名称:昌徳宮
住所:大韓民国 ソウル特別市 鍾路区 栗谷路99
公式・関連サイトURL:http://eng.cdg.go.kr/main/main.htm
韓国の定番観光地として有名な古宮は、ソウル市内のツアーでは外せない存在。中でも世界遺産に登録されている昌徳宮(チャンドックン)は、常にトップの人気を誇っています。高層ビルの立ち並ぶソウル市内の中心部にありながら、まるで都会に現れたオアシスのように自然を楽しめるスポットなのです。
緑豊かな宮殿は、素晴らしい庭園と建築レイアウトの美しさが特徴。韓国にある古宮の中で唯一世界遺産に認定されているだけあります。広い敷地内の散策が楽しめるので、一度だけでなく季節を変えて何度でも訪れたくなるような魅力をもっている昌徳宮。今回は、そんな世界遺産・昌徳宮についてご紹介しましょう。
目次
韓国にある古宮では唯一の世界遺産!庭園が美しい昌徳宮
昌徳宮とは?
韓国ソウルを代表する世界遺産の昌徳宮(チャンドックン)は、ソウルに残る五大王宮の一つです。
始まりは1405年。当初は景福宮(キョンボックン)の離宮として建てられた李氏朝鮮の宮殿でした。
しかし、1592年に豊臣秀吉による侵略で景福宮が焼き払われると、再建されるまでの約270年間はこの昌徳宮が正宮として機能することとなったのです。
李朝第15代王の光海君(クァンヘグン)以降、朝鮮を治めてきた歴代の王が暮らし政治を行ってきたとされる昌徳宮。韓国の歴史上、王が最も長く使った宮殿でもあるため、王室の暮らしぶりを垣間見れる文化財がたくさん保存されています。昌徳宮は韓国の歴史を語る上で欠かせない大変貴重な場所なのです。
広大な敷地内には13棟の建物があり、正門の敦化門(トンファムン)はソウルに現存する最古の門としても有名。自然の地形を生かした造りをしていることが、昌徳宮の最大の特徴です。
敷地内の北半分を占めている庭園・秘苑(ピウォン)に代表されるように、厳格な儒教思想に基づく建築ではないという点も他の王宮と大きく異なり、世界遺産としてだけでなく高い評価を得ています。
昌徳宮へのアクセス
昌徳宮は、地下鉄3号線の安国(アングク)駅3番出口から徒歩5分程です。地下鉄5号線を利用する場合は、鍾路3街(チョンノサムガ)駅の6番出口を出て10分程歩きます。
また、ソウル市内バスも便利なのでぜひ利用してみてください。109番や151番などいくつかのバスが昌徳宮を通ります。それぞれバス停からは徒歩すぐです。
昌徳宮おすすめポイント
◆秘苑(後苑)
秘苑(ピウォン)はかつて後苑(フウォン)と呼ばれていた庭園で、世界遺産・昌徳宮の中でも特に美しい場所として有名です。王たちが散策を楽しんだり勉学に励んでいたとされる秘苑では、韓国の伝統的な造りの庭園を見ることができます。庭園といえどとても広く、一般観覧エリアと合わせるとかなりの移動距離になるのでポイントを絞って見学しましょう。
中でも芙蓉池(プヨンジ)と芙蓉亭(プヨンジョン)は、絶対に外せない必見スポット。
芙蓉池は「地」を表す四角い池の中に「天」を表わす丸い島が作られており、芙蓉亭はこの池にせり出すように建てられています。夏になると蓮の花が満開になり、より一層美しさを増す芙蓉池と芙蓉亭。
ぜひ時期を合わせて訪れてみてくださいね!
◆月明かり紀行
毎年3月~6月と8月~10月の間に行われる「月明かり紀行」は、世界遺産・昌徳宮の人気イベントの一つです。普段の観覧時間は夕方までですが、この期間だけ夜の特別観覧を開催。昌徳宮の建物や庭園がライトアップされ、幻想的な風景が浮かび上がります。昼間に見る姿とは全く違った世界遺産を体験しましょう。
先程ご紹介した秘苑(ピウォン)では、芙蓉池に映り込む木々や満月と宮殿の美しさなどの絶景を堪能することができます。月を愛でる文化は日本だけでなく、韓国でも昔から行われてたんですね。
また、秘苑内にある演慶堂(ヨンギョダン)では、韓国の伝統楽器を用いた生演奏や伝統舞踊などの公演を観覧することもできます。
日本語ツアーによる解説を聞きながらの見学は、より昌徳宮を深く知るにはもってこいですよ。
世界各地から観光客が集まる人気イベントなので事前予約がおすすめです。
◆昌徳宮を守る魔除け
昌徳宮を散策していると、建物の屋根にくっついているものが目に入ります。ちょこちょこと小さな石像が整列しているのですが、よく見ると何やら動物の形。これは雑像(チャプサン)という彫刻で、韓国の伝統建築によく見られる魔除けなのです。
宮中に悪い「気」が入って来ないよう、守り神として作られた雑像。当時はこの雑像を製作する専門の職人がいたのだとか。かつては王宮を、そして今は世界遺産を守る立派な魔除けとして現役で活躍している昌徳宮の注目ポイントです。
昌徳宮見学の際の注意事項
世界遺産の昌徳宮は、一般観覧エリアと秘苑という2つの観覧エリアに分かれています。一般観覧エリアと後苑は、それぞれ別料金を支払う必要があるのでご注意ください。また、一般観覧エリアだけでもかなり広く見学に時間を要するので、時間に余裕を持って訪れましょう。
後苑は時間制の観覧となっており、インターネットでの事前予約が可能です。一般観覧エリアと後苑の観覧時間は異なり、さらに季節によっても観覧時間が変わりますので、事前にホームページで確認することをおすすめします。
◎まとめ
世界遺産昌徳宮の最寄駅である安国(アングク)周辺は、伝統家屋の立ち並ぶ北村韓屋村(プクチョンハノクチョン)や韓国の伝統雑貨店が軒を連ねる仁寺洞(インサドン)など、韓国らしさを感じられる人気観光スポットが集まるエリアです。ぜひ色々な場所に足を運んでみてください。
また、昌徳宮と合わせて観光して欲しいのが、李朝時代の正宮である景福宮(キョンボックン)。
敷地内には、国立古宮博物館や国立民俗博物館などもあり見どころ満載です。
ぜひ韓国の歴史探訪を楽しんでくださいね!