悠久の歴史を感じながら楽しむ世界遺産・朝鮮王朝の王墓群巡り

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悠久の歴史を感じながら楽しむ世界遺産・朝鮮王朝の王墓群巡り

ソウル市から少し離れると、そこには豊かな緑が広がっています。実はこのソウル郊外の自然の中に、朝鮮王朝時代の歴代の王たちが眠るお墓が存在するのです。2009年に世界遺産に登録された「朝鮮王朝の王墓群」は全部で40基。韓国では「朝鮮王陵(チョソンワンルン)」の名で親しまれています。

この記事では、ソウル近郊に点在する世界遺産「朝鮮王朝の王墓群」の見どころや魅力についてご紹介していきます。韓国の歴史ドラマや映画ファン必見の観光スポットですよ!
緑溢れる自然にもぜひ注目してみてくださいね。

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目次

悠久の歴史を感じながら楽しむ世界遺産・朝鮮王朝の王墓群巡り

朝鮮王朝の王墓群とは?

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1392年から518年間に渡って続いた朝鮮王朝時代。その歴代の王や王妃たちの眠るお墓が世界遺産「朝鮮王朝の王墓群」です。1408年から1966年の5世紀以上に渡って造られたというこの王墓群は、建造当時からしっかり管理されてきたため非常に保存状態が良く、また、今でもこの場所で王を祀る法事が行われることなどが世界的にも高く評価されています。

王陵は儒教と風水に基づいて建てられているため、背後に丘があり南方に水場を有する場所が理想とされてきました。実際、緑豊かな自然の中に建っている王陵がほとんどですよ。この世界遺産に含まれている40基の王陵のうちのほとんどがソウル近郊にありますが、これはかつて都から100里(約40km)圏内に王陵を建てなければならないという決まりがあったため、このように密集するようになったそうです。

最も行きやすいのはソウル中心部にある宣陵(ソルルン)と靖陵(ジョンルン)。どちらも江南エリアの同じ敷地内にあるので、ショッピングの合間の休憩などにもおすすめです。韓国で一番人気の第4代王・世宗(セジョン)は、京畿道(キョンギド)にある英陵(ヨンルン)に眠っています。世宗は歴代王の中で最も優れた王だと言われており、訓民正音(ハングル)を創ったことでも有名。1万ウォン紙幣のモデルになっている王もこの世宗です。

9つの王陵が集った東九陵(トングルン)や王妃の墓の隣が空いたままとなった弘陵(ホンルン)、色鮮やかな八作屋根(パルチャッチブン)の丁字閣が自慢の崇陵(スンルン)など、王陵によって様々な特徴があります。韓国の歴史についてあまり知らない方は、ドラマや映画のモデルとなった王や王妃のお墓から巡ってみるのがおすすめ。どの王陵も歴史やエピソードがたっぷりあるので、きっと楽しめるでしょう。

朝鮮王朝の王墓群へのアクセス

<宣陵・靖陵>
ソウル地下鉄2号線の宣陵(ソルルン)駅から8番出口に出て徒歩5分。または、地下鉄9号線の宣靖陵(ソンジョンルン)駅から3番出口を出て徒歩7分です。宣陵、靖陵ともに同じ三陵公園(サムルンコンウォン)内にあります。

<東九陵>
ソウルから地下鉄・京義中央(キョンウィチュンアン)線で九里(クリ)駅まで行き、そこからタクシーで約5分です。

<思陵>
ソウルから地下鉄・京春(キョンチュン)線で思陵(サルン)駅まで行き、タクシーを利用すると楽にアクセスできます。タクシーの乗車時間はおよそ10分です。地下鉄とバスを利用して行く場合は、同じく京春線に乗って金谷(クムゴク)駅で下車。55番のバスに乗り換えて「世界遺産朝鮮王陵思陵」を目指します。
バス停から思陵までは約90mです。ソウル市内からは、バスのみでアクセスすることも可能。
その場合は、23番か55番のバスに乗り「世界遺産朝鮮王陵思陵」で下車しましょう。

