名称:Historic Fortified Town of Campeche
住所:Campeche, Mexico
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/ja/list/895
カンペチェは、メキシコ東部ユカタン半島の西岸にある、カリブ海のメキシコ湾に臨む港町です。16世紀以降、スペイン人がここから中米の財宝を本国に輸出し、代わってアフリカから奴隷を輸入していました。
しかし、お宝を狙って海賊や他国艦隊の襲撃が絶えなかったため、17世紀末から18世紀中ごろにかけて、カンペチェの町の周囲を城壁ですっぽりと囲い、周囲の海岸線には要塞群を建設しました。
カンペチェの旧市街は、上から見ると不等辺六角形をしています。市中の家々はカラフルな色に塗られているものが多く、目を引きます。とても良好な姿で残る要塞都市の遺構をどのように観光すればよいか、こちらの記事でご紹介しましょう。
目次
メキシコの世界遺産カンペチェ歴史的要塞都市!多彩な建物と要塞の魅惑の旅
カンペチェ歴史的要塞都市とは?
カンペチェとは、もともとあったマヤ人の町「カンペチュ」もしくは「キンペチュ」に由来するといわれています。ユカタン半島でもっとも主要な港の1つでしてたが、前述の通り海賊などがしばしば街を襲ったことから、1686年を境にカンペチェ市の防衛力強化計画がスタートしました。
カンペチェの中心街を取り囲む城壁は、総長約2500mにもなり、不等辺六角形のそれぞれの角には防衛上の拠点が置かれました。最盛期には2万人以上がこの旧市街で暮らしていたそうです。
しかし、19世紀半ばに入ると、ユカタン半島の先端に近くより大規模な港湾施設を備えたシサルやプログレソなどに貿易の比重が移り、カンペチェは次第に衰えていきました。そのため、かえって旧市街の街並みや城壁がそのままの姿で残ることになりました。
カンペチェ歴史的要塞都市へのアクセス
カンペチェへ行くには、メキシコシティから国内線の飛行機でアクセスしましょう。カンペチェ国際空港から旧市街へは、連絡バスが出ています。
カンペチェの旧市街はいたって小さく、徒歩で充分めぐることができます。ただし、サン・ミゲル要塞など少し離れたところにある要塞を訪ねる場合は、旧市街辺からバスを利用する必要があります。
カンペチェ歴史的要塞都市のおすすめポイント①:カラフルな街並み
世界遺産カンペチェ旧市街の家々には、典型的なコロニアル様式が色濃く反映されています。カラフルな外壁に装飾の施された出窓という明るい家屋が、旧植民地に来たのだなと実感させてくれます。
カンペチェの旧市街はほとんど碁盤の目状に道路が交わっているので、あまり迷う心配はありません。こころゆくまで旧市街をブラブラして、コロニアル様式の色とりどりの家々を脇目に当てもなく散策するといのも、この町ならではの楽しみといえるでしょう。滞在中どこに出かけるにしても、カメラは必携ですよ。
カンペチェ歴史的要塞都市のおすすめポイント②:要塞群
城塞都市カンペチェは、旧市街を取り囲む城壁のいたるところに小城塞(稜堡)が築かれています。現在では、植物園になっているところもあれば、考古学博物館になっているもの、海に一番近い展望台となっているところなどさまざまな用途に使われています。城壁に沿ってぐるっと一周散策するだけで、世界遺産観光だけでなくちょっとした運動や勉強、気分転換にもなりますよ。
また、カンペチェ旧市街の西の丘にも、物見台を兼ねたサン・ミゲル要塞があります。こちらは、スペイン人が到達する前の珍しい品々を収蔵している博物館となっています。もちろんこちらも立派な観光スポットなので、バスやタクシーを利用してぜひ立ち寄ってみてください。
◎まとめ
ユカタン半島の港街として栄えたカンペチェ歴史的要塞都市についてご紹介しました。城塞とコロニアル様式の街並みという、当時の植民市に一般的な特色をはっきりわかりやすく残しているという点が、おそらく世界遺産に登録されるうえで決め手になったのでしょう。
比較的狭い範囲に世界遺産の見どころが集まっているカンペチェ。この地方を巡る際には、ぜひカンペチェにゆっくり滞在してみてください。