【世界遺産】ヴァイマールとデッサウのバウハウスとその関連遺産群とは?

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【世界遺産】ヴァイマールとデッサウのバウハウスとその関連遺産群とは?

20世紀初頭にドイツに生まれ、近代デザインと建築業界に一大センセーションを起こした「バウハウス」。工芸・写真・デザインを含む美術と建築に関する総合的な教育を行った造形学校で、その優れた機能性や美しいデザインは以降のアートに多大な影響を与えました。

「全ての造形的作業の最終目標は建築であり我々は皆、手工業に立ち返らなければならない。芸術家は職人の延長上にある」がコンセプトで様々な芸術を結びつけて、各地の工業施設や集合住宅のような住空間の建設において斬新な作品を残していきました。

ヴァイマールとデッサウのバウハウスとその関連遺産群は、1996年世界遺産に登録されています。

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【世界遺産】ヴァイマールとデッサウのバウハウスとその関連遺産群とは?

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ヴァイマールとデッサウのバウハウスとその関連遺産群とは

出典: Claudio Divizia / shutterstock

1919年ヴァルター・グロピウスにより、ヴァイマールで創設された学校がバウハウスです。

1925年共産主義的な思想を持っているという噂が広まったのと、資金問題もあり170キロ離れたデッサウへ移転し「市立バウハウス・デッサウ校」が設立されました。地元有力者の保護や安定したリベラル層の支持により、ここデッサウでバウハウスは全盛期を迎えます。

新素材スチールを使用した斬新な家具を開発し、工業との連携を強化し始めたのもこの頃です。1930年頃からは工業デザイン、グラフィックデザインといった新分野の芸術も生み出しています。

しかし1932年にデッサウの地方自治選挙で勝利したナチス党に追われベルリンへ移転するものの閉校。その後自由な表現を求めて教師や生徒の多くがアメリカに移住。結果としてドイツで生まれたバウハウスのスタイルは、世界中に広まっていくこととなりました。

ヴァイマールとデッサウへのアクセス

ヴァイマール:フランクフルトから鉄道ICEで約2時間40分、ベルリンからICEで約2時間20分。路線バス1番で約10分、BauhausUniversitat下車すぐ。

デッサウ:ベルリンからICで約1時間半、駅からの案内板に従って徒歩約10分。

ヴァイマールとデッサウのバウハウスおすすめポイント①ヴァイマールのバウハウス大学

出典: commons.wikimedia.org

1919年、ヴァイマール創設されたバウハウス。創設者であるグロピウスが求めたのは、終戦と共に始まった歴史の新しい時代にふさわしい新しい建築様式でした。

彼は開校の辞で、職人や芸術家の間に障壁をつくっている階級差別を排し新たな職人ギルドを打ち立てる事を宣言しています。機能的かつ洗練された様式はドイツモダニズム建築を先導し、いくつもの名作を生み出しました。

バウハウスがデッサウに移った後もヴァイマールには数名の教師とスタッフが残り、工業デザイン学校が存続しました。この学校は建築・土木工科大学になりましたが、1969年にバウハウス大学と改称しています。この大学もバウハウスの関連遺産群として世界遺産の登録に含まれています。

ヴァイマールとデッサウのバウハウスおすすめポイント②デッサウのバウハウス

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当時の最新技術を使い1925年から1926年にかけて建てられたデッサウの校舎は、初代学長グロピウスが中心となり他のバウハウス建築家と共に設計されました。そのコンクリートとガラスを多用した斬新な校舎は、世界中の人々に衝撃を与えました。

現在はビルディングでよく見られる壁一面にガラスを使ったデザインですが、このようなスタイルが一般化したのは1950年以降。1920年代に既にこれをつくりあげていたのだから、その先進性たるや驚異的ですね。

デッサウのバウハウスでは素晴らしい講師陣によってユニークな総合芸術の教育が繰り広げられました。それは画家のパウル・クレーやワシリー・カンディンスキー、工業デザインのマルセル・ブロイヤー、建築家のミース・ファン・デル・ローエといった近現代のアートを語る上で決して欠かすことのできないような巨匠たちばかり。

彼らがこの校舎で教鞭をとり、この町で暮らしていたのです。校舎内は自由見学とガイド付き見学(ドイツ語のみ)があり、宿泊棟や講堂なども見学することができますよ。

ヴァイマールとデッサウのバウハウスおすすめポイント③マイスターハウス

出典: de.wikipedia.org

バウハウスの教員宿舎であるマイスターハウスは、バウハウスから徒歩約10分の所にあるバウハウス創設者グロピウス設計による実験住宅です。

1926年松林の中に完成したマイスターハウスは、創設者であり校長だったグロピウスの一戸建て住宅および、モホリ=ナジとファイニンガー、ムッヘとシュレンマー、クレーとカンディンスキーのそれぞれ二世帯住宅の4棟が建てられていましたが、グロピウス邸とモホリ=ナジ邸部分は第二次大戦中に破壊されてしまいました。

近年修復され公開が始まったグロピウス邸はオリジナルとかけ離れていると賛否両論。各住宅、シンプルに見えて計算し尽されたミニマルなデザイン。原色使いが基本のバウハウス住宅においてパステルカラーが見られるムッヘ邸や、地下室まであったグロピウス邸など各住宅にみられる個性が楽しいです。おすすめの見学コースですよ。

◎まとめ

20世紀にドイツに誕生し、現代のデザインやその他の芸術に多大な影響を及ぼした「バウハウス」。建築やアートに興味がある方なら非常に楽しめる世界遺産といえますね。

各地に点在するスポットを巡ってみるのも楽しいですよ。ドイツを代表する世界遺産「ヴァイマールとデッサウのバウハウスとその関連遺産群」をぜひ訪れてみてくださいね。

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