名称:Pyrénées - Mont Perdu(ピレネー山脈のモン・ペルデュ)
公式・関連サイトURL:https