光スポット8選!

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1.スルタンカブースモスク

出典: Prasad Pillai (CC BY 2.0)

サラーラのシンボルとなっているスルタンカブースモスクは2009年オープンの新しいモスクです。2本のミナレット(礼拝時間を呼びかける為の塔)の高さは56mあり、屋根のドームは直径15mもあります。中に入って目をひくのは丸屋根の下につけられた大きなシャンデリア。なんと直径6mにも及びます。緑色が印象的な絨毯はタイで作られた物なんだとか。東西南北どの方向からでも入れる入り口があり、約6000人が一度に礼拝出来るようになっています。

アラビア語でモスクの事はマスジッドと言いますが、このモスクの正式名称はジャマア スルタンカブース。ジャマアとは「集まる」という意味があり、礼拝堂だけではなく他の施設がある場合に使います。このモスクの二階にはイスラムの勉強が出来る部屋や、レクチャーホール、PC設備の整った図書館などがあるんです。一日五回の礼拝時間以外ならば観光客も内部を見学出来るので、ぜひ訪れて見て下さいね!

2.Marneef Cave

出典: Riyadh Al Balushi (CC BY 2.0)

サラーラから約40キロ、サラーラで一番人気の観光スポットと言えるのが、Marneef Cave(マルニーフケーブ)です。ケーブといっても実際は洞窟ではなく、大きな岩が浸食により洞窟のような形になった物です。ビーチにつけられた遊歩道を歩き、階段を登った所にあるこの岩の真下には、ベンチが置かれていてのんびり座りながら目の前に広がるビーチを眺めることが出来ます。

岩肌に看板が取り付けられていて、アラビア語と英語で「何も持ち帰らないで、思い出だけ持ち帰って。何も残さないで、足跡だけ残して」と書かれています。観光局の注意書きなのですが、センスがいいですよね!秋の観光シーズンになると小さなカフェやサンドイッチの屋台などが出ますが、地元の人たちのように自分たちのお弁当を持ってピクニックするのが楽しいですよ。ここに来る理由はもう一つ!そちらは次にご紹介しますね。

3.Al Mughsail Beach

出典: Riyadh Al Balushi (CC BY 2.0)

秋の観光シーズンになると地元の人をはじめ観光客がこぞってやってくるのが、Al Mughsail Beach(マグセールビーチ)です。お天気が良いと銀色に輝くサラサラの砂が美しいのですが、実は観光客の目的は「潮吹き岩」なんです!秋の高潮のシーズンは海が荒れてかなりの高波がやってきます。その波が浸食によって穴の開いた岩の中に入り込み、海水が溜り、強い波がくるとその水圧でぷしゅーっと噴水のように吹き上がる!波の状態によってその噴き上がり方は違いますが、28mにもなる事もあるそうです。

潮吹き岩は海岸に何か所かありますが、もちろん近寄ると危ないので柵がしてあります。特等席はマルニーフケーブの洞窟の下にあるベンチ。自然の物なので全く噴き上がらない日もありますが、運試しにぜひ訪れてみて下さいね。

4.サムハラム遺跡

出典: Juozas Šalna (CC BY 2.0)

サラーラから東へ43キロ、港町タカから7キロのホールー・ルーリーにある遺跡です。2002年に周辺のアル・バリード遺跡、ウバール遺跡、ワディダウカの遺跡とともに、2000年に「乳香の地」という名称で世界遺産に登録されました。発掘調査の度に時代考証が違い、アメリカの学者は紀元後3世紀頃の物だと言いましたが、イタリアの学者による紀元前2世紀頃、ハドラマウト時代の物だという説が有力視されています。7世紀頃には廃墟となってしまったようですが、残された遺跡から街にはとても頑強な城壁が作られていて、その壁の厚さは3mもあったと言われているんです。

遺跡の周囲はかつて海とつながっていた入り江があり、港の跡も残っているため、乳香の積出港として栄えた事が伺えます。入り江にはフラミンゴや野鳥が餌を求めて集まってくるので、夕陽と遺跡と野鳥のコントラストを楽しめる夕方がおすすめです!

