名称:薬王院温泉寺
住所:石川県加賀市山代温泉18-40甲
公式・関連サイトURL:https://goo.gl/iiJXFd
北陸有数の温泉街が集まる加賀温泉郷。石川県の中では福井県と県境を接する加賀市にあり、地域ごとの風情を生かした温泉地が立ち並び、観光客を惹きつけてやみません。今回ご紹介したいのがそのうちの一つ、「山代温泉」エリアです。開湯1300年の山代温泉には、かつては有名な戦国武将も都から湯治に訪れたと言われています。共同浴場(総湯)を中心とした山代温泉街(湯の曲輪:ゆのゆのかわ)には、歴史と伝統に基づく文化が育まれてきました。温泉はもちろんですが、山代温泉に今も息づく歴史や自然、そして文化の香りなど山代温泉観光の見どころを厳選してピックアップしました。加賀有数の温泉地の自然の中で、歴史深いご当地の文化を肌で感じてみましょう。
目次
山代温泉エリアのおすすめ観光6選!加賀の自然や歴史を堪能しよう!
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1. 行基が開いた古刹「薬王院温泉寺」
山代温泉街にある「古総湯」のすぐ南に位置する観光スポットが「薬王院温泉寺」。始まりは約1300年前まで遡ります。山代温泉の発見者である行基(ぎょうき)上人が、温泉の守護のために白山の大権現を祀り、薬師如来・日光両菩薩および十二神将を彫刻・安置しました。
朱色の山門をくぐると、寺社と周囲の木々との調和がとれた閑静な境内が広がります。緑の季節はもちろん、秋の紅葉は見事!寺宝である平安時代の十一面観音菩薩像や鎌倉時代の不動明王像などと併せて、山代温泉観光の際には季節ごとの趣あふれる景観をお楽しみください。
さらに、薬王院温泉寺の雰囲気を感じながら鑑賞したいのが、境内後方の高台にある「五輪塔」。こちらは、かつて衰退を辿ったお寺を立て直した住職である明覚(みょうかく、めいかく)上人を供養するために建立されました。現在では国の重要文化財に指定されております。明覚上人は、現在使われている「あいうえお」50音の創始者としても有名です。薬王院温泉寺から裏手の服部神社の先には、彼のお墓と「あいうえをの小径」が萬松園公園まで伸びています。
観光の折には、長くにわたり山代温泉を見守ってきたお寺を訪ね、歴史と風情を感じてみてください。
2. 樹齢200年の巨樹が鎮座「服部神社」
薬王院温泉寺の裏手にある「服部神社」も山代温泉の観光スポットとして有名です。この地域の人々にっとっては昔から親しまれてきた古社でもあります。1552年に戦火でかつての社殿を焼失するなどの紆余曲折がありましたが、今にその歴史を伝える重要な山代温泉の観光スポットとなっています。
服部神社の御祭神は三体。まずは、機織の神である「天羽槌雄神(あめのはづちおのかみ)」。8世紀前半頃、ここ山代温泉の地に機織や裁縫が伝えられたことに由来します。次に白山神社の御祭神である「菊理媛神(くくりひめのかみ)」が1875年に合祀。最後に山代温泉の守り神「山代日子命(やましろひこのみこと)」が平成3年に加わり、現在に至ります。
荘厳な石造りの一の鳥居と二の鳥居を、参道である石段を登りながら抜けてゆくと、階上には立派な神門が。境内に入ると本殿と拝殿があり、荘厳な雰囲気を醸し出しています。生い茂る木々に囲まれ、緑鮮やかな苔むした空間には、山代温泉地域の自然の温もりがいっぱい。そして、平成山代八景の一つである樹齢200年の巨木も観光の際にはお忘れなく!
名称:服部神社
住所:石川県加賀市山代温泉18-7
公式・関連サイトURL:https://goo.gl/SXLMwT
3. 山代温泉の名水「男生水」・「女生水」
石川・山代温泉の「男生水」。雰囲気がいいな! pic.twitter.com/NPgHNPU3Mg
— 浜田線翔 (@hamadasensho) August 15, 2017
かつて山代温泉地域の生活を支えた名水が今に残ります。それが「男生水(おとこしょうず)」と「女生水(おんなしょうず)」。現在では、子宝に恵まれるとの言い伝えから、ご夫婦やカップルに注目の観光スポットになっているのです。
山代温泉総湯から東に行くと、まず最初にたどり着くのが上の生水と呼ばれる「女生水」。枯れることがなかったというこの井戸には昔、山代温泉にある旅館で働く女衆が朝夕に絶えず往来し、水を汲んでいました。そこから「女生水」と呼ばれるようになったと伝えられます。多くの観光客や地元民が、安置されているお地蔵さんに手を合わせ名水に触れる姿は、当時の様子を思い起こさせます。
そしてさらに東に進むと下の生水「男生水」があります。こちらでは男性が天秤棒に水桶を二つぶら下げ、朝夕に水を運んでいました。「男生水」にも水掛地蔵尊があり、お祈りすると授かりもののご利益があると伝えられます。
カップルで、またはご夫婦で山代温泉へ観光に訪れたら、ぜひ一度願いを込めてそれぞれの生水に触れてみましょう。
名称:男生水・女生水
住所:石川県加賀市山代温泉
4. 山代温泉の自然でリフレッシュ
加賀市の山代温泉地域には魅力的な温泉宿がたくさんありますが、周囲を取り巻く豊かな自然にも注目です。山代温泉観光の合間の憩いのひと時や、山代温泉街を散策するにあたっての一つのアクセントとして、地元の方々にも親しまれている自然に触れ合ってみませんか?こちらでは、観光の際に山代温泉地域の自然を味わえる公園をいくつかご紹介します。
◆足湯源泉公園
山代温泉街の中心にある総湯のすぐそばに公園が整備されており、そちらでは豊富な温泉を生かして足湯が堪能できるスポットとなっています。宿の温泉も魅力的ですが、観光の合間にどなたでも気軽に楽しめる足湯も、山代温泉を堪能するのに欠かせません。
目印は山代温泉のシンボルともいえる「ヤタガラス」の像です。開湯の祖である行基上人が白山への修行の道すがら、湧き出る温泉で傷を癒している鳥を発見。それが三本足の霊長ヤタガラスで、ここ山代温泉のルーツを物語るうえで欠かせないものとなっているのです。
のどかな山代温泉街の雰囲気を感じながら、寒い日は観光で冷えた体を温め、お天気の良い日には澄んだ空気を吸いながら温泉に親しむ。公園で一休みしながら次の観光計画を練るのも良いでしょう。温泉宿だけではない、温泉という天然資源を生かしたこの公園。山代温泉観光のアクセントにおすすめです。
名称:足湯源泉公園
住所:石川県加賀市山代温泉18-128総湯脇
公式・関連サイトURL:http://www.yamashiro-spa.or.jp/spots/282
◆大堰宮公園
大堰宮公園 http://t.co/W083yJswtp pic.twitter.com/zBFvAr86Dy
— DITN気象情報速報 (@D_I_T_N_Weather) April 6, 2015
加賀の山代温泉地域において、桜の名所として挙げられるのが「大堰宮公園(おおひのみや)」です。こちらでは八重桜や九重桜といった種類の桜が顔を揃え、毎春には満開の花を咲かせて地元の方々や観光客の目を楽しませてくれます。
夏には豊かな緑が眩しく、山代温泉観光の合間のお散歩や散策にぴったり。秋には紅葉も楽しめます。公園内には神社があり、そちらを中心に整備されています。また、神社の裏手にある大聖寺川沿いを、せせらぎの音を聞きながら散策するのもまた心地よい時間となることでしょう。
四季折々の表情を見せてくれる大堰宮公園。観光の際に、山代温泉地域の方々に親しまれている「山代平成八景」のひとつを味わってみてください!
名称:大堰宮公園
住所:石川県加賀市保賀町イ6
公式・関連サイトURL:http://tabimati.net/midokoro/detail_kanko.php?p=3167
5. 魯山人寓居跡「いろは草庵」
山代温泉に所縁のある文化人といえば、書家であり篆刻家の北大路魯山人(きたおおじろさんじん)が有名です。1915年秋からの約半年間を山代温泉で過ごし、その間に旅館「吉野家」や当地の陶芸家である須田菁華(すだせいか)の窯などの看板を彫りました。それらの製作に際し、「吉野家」の主人から提供されたアトリエ兼住まいが「いろは草庵」です。現在は山代温泉の注目の観光スポットとなっています。
魯山人は、看板を手がけたことから須田菁華の薫陶を受け、山代温泉の地で陶芸でもその才能を発揮。その他にも寓居を訪れた旦那衆らと語り合い、文化への造旨を深めていきました。書を行った書斎や看板を彫った仕事部屋、談義に花を咲かせた囲炉裏の間など、当時の面影や魯山人の息吹を感じられる見所が保存されているのが、「いろは草庵」の魅力。併設される展示室では、魯山人や彼に関連のある方々の作品を目にすることができます。
また、風情のある庭も見逃せません。外からの景色も見事ですが、建物内のロビーから眺める庭も味わい深いものです。季節に応じた風景の変化も観光の際の見所。ぜひ、様々な季節に訪れてみてください。
名称:魯山人寓居跡 いろは草庵
住所:石川県加賀市山代温泉18-5
公式・関連サイトURL:http://kagashi-ss.co.jp/irohasouan/iroha_home/
6. 加賀の伝統工芸「九谷焼」を嗜む
観光に出かけた時には、やはりご当地の特産品に接したいものですよね。今回紹介している加賀市の山代温泉には、当地の名産品である九谷焼関連の観光施設が数多く集まっています。展示品の鑑賞はもちろん、実際に陶芸体験をできるスポットなど多彩な施設が観光客を待っており、加賀の地で育まれた文化・芸術を嗜むにはとても良い機会となるでしょう。加賀の伝統工芸に親しむことができる観光施設を、山代温泉地域から厳選してご紹介します。山代温泉を訪れる際には、加賀の魅力を伝統工芸から感じてみることもオススメですよ。
◆九谷焼窯跡展示館
古九谷から連なる九谷焼のルーツがここにあります。山代温泉観光で九谷焼を嗜むには、まず手始めに九谷焼の窯跡を訪ねて見ましょう。
江戸時代前期のわずかな期間に、石川県の九谷で製作された古九谷の器。その後一時姿を消しますが、加賀地方で再興。山代温泉地域にも例外なく焼成の窯が建ちました。こちらで保存されている窯は、1826年に九谷地方から移された後に1940年まで受け継がれてきた「九谷磁器窯跡」、並びに1940年に建てられてから1965年頃まで使用されてきた「山代九谷焼磁器焼成窯」。展示されている窯道具や、当時の窯元の生活を伺い知ることができる住居兼工房の復元とともに、九谷の伝統工芸の歴史の旅へと観光客を誘います。
九谷焼をさらに深く知りたい方には、蹴ろくろと絵付けの体験がおすすめ。大人から子どもまで幅広い年齢層の観光客が親しめるこのアクティビティは、山代温泉観光の思い出作りにも最適ですよ。ご参加を検討される場合は事前にお問い合わせ下さい。
名称:九谷焼窯跡展示館
住所:石川県加賀市山代温泉19-101-9
公式・関連サイトURL:http://www.kagacable.ne.jp/~kamaato/index.html
◆九谷焼窯元 須田菁華(すだせいか)
山代温泉で九谷焼の歴史ある窯元が、この「須田菁華窯」。北大路魯山人が山代温泉に赴き、最初に手がけた看板がこの窯元のものでした。力強い彫りの看板が映える昔ながらの建物は、窯元の伝統を観光客に伝えてくるかのように目を引きます。
長い年月を経て今なお、歴史と温もりのある九谷焼の技術を受け継ぎ、溢れんばかりの魅力を発信し続ける山代温泉街きっての老舗の窯元。屋内に並ぶ多彩な作品は、見るものを飽きさせません。どのような器が自分のお部屋や食卓に合うのか、思いを巡らせながら作品を眺めるだけでもワクワクしますね。
「須田菁華窯」の看板を手がけたことで、初代・須田菁華に才能を見初められた魯山人は、ここで九谷焼の魅力に触れることに。陶芸家・魯山人の誕生です。山代温泉観光の際は、ぜひこちらで九谷焼の粋に接してみましょう。観光客の皆さんも、魯山人のように九谷焼の虜になること必至です!
名称:九谷焼窯元・須田菁華
住所:石川県加賀市山代温泉東山町4
公式・関連サイトURL:http://www.yamashiro-spa.com/yukariyado/shisetsu/sudaseika.html
◆九谷焼体験ギャラリーCoCo
「九谷焼体験ギャラリーCoCo」は、その名の通り実際に九谷焼の絵付け体験ができ、また若手の地元工芸作家が製作した作品を展示・販売している、山代温泉地域の魅力溢れる体験型観光スポットです。
自ら絵付けをして世界中で唯一無二の器を作る、観光中にちょっとした陶芸家になれるのがこの絵付け体験です。山代温泉観光のアルバムの1ページに残る、素敵な思い出になること違いありません!
名称:九谷焼体験ギャラリーCoCo
住所:石川県加賀市山代温泉18-115甲1
公式・関連サイトURLhttp://tabimati.net/midokoro/detail_kanko.php?p=2133
◆九谷美陶園
こちらの窯元では、伝統的な九谷焼から現代風な新しさを織りませたものに到るまで、約300から400種類の器が山代温泉で観光客の皆さんをお待ちしています。その姿は窯元でありながら、加賀の伝統を伝える陶器の美術館さながら。古九谷をはじめ、中国の明・清時代の古染付に古赤絵などもあり目にも鮮やかです。
製作技法も様々なものが用いられており、ろくろや手おこしなどの素地づくりの技術を、窯元手作りの器の数々から目にすることができますよ。きっと興味津々になってしまうことでしょう。展示品の購入もできるので、山代温泉観光のお土産探しにも適しています。山代温泉で九谷焼を楽しむ際には、欠かせない観光スポットです。
名称:窯元・九谷美陶園
住所:石川県加賀市山代温泉16-71
公式・関連サイトURL:http://www.kutani-mfg.jp/
◎まとめ
古くから有名な山代温泉では、開湯後の1300年もの間にさまざまな歴史を刻みながら、貴重な天然資源である温泉を中心とした湯の街を少しづつ発展させてきました。その過程の中で加賀の伝統工芸である九谷焼が山代温泉に花を添え、街を温かく包み込むように鎮座するお寺や神社が、山代温泉の由緒を観光客に伝え続けています。また温泉を含めた豊かな自然が、山代温泉の風情を守り続けてきたことも忘れてはいけません。
こうしたを伝統を感じられる山代温泉観光の注目スポットを厳選した今回。何度でも観光したくなるような山代温泉の奥深さを堪能する観光へ、ぜひ訪れてみてくださいね。
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