山頂に広がる摩訶不思議な異空間!トルコの世界遺産、ネムルット・ダーをご紹介

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山頂に広がる摩訶不思議な異空間!トルコの世界遺産、ネムルット・ダーをご紹介

トルコの世界遺産というとイスタンブールの歴史地区やカッパドキア、パムッカレなどが有名ですが、広い国土と歴史をもつトルコには他にも魅力的な世界遺産があります。「ネムルット・ダー」もそれらの一つの世界遺産です。

ネムルット山の山頂にあるネムルット・ダーは、荒野にいくつもの神像の巨大な頭部が地面に立っていて、まるでシュルレアリスムの絵画の中に迷い込んでしまったかのような、とにかく不思議な世界遺産なんですよ。またここから見える朝日が素晴らしいことでも知られていて、太陽が昇る瞬間にネムルット・ダーがオレンジ色に染まっていくという光景はとても感動的。そんな魅力あふれるネムルット・ダーをご紹介します。

目次

山頂に広がる摩訶不思議な異空間!トルコの世界遺産、ネムルット・ダーをご紹介

ネムルット・ダーとは?

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世界遺産ネムルット・ダーはトルコ東部の標高2134メートルに位置する、ネムルット山の山頂付近にある遺跡です。南東アナトリア地方の都市アドゥヤマン近くの街キャフタから北に約40キロほどのところにあります。

ネムルット・ダーは1881年に偶然発見されるまでの長い間人々に知られることがなく、1953年に調査が始まりました。

直径15メートル、高さ49メートルの山頂は人工的に作られたピラミッドのようなもので、頂上の神像は地震により約2メートルの頭部が落ち座頭部のみが残っています。その周囲にはゼウス、アポロ、ヘラクレス、女神などのギリシャ神話やペルシャ神話の神々の頭部、ライオンや鷲の像が並んでいます。紀元前69年に即位したコンマゲネ王国のアンティオコス1世が、山頂に築いた巨大墳墓だともいわれています。一部の鼻が破損しているので、地震ではなく偶像破壊運動の一環による人為的な破壊という説もあります。

この世のものとは思えないネムルット・ダーの光景は必見ですよ。世界遺産に登録されてから注目度は上がったものの、決してアクセスがいいとはいえない場所。足を運ぶ人は少なく、じっくりと幻想的な風景に浸ることのできる穴場といえる世界遺産ですよ。

ネムルット・ダーへのアクセス

世界遺産ネムルット・ダーへのアクセスは、北西に位置するマラティヤ、南西に位置するアドゥヤマン、キャフタを拠点にする人が多く、最も距離が近いのはキャフタです。

飛行機利利用の場合は、マラティヤ空港を利用。
バス、車利用の場合は、アドゥヤマンやキャフタを拠点にするのがいいでしょう。

世界遺産ネムルット・ダーに訪れる際は個人で行くことは非常に困難なので、上記3つの町からツアー、車のチャーターを利用することをオススメします。

観光シーズンは4月から10月までとなっています。その年の天候によって変更があるので、情報はこまめに確認するようにしましょう。

ネムルット・ダーのおすすめポイント①:ネムルット・ダー

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1987年に世界遺産に登録されたトルコの東部に位置するネムルット・ダー。ネムルット・ダーと名前を聞いてピンとこなくても、大きな頭部が地面に立っている不思議な光景は、テレビや写真などで見たことがある人もいるかもしれませんね。

山頂にあるゼウスやアポロ、ヘラクレスなどの巨大な頭だけの石像群は訪れる人を圧倒します。紀元前からここにある遺跡は歴史のロマンを感じさせてくれますよ。

太陽が昇る瞬間と沈むタイミングにあわせて訪れる人も多いネムルット・ダー。神々の石像群と太陽の美しさのセットは、ここでしか体験できない素敵な時間になりそうですね。

世界遺産のネムルット・ダーは山に位置するので下界は暑くても、ネムルット・ダーの気温は低く、かなり冷え込みます。夏でも防寒着を持参してくださいね。また駐車場から急な坂道を約20~30分程歩きますので、動きやすい服装と履きなれた運動靴で行くことをオススメします。

ネムルット・ダーのおすすめポイント②:アルサメイヤ、カラクシュ、ジュンデレ橋の遺跡

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世界遺産ネムルット・ダー周辺には他にもアルサメイヤ、カラクシュ、ジュンデレ橋と呼ばれる遺跡があります。こちらは世界遺産ではありませんがネムルット・ダーからも近く、併せて巡ることをオススメします。

アルサメイヤは別名エスキ・カレ(古い城)とも呼ばれるコンマゲネ王国の王宮跡で、遺跡にはアンティオコス1世の父ミトリダテス王がヘラクレスから王位を授かり握手しているレリーフがあるのも見どころ。

カラクシュはミトリダテス王の母と姉のための墳墓と言われています。カラクシュとは黒い鷲の意味。その彫刻があることからこの名前がつけられたようです。現在は4本の石柱が残っています。

ジュンデレ橋はローマ時代に造られた石造りの橋。紀元200年頃に皇帝セプティミウス・セヴェルスがその妻と二人の息子に捧げて建てられたといわれています。

◎まとめ

トルコの世界遺産ネムルット・ダーを紹介してみました。荒涼とした山頂に佇むたくさんの神像の頭部、幻想的な光景ですよね。

トルコには有名な世界遺産がいくつかありますが、ネムルット・ダーはアクセスがよくないせいで足を運ぶ人そう多くありません。世界遺産観光でありがちな、写真にある雰囲気のある美しい景色が見たくて訪れるとたくさんの観光客で興ざめ、なんてことになる心配はありません。心置きなく太古のロマンと美しい景色を楽しむことができますよ。アクセスは大変ですが、ぜひ訪れてほしい世界遺産です。

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