5.アルバリード遺跡

出典: Juozas Šalna (CC BY 2.0)

町の歴史は古く、紀元前2000年くらいから始まったと言われています。この遺跡が発掘されたのは1930年の事です。城壁は長方形の形をして64ヘクタールあり、外壁には4つの門がありました。中はビジネス、住居、公的機関の3つのエリアに分けられています。城壁の跡から建物は4階建てだったと思われているんです。

北西には洪水から町を守る為の特別な壁の跡があります。発見された遺跡類の中でも陶器やコインなどの調査により、町が紀元前からの場所なのは間違いないとされています。13世紀に建てられたと思われるモスクの跡も見る事が出来ますよ。東(インド、東アフリカとイエメン)と西(イラク、エジプト、ヨーロッパ)を繋ぐ中継貿易地として栄えました。

2000年に周辺の遺跡と共に「乳香の地」として世界遺産の文化遺産に登録された、サラーラ注目の観光スポットです!

6.乳香博物館(Museum of the Frankincense Land)

出典: Eckhard Pecher (CC BY 2.5)

アル・バリード遺跡内にある乳香博物館は必見です。乳香は、数千年も前からサラーラ周辺で沢山採れ、ここからメソポタミア、エジプト、インダス、中国、そして古代ローマなどのヨーロッパ、その他世界中の国々に輸出されていったなんて、想像するだけでロマンがあると思いませんか?

博物館内では、係員が乳香の選別の仕方や乳香水の作り方などを説明してくれます。中庭には乳香の樹があり、間近で採取する様子を見る事ができますよ。残念ながら内部は撮影禁止です。乳香はアロマセラピー効果はもちろんですが、虫よけ、喘息、体調不良にも効果があると言われています。ショップがあるので珍しい乳香グッズをお土産にするのもいいですよね。

7.ターカ城 

出典: Allan Grey (CC BY-SA 2.0)

サラーラから33キロ、19世紀にシェイフ・アリ・アル・マシャ二が自分の住居としてアラブイスラム様式で作らせた建物で、全て地元ターカの石灰石で作られています。のちにオマーン政府がタカ市の建物とし、1970年までワーリーと呼ばれる総督が住んでいました。総督は市民からの訴えを聞いたり人を罰したりする権限もあり、ターカ城の中には刑務所も作られていました。面白いのは護衛が見張りの塔から簡単に監視できるようと、高い塀に囲まれた天井のない刑務所だった事です。

建物にはすべての部屋に通じる中庭があり、井戸があり、地下には貯蔵庫がありました。武器や燃料になる木、乾燥豆やナツメヤシなど保存のきく食べ物がたくさん貯蔵されていたといいます。1994年に博物館としてオープンし、当時の武器や陶器、生活用品、昔のオマーンの人々の暮らしがわかる品々が展示されています。郷土博物館プラス城砦という感じで、人気の観光スポットですのでお見逃しなく。

8.ワディ デルバート

出典: Juozas Šalna (CC BY 2.0)

アラビア語でワディは「谷」という意味で、デルバートはこの地方の方言で「山の間にある道」という意味を指します。ターカから7キロでワディデルバートの入り口に到着です。ワディデルバートはオマーンで一番美しい場所、とも言われているんですよ。6月から9月にかけてのハリーフシーズンと呼ばれるモンスーンの季節には雨が多く降り、緑が戻り、落差30mの滝も現れます。谷に集まった水は川になり、アラビア海に注がれるのです。

このシーズンだけ乗る事が出来る観光用のボートは子供達に大人気。魚に餌付けをしたり、足漕ぎボートに乗ったり、バーベキューをしたり、家族連れでとても賑わう景勝地です。さらに、谷の奥にはアラビアトラやハイエナ、ガゼル、ヤギなどの野生動物も生息しているんですよ!自然で生きる動物たちにも注目してみてくださいね。 

◎まとめ

いかがでしたか?オマーンという国自体が日本人にとっては観光地としての知名度はありませんが、古い歴史を持つオマーンには沢山の遺跡があり、手つかずの自然が残されています。綺麗なアラビア海でダイビングやシュノーケリングを楽しむ、4WDでしか行けないような砂漠地帯で夕陽を眺める、美しいモスクから流れるアザーンを聞きながらの街歩きをする…どれも素敵ですね。

オマーンは中東の中でも比較的治安も安定していますが、世界情勢は毎日変化しています。行きたい場所へは行きたい時に行って観光してみましょう。

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