名称:Kasbah of Algiers
住所:Kasbbah Algier
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/565/
アルジェリアの首都アルジェの旧市街「カスバ」は、『望郷』『アルジェの戦い』といった名作映画の舞台として知られています。戦後の日本の歌謡曲『カスバの女』も、このアルジェのカスバをイメージしてつくられました。
カスバとはもともとはオスマン帝国の城塞のことでしたが、いつしか北アフリカ周辺の要塞化された都市や集落全体を指す言葉として使われています。それでも、単にカスバといえば一般にアルジェを意味するというほど、世界遺産アルジェのカスバは代表的な存在です。
入り組んだ路地に急勾配の階段。家々がお互いにもたれあうようにひしめき合っているアルジェのカスバの風景は、アフリカ地中海沿岸に数多く残る古い街並みのなかでも独特のものです。
目次
海岸を見下ろす迷路のような世界遺産!アルジェリアの首都アルジェのカスバ
目次を閉じる
アルジェのカスバとは?
アルジェ自体の歴史は紀元前にまで遡りますが、カスバが築かれたのは16世紀初頭のこと。「赤ひげ」と呼ばれていた海賊の首領バルバロス兄弟がオスマン帝国の傘下に入り、スペインが支配していたアルジェを占領しました。彼らが築いた城塞都市がカスバと呼ばれるようになり、アルジェはオスマン艦隊の重要拠点の1つとして発展しました。
1830年、アルジェのカスバはフランスによって攻め落とされ、アルジェリアも植民地化されます。フランスは、カスバの麓の海辺に近代都市を建設します。結果的に、斜面上のアルジェのカスバは地元民の居住区として残り、現在に至っています。
アルジェのカスバへのアクセス方法
日本からアルジェのウアリ・ブーメディアン空港までの直行便はありません。ドバイやドーハ、イスタンブール、北京などで乗継をする必要があります。
ウアリ・ブーメディアン国際空港から世界遺産アルジェのカスバまでは約20km、車で30分ほどです。
アルジェのカスバのおすすめポイント①:カスバの街並み
アルジェリアの首都アルジェのはとても興味深い街です。海岸沿いの新市街にはフランスの港を思わせるような街路が整備され、豪華なアパートメントが立ち並んでいます。一方でその後ろのアルジェの丘には、世界遺産のカスバの家々がまるでおもちゃを積み上げたように折り重なっています。以前はアルジェを囲むように城壁が巡っていましたが、19世紀のフランスからの独立運動の際にほとんどが破壊されてしまいました。
今にも崩れそうな家々の隙間を歩くと、オスマン時代から続く伝統の暮らしぶりを垣間見ることができます。現在この世界遺産のカスバには5万人ほどが住んでいるといわれ、あちらこちらにモスクやハンマーム(公衆浴場)があります。世界遺産でありながらほとんど観光地化されていないので、観光客も多くなくゆっくりと散策を楽しめますよ。
アルジェのカスバのおすすめポイント②:モスクと宮殿
世界遺産アルジェのカスバはこれ!というほど目立つ建築物はなく、その複雑な路地や階段、景観などが魅力です。そんな世界遺産のカスバのなかにあって代表的な歴史的建造物といえるのが、麓近くにあるケチャワ・モスクです。1794年に建てられたもので、フランス植民地時代には一時カトリック教会に変えられていました。独立後にまたモスクへと戻され、アルジェリアの歩んだ時代の波を感じる観光スポットです。
また、ケチャワ・モスクの並びにある1791年築のムスタファ・パシャ宮殿も必見!オスマン帝国時代にアルジェの提督が住んでたというだけあって、あちらこちらの美しいモザイクの壁や装飾が印象的です。中庭を取り囲むように回廊があり、中心の水場にはなんと鯉が泳いでいます。現在はアラビア語書道博物館になっていて、気軽に訪ねることができますよ。同じ世界遺産の旧市街でありながら、丘の上の家々と麓のモスクや宮殿とでかなり印象が違うと感じるでしょう。
アルジェのカスバを訪れる際の注意点
アルジェのカスバ観光では、事前に観光協会等を通じてカスバ警察に依頼し、警察のエスコートが必要となっています。また、夜間の外出はなるべく避けるようにしてください。
◎まとめ
世界遺産アルジェのカスバについてご紹介しました。植民地化以前からの伝統をもつ旧市街には、今もさまざまな慣習が残っています。
古くからの生活の営みに触れることが、世界遺産観光の醍醐味のひとつといえるでしょう。