朝鮮王朝の王墓群のおすすめポイント

◆宣陵・靖陵

出典: topic_3z/PIXTA(ピクスタ)

朝鮮王朝第9代王の成宗(ソンジョン)とその継妃である貞顕王后(チョンヒョンワンフ)、そして成宗の息子であり第11代王の中宗(チュンジョン)を祀っているのが、こちらの宣陵(ソルルン)と靖陵(ジョンルン)です。ソウル中心部の江南に位置し、アクセスが便利なことから人気のスポットとなっています。
施設内には未だに、王や王妃が休憩のために利用したという齋室(チェシル)が残されているんですよ。

中宗王が眠る靖陵は、元々はソウル郊外の京畿道(キョンギド)にありました。しかし、風水地理上よくないという理由から1562年に現在の場所に移されたのです。このように昔は風水や占いによって王の墓を動かしていたんですね。また、お墓を建てようとした場所にすでに民墓があった場合などは、お金やお米と引き換えにその民墓を移動させていたそうです。

敷地全体が「三陵(サムヌン)公園」という公園になっているこの世界遺産では、都心にいながら自然を感じることもできます。観光客はのんびり散策を楽しみ、ソウル市民は早朝から運動を楽しむのだとか。
休日には、お弁当を持ってきてピクニックを楽しむ家族連れがいっぱい!「ソウル市民の憩いの場」で韓国の歴史に触れてみるのも良いかもしれませんね。

◆東九陵

出典: SiHo/Shutterstock

世界遺産「朝鮮王朝の王墓群」で最大の規模を誇ると言われているのが東九陵(トングルン)です。
ソウル郊外の京畿道九里(クリ)市に位置しており、世界遺産に登録されている40基の王陵のうち9基がここにあります。朝鮮王朝を築いた初代王・太祖(テジョ)のお墓である健元陵(コンウォンヌン)も、この東九陵にありますよ。

健元陵は東九陵に来たら絶対に外せない必見スポット。芝生で覆われた通常の王陵とは異なり、ススキが生い茂っているのが特徴です。実はこの健元陵に生い茂るススキは、生前、故郷の土で眠りたいと願った太祖のためにわざわざ咸興市(ハムンシ)から移植したものなのだとか。ちなみに咸興市は、現在の朝鮮民主主義人民共和国・北東部にある冷麺が大変有名な街です。

他にも、韓国ドラマ「イサン」の主人公である第22代王・正祖(ジョンジョ)直筆の石碑が残る元陵(ウォンルン)や、丘の上まで登って封墳(ポンブン)を見ることができる穆陵(モンヌン)など見どころ満載!
東九陵には展示館があるので、事前に立ち寄って王陵について学んでおきましょう。
より一層楽しめること間違いなしですよ。

◆思陵

「悲劇の王妃が眠る陵」として有名な思陵(サルン)。ここは朝鮮王朝第6代王である端宗(タンジョン)の妃・定順王后(ジョンスンワンフ)が眠っているお墓です。定順王后は15歳で王后に即位しましたが、権力争いに巻き込まれた端宗が幽閉されると、彼女も王后の身分を剥奪されてしまいます。

17歳という若さで夫である端宗と離れ離れになってしまった定順王后は、庶民の身分となった後も端宗を思い続け、なんと生涯を終える82歳まで1人で生き切ったそうです。この王陵は、端宗の墓を眺め嘆く定順王后の心を表し「思陵」と名付けられました。
他の王墓群に比べて小ぢんまりとした思陵ですが、訪れる価値がありますよ。

◎まとめ

世界遺産「朝鮮王朝の王墓群」は、韓国の歴史を学ぶ上では外せない場所です。また、韓国の歴史ドラマや映画ファンにとっても、興味深いスポットと言えるでしょう。ソウル市内には朝鮮王朝歴代王たちの位牌を祀った世界遺産「宗廟(チョンミョ)」もありますので、ぜひあわせて見学してみてくださいね!

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