名称:オオカバマダラ生物圏保存地域
住所:メキシコ ミチョアカン州
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1290
オオカバマダラと呼ばれる蝶をご存知ですか?オレンジ色の羽に白い斑点のある黒い縁を持つ蝶です。世界遺産「オオカバマダラ生物圏保護区」は、毎年冬を越すためにメキシコにやって来るオオカバマダラのための保護区です。
メキシコシティの北西部の森林地帯に位置し、広さは約560平方km。秋ごろになると、数千万から1億の蝶が広範囲に渡る北アメリカ大陸から戻って来て、世界遺産の保護区があるミチョアカン州の小さなエリアに集まります。一本の木にたくさんの蝶がとまるので、蝶といえどもその体重で木の枝がしなるほど!
そしてまた、春になるとおよそ8ヵ月かけてカナダ東部に戻っていきます。この間に3世代4世代と蝶が生まれるといわれています。数千kmにも及ぶ旅ですが、どうやって往復路を見つけるのかは、いまだに解明されていません。今回はそんな不思議な魅力を持つ、オオカバマダラ生物圏保護区の魅力をたっぷりとご紹介します。
目次
蝶が造る劇的な風景!世界遺産オオカバマダラ生物圏保存地域の魅力
世界遺産オオカバマダラ生物圏保存地域とは?
オオカバマダラの集団は、毎年10月末になるとメキシコの世界遺産の保存地域に戻ってきます。蝶たちが帰ってくるこの時期は、国内で最も重要な祝日の一つ「死者の日」と重なります。そのため、メキシコでは、亡くなった個人の魂が蝶の姿を借りて、お祝いのために地球に戻ってきていると信じられているそうです。
オオカバマダラは2月から3月にかけて繁殖の時期を迎えます。世界遺産の保護地域から北アメリカ大陸に移動する少し前のタイミングです。冬の間は寒さのため一か所にかたまって過ごす蝶たちも、この時期になると昼間の太陽の温かさで空を飛び始め、パートナーを探します。繁殖の時期が最も元気よく飛び回るので、そんな姿を見るためにこの時期を狙って世界遺産保護区内を観光するのもいいですよ!
世界遺産オオカバマダラ生物圏保存地域へのアクセス
今回はオオカバマダラ生物圏保存地域の中で、最も大きく良く知られているエル・ロサリオの保護区に行く方法をご紹介します。まずは首都のメキシコシティからバスが出ているので、Angangueoまで行きます。そのあとミニバス(combi)でOcampoに行き、そこからさらに世界遺産保護施設のあるエル・ロサリオまで行きます。
ツアーシーズンには、10人を一度に乗せて現地まで行くcamionetasというトラックも出ているそうです。どちらにしても、世界遺産オオカバマダラ生物圏保存地域に入るにはチケット購入が必要なので、ツアーに入る方がアクセスも含めて簡単そうですよ。
世界遺産オオカバマダラ生物圏保存地域のおすすめポイント2
黄金の森と珍しい現象!
オオカバマダラ生物圏保存地域が世界遺産として登録された理由に、蝶たちが造り出すあっと驚くような珍しい現象があげられます。まずは、カナダからメキシコまでの長距離を旅することに加えて、飛行により空が覆われ、その羽ばたきによって雨の降るような音をさせること!これは他の昆虫移動を考えて比べてみても劇的なものだそう。
そして、冬越えの時に木に密集するオオカバマダラの姿には驚かされます。この様子は「黄金の森」とも呼ばれ、何羽もの不動の蝶が木の幹や枝に張り付く姿は、膨れ上がった蜂の巣に似ています。これは、体を体と重ね合わせることにより熱の発散を防ぎ、高度地域の寒さを乗り越える知恵だそうです。メキシコにある世界遺産の保護区に到着後、約5ヵ月はこのように過ごすのだそうですよ。
観察場所は一つではない!
オオカバマダラ生物圏保存地域は、いくつかのエリアに分かれており、そのうちのいくつかは、11月から3月まで一般客を受け入れています。
最も一般的な世界遺産観光スポットは、ミチョアンカ州のエル・ロサリオとシエラ・チンクア、メヒコ州のセロ・ペロンとハリコス州のピエドラ・エラダにあります。観光客は、この4カ所で似たような景観を見られます。
最も大きく、良く知られているのはエル・ロサリオの保護区域です。ここには、一日に数千人の世界遺産観光客が訪れます!見られる時季が限られているので一気に来るのですね。
エル・ロサリオでのオオカバマダラ観察地点は、海抜約3000mに位置し、丘を登って到達します。蝶たちは、1500本以上の常緑樹や樫の木に家を作りますが、地面から30m程の高さから作ります。それが「黄金の森」と言われる所以なのですね!
◎まとめ
シエラ・チンクアの保護施設にも多くの観光客が訪れますが、4つの保護施設のうち、観察ポイントまでのハイキングコースが一番短い所です!馬も用意されていますので、歩くのが苦手な人にはここをおすすめ。シエラ・チンクアの施設は、ミネラル・デ・アンガングエオの町から北東方面5kmほどの所にあります。
また、2018年現在、ミチョアカン州は外務省の海外危険情報レベル2が発令されています。訪れる際は安全対策をしっかりと心がけ、最新の情報をチェックしておきましょう。