名称:Selimiye Mosque and its Social Complex
住所:Selimiye Camii Meydan Mh., Edirne, Edirne
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1366/
トルコの世界遺産「セリミエ・モスクと複合施設群」。イスタンブールから北西に向かったエディルネという街にその世界遺産は存在します。エディルネはブルガリア国境まで約10キロ程、ギリシャの国境まで約5キロ程という国境近くにある街です。
オスマン帝国時代に建築されたセリミエ・モスクと複合施設群はトルコの最高建築物と言われるほど素晴らしいモスク。とても巨大なだけでなく、内部も非常に豪華で美しいことでも知られています。その芸術性はとても高く、訪れる人を惹きつけていますよ。それでは世界遺産セリミエ・モスクと複合施設群をご紹介しましょう。
目次
イスラム建築最高峰の一つ!世界遺産・セリミエ・モスクと複合施設群
セリミエ・モスクと複合施設群とは?
トルコの世界遺産の一つ、セリミエ・モスクと複合施設群はトルコ北西のエディルネに位置しています。2011年ユネスコの世界遺産に登録されました。
エディルネはオスマン帝国の都がイスタンブールに移るまでは実質、首都として栄えていた街。オスマン帝国時代に皇帝セリム2世の命を受け、1568年から1574年にイスラム建築の巨匠、ミマール・スィナンによりセリミエ・モスクは建設されました。セリミエ・モスクはスィナン自身も最高傑作と認めており、まさにイスラム建築の最高峰といえるモスクなんです。
セリミエ・モスクの周囲のキュッリイェと呼ばれる施設にはマドラサと呼ばれるイスラム教の神学校、病院、図書館、市場、時計棟、中庭などがある複合施設になっています。世界遺産となった現在は華麗で美しいセリミエ・モスクを見に訪れる観光客も多いですが、イスラム教徒の巡礼地としても多くの人が訪れています。
1982年から1995年までの間、トルコのリラ札にも描かれていたことからも、セリミエ・モスクはトルコを代表する建築物だということがわかりますね。
セリミエ・モスクと複合施設群へのアクセス
イスタンブールから世界遺産セリミエ・モスクと複合施設群がある街・エディルネまではバス利用になります。
イスタンブールのエセンレル・オトガル(バスターミナル)からエディルネ・オトガルまでは2時間半から3時間程度。
チケットは直接オトガルか、事前に市内にあるバス会社から購入です。
イスタンブールからエディルネまでは鉄道もありますが本数が少なく駅も町から遠いのでバスが便利です。
エディルネ・オトガルから世界遺産のセリミエ・モスクがある街の中心部へは無料の小型バスが出ています。15分程乗車で世界遺産のセリミエ・モスク付近に到着します。
また、エディルネ・オトガルに戻る際は、降りた場所の反対側から乗車になります。
セリミエ・モスクと複合施設群のおすすめポイント①:光あふれるモスク内部
トルコの世界遺産の一つ、セリミエ・モスクと複合施設群。美しく巨大なモスクは、当時首都であったエディルネの小高い丘の上に堂々とそびえたち、エディルネのシンボル的存在の世界遺産です。
4本の高い尖塔ミナレットと大きなドームは遠くからも圧倒的な存在感がありますが、外観だけでなく内装も品がある華やかさを持つことで知られています。名建築家スィナンが独自に編み出した工法によりモスクのドームを支えるためにあった壁が取り払われ、たくさんの窓を取り付けることが可能に。より開放的な空間で、光を取り入れることに成功しました。
そのため内部は明るく、イズニックタイルも鮮やかで見ごたえがあります。高い天井に描かれた装飾も繊細で美しいのでお見逃しなく。敷地内には博物館もあるので、時間に余裕を持って行かれることをお勧めします。
ちなみにモスクの下にはショッピングアーケードもあるので土産物探しも楽しいですね。イスタンブールと比べると観光客が少ないので、ゆっくりと散策できるのも魅力的ですよ。
セリミエ・モスクと複合施設群のおすすめポイント②:逆さチューリップ
出典: Mehmet Cetin / shutterstock
セリミエ・モスクと複合施設群、もうひとつの見どころは「逆さチューリップ」です。セリミエ・モスクがある丘は、かつてチューリップ畑でした。モスク建築に最適な場所を見つけたものの、オスマン帝国の建築部門のトップであったスィナンと丘の地主との用地買収交渉は難航します。
そのときセリミエ・モスク建築の条件の一つとして、地主からチューリップをモスクの装飾に取り入れるという提案がされました。そのため内部にはいたるところにチューリップのモチーフをみることができます。そんな多くあるチューリップの中に、ただ一つだけ逆さまに描かれたチューリップがあるんです。
モスク中央にある泉を囲む東屋の大理石の柱に彫られた「逆さチューリップ」は、なかなか首を縦に振らなかった頑固な地主を称えるために描かれたと伝えられています。偉大な建築家のちょっとしたユーモアが感じられるスポット、セリミエ・モスクを訪れたならぜひ探してみてくださいね。
◎まとめ
世界遺産セリミエ・モスクと複合施設群をご紹介しました。オスマン帝国時代に建設されたセリミエ・モスクと複合施設群の装飾は圧巻ですね。エディルネはイスタンブールからバスで2時間半程度。イスタンブールから日帰りも可能なので訪れやすい世界遺産です。トルコ観光の際はイスラム建築の最高峰、セリミエ・モスクをぜひ訪れてみてくださいね。