名称:高敞支石墓群
住所:大韓民国 全羅北道 高敞郡 高敞邑 コインドル公園キル 74
公式・関連サイトURL:http://www.gochang.go.kr/japanese/index.gochang?menuCd=DOM_000003505000000000
名称:和順支石墓群
住所:大韓民国 全羅南道 和順郡 道谷面 コインドル1路
公式・関連サイトURL:http://www.dolmen.or.kr/jap/
名称:江華支石墓群
住所:大韓民国 仁川広域市 江華郡 河岾面 江華大路 994-12
公式・関連サイトURL:http://www.ganghwa.go.kr/open_content/tour/assets/heritage.jsp
世界各地で確認されている支石墓(しせきぼ)と呼ばれる巨石墓。主にイギリスやフランスなど西ヨーロッパで建造されていたお墓なのですが、実はお隣の国・韓国でも見ることができるのです。
韓国南西部にある全羅北道(チョルラプクド)高敞(コチャン)郡と全羅南道(チョルラナムド)和順(ファスン)郡、そして仁川(インチョン)国際空港がある仁川広域市の江華(カンファ)郡の3ヶ所にあり、2000年には世界文化遺産に登録されました。
中でも江華郡にある支石墓は、なんと120基にも及ぶのだとか。大きなものから小さなものまで形も様々で、思わず全てをチェックしたくなるような不思議さを持っています。
ちなみに、韓国語では支石墓を「コインドル」と呼ぶそうですよ。
今回はそんな韓国の世界遺産「高敞、和順、江華の支石墓群跡」についてご紹介していきます。
目次
その数なんと世界一!韓国が誇る世界遺産・高敞、和順、江華の支石墓群跡
高敞、和順、江華の支石墓群跡とは?
全世界で確認されている支石墓群は、あわせて約8万基ほど。その中でも韓国では約3万基が確認されており、世界でも有数の支石墓遺跡群地として有名です。この支石墓が造られたのは紀元前2500年から紀元前1500年頃で、朝鮮半島には紀元前500年頃に伝わったと言われています。
支配階級の墓であると同時に、儀式用の祭壇として使われていたというこの支石墓。足の長い石柱に石を載せてテーブル状に石を組んだ「北方式」と、短い石柱に石を載せて碁盤状に石を組んだ「南方式」の2種類があります。支石墓の横幅は約6m近くにもなり、上に積んだ石はなんと約80トンにも及ぶそうですよ!
テーブル型の北方式は主に朝鮮半島の北部に点在しており、仁川広域市の江華(カンファ)支石墓群がまさにこの北方式です。一方、南方式は南部の方に集中しており、高敞(コチャン)と和順(ファスン)の支石墓群はこの南方式となります。
そんな支石墓は誰にも知られず、長いこと注目されていない時期があったのだとか。かつては支石墓があまりにも多く存在したため、青銅器時代の貴重な墓とは知らずに壊してしまったり、穀物を乾かすための台として使われていたそうです。一見ちょっと地味な世界遺産ですが、先史時代の文化を知る上ではとても重要な遺跡なんですよ!朝鮮半島の南部に集中して分布しているというのもまた、興味深いですよね。
高敞、和順、江華の支石墓群跡へのアクセス
<高敞支石墓群>
高敞郡へは、全羅北道の全州(チョンジュ)からも全羅南道の光州(クァンジュ)からも80分程でアクセス可能ですが、全州発着のバスの方が便数が多いため全州から行くことをおすすめします。全州の市外バスターミナルから出ている高敞行きの直通バスは一日に21便。経由便は10分~20分間隔で運行中です。
高敞からは「コインドル博物館」行きのバスがありますが、一日4便ととても少ないのでタクシーを利用しましょう。「コインドル」までの所要時間は約10分です。
<和順支石墓群>
和順郡を観光する場合は、同じ全羅南道にある光州を拠点にするのが良いですよ。光州の総合バスターミナル「ユースクエア」前に市内バス乗り場があり、そこから和順方面へ行くバスが出ています。218番または318番のバスを利用して「月谷(ウォルゴク)」を目指しましょう。中には月谷を経由しないバスもあるので、乗車する際に必ず運転手さんに確認するように!月谷までの所要時間は約1時間です。
<江華支石墓群>
ソウルから江華島までは、バスで1時間40分ほどです。地下鉄2号線の新村(シンチョン)駅で下車し、4番出口直進してバス停から江華島行きの3000番バスに乗車します。
江華島中心部から支石墓群まではバスで約15分。江華総合バスターミナルから出発する、郡内バス1番、25番、27番、30番、32番のいずれかに乗車して「コインドル」で下車しましょう。
高敞、和順、江華の支石墓群跡のおすすめポイント
◆高敞支石墓群
高敞(コチャン)にある支石墓は、なんと計1688基にも及びます。韓国で最も多く分布しているのはもちろん、面積あたりの密度は世界一!そのうちの竹林里(チュンリムリ)から上甲里(サンガプリ)一帯に分布する447基が世界遺産に登録されています。
高敞ではより支石墓について深く知ってもらうため、年に一度「支石墓体験広場」を開催しているんですよ。主に学生を対象に行われているこのイベントでは、青磁器時代の暮らしぶりを再現した展示を見たり床石運びなどを体験することができます。
信仰の対象として、死体を安置する場所として、そして祭祀を行う場所として様々な形で活用されてきた支石墓。先史時代の生活のみならず、当時の人々の精神世界にも触れることが出来る非常に興味深い世界遺産と言えるでしょう。
◆高敞支石墓博物館
世界遺産の支石墓群跡を訪れる前に、ぜひ足を運んで欲しいのがこの「高敞支石墓博物館(コチャンコインドルパンムルグァン)」。何の知識もなく支石墓を見ただけでは「ただの大きな石にしか見えない!」なんてことにもなりかねませんよね。それではせっかくの観光が台無しです。
この博物館では支石墓に関する基本的なことを学べるほか、青銅器時代に高敞地域に住んだ人々の生活の様子なども知ることができます。2階の常設展示場では支石墓の全てが一目で分かる展示があり、野外展示場では支石墓を作る際に巨大な岩をどのように動かしたのかを体験することもできるのだとか。
旅行ガイドブックの「ミシュラン」で3つ星を頂いただけありますね。
訪れる前に予め勉強しておくと、支石墓群見学をより一層楽しめること間違いなしですよ!
名称:高敞支石墓博物館
住所:大韓民国 全羅北道 高敞郡 高敞邑 コインドル公園キル74
公式・関連サイトURL:http://www.gochang.go.kr/gcdolmen/index.gochang
◆和順支石墓群
和順(ファスン)には約5kmに渡って支石墓が分布されており、地域によって12の拠点に分かれています。特に密集しているのが「グェバウィ地区」「官庁バウィ地区」「月バウィ地区」「ピンメバウィ地区」「カムテバウィ地区」「大薪里(テシンリ)発掘地」6つのエリアで、中でも「ピンメバウィ地区」が最大の見どころとなっています。
なんとこの「ピンメバウィ地区」には、国内最大と言われる支石墓が存在するんですよ!その規模は長さ7.3m、厚さ4mで重さは約280トンにも及び、この支石墓の発見が和順支石墓群を一躍有名にしました。
当時の人々がどのような技術を用いてこの巨大な石を動かしたのか、見れば見るほど不思議ですよね。
高敞や江華の支石墓群跡に比べ、和順支石墓群跡には100トンを超える巨大な支石墓がたくさん存在します。それぞれの地区には目玉となるような大きな支石墓があり、それらにまつわる伝説や言い伝えもあるのでぜひチェックしてみてくださいね。
◎まとめ
貴重な支石墓群が持つ歴史や不思議な魅力が伝わったでしょうか?見れば見るほどに興味が湧いてしまうこの支石墓群。一見ただの石ですが、その歴史や造るに至った背景を学べば世界遺産としてふさわしいものであることが分かって頂けると思います。
韓国へ訪れた際はぜひ、仁川の江華島や全羅道の高敞、和順まで足を伸ばしてみてくださいね!