チュニジアの古都を巡る旅！世界遺産都市カイルアンの旧市街を歩こう

カイルアンはチュニジア中部の内陸、首都チュニスから160キロほど南に位置する古都です。町の歴史は古く、7世紀後半にイスラム勢力のウマイヤ王朝が侵攻し、その駐屯地を置いた事から町が発展していきました。

メディナと呼ばれる旧市街には、中世の街並みが良く残されています。とくにイスラム教スンニ派にとっては、カイルアンはマッカ、マディーナ、エルサレムに次ぐ第4の聖都！そのため、旧市街を中心にたくさんの立派なモスクが立ち並んでいます。

ケルアンとも呼ばれるカイルアンの旧市街全体が、1988年に世界遺産に登録されています。現在ではチュニスに比べれば街の規模は小さく、半日から1日あれば主な見どころは回れます。ここではそんなカイルアンの観光スポットについてご紹介しましょう。

カイルアンとは？

7世紀後半にウマイヤ朝が現在のチュニジアを征服した際、カイルアンはチュニスとともに整備されました。チュニスがすでに存在していたカルタゴの衛星都市跡を利用しているのに対し、カイルアンは何もない森を切り開いて建設した町です。カイルアンという名前はキャラバンに由来していて、軍勢や隊商の駐屯地として発展しました。

11世紀にはスンニ派のファーティマ朝の都として発展します。しかし、シーア派のズィール朝が侵攻し、カイルアンの町の大部分が破壊されてしまいました。13世紀にハフス朝がチュニスに首都を移すと、カイルアンはますます衰退。かつてほどの繁栄は取り戻すことなく、現在に至っています。

カイルアンへのアクセス

日本からチュニジアへの直行便はないので、中東かヨーロッパでの乗り継いで首都チュニジアに入ります。カイルアンには鉄道が通っていないので、チュニスから長距離バスか乗り合いタクシーのルアージュを利用します。所要時間は2時間～2時間半。長距離バスは1時間に1本くらいの間隔で出ていて、ルアージュは人が集まり次第出発となります。

長距離バス、ルアージュともにターミナルは世界遺産の旧市街から少し離れているので、タクシーを利用しましょう。ただし、カイルアン旧市街の中は車の乗り入れが禁止されています。それほど広くはないので、徒歩でのんびり観光しましょう。

カイルアンのおすすめポイント①：グランドモスク

7世紀のウマイヤ朝時代に建てられ、9世紀のアグラブ朝時代に再建されたグランドモスク。カイルアン観光のメインですが、イスラム教徒以外の観光客が見学できるのは中庭と回廊のみで、礼拝堂には入れません。

日本語のサイトでは、アフリカ最古のモスクという間違った記述が伝言ゲームのように伝えられていますが、実際にはカイロにあるアムルモスクがアフリカで最古です。

カイルアンのグランドモスクは、旧市街の中心ではなく北東の端っこの方にあります。世界遺産の指定範囲では圧倒的に巨大な歴史的建造物なので、カイルアンを観光する際にはまずこのグランドモスクを訪ねるのがおすすめです。

カイルアンのおすすめポイント②：その他の観光スポット

カイルアンにある主な観光施設は、シディ・アモール・アッバダ霊廟、ラッカダ博物館、アグラビ朝の貯水池、ガリアー二霊廟、シディ・サバブ霊廟などです。グランドモスクと合わせて6か所の共通入場券が必要で、有効期限は1日。ですが、どの施設も規模が小さくすぐ近くにあるので、半日あればすべて観光できてしまうでしょう。グランドモスクだけは、金曜日の午後は閉まるので注意して下さい。

世界遺産の旧市街は細くてわかりにくい道が多いですが、グランドモスクのミナレット（礼拝時間を告げる塔）を目印にすると良いでしょう。カイルアンのスーク（市場）のお土産屋さんはチュニスに比べると商売っ気がないので、ふっかけられる心配も少なくぶらぶらできます。ただし、夕暮れごろから人通りが極端に減るので、散策するなら昼間の明るいうちにしましょう。　

◎まとめ

チュニジア中部の世界遺産都市カイルアンの観光情報をお伝えしました。カイルアン自体はそれほど大きくはなく静かな街なので、アラブの古都をゆっくり観光できるでしょう。

また、カイルアンの周辺にはスースの旧市街やエル・ジェムの円形闘技場といった他の世界遺産もあります。首都チュニス周辺にはチュニスの旧市街やカルタゴ遺跡、さらにケルクアン遺跡やイシュケル国立公園などの世界遺産もあり、まさにチュニジアは世界遺産の宝庫！

ただし2018年現在、チュニジアにはテロを受けて外務省の危険情報レベル2が発令されています。チュニジアを観光する際は、最新の情報に留意しつつ、万全の準備と注意を払ってくださいね。

チュニジアの古都を巡る旅！世界遺産都市カイルアンの旧市街を歩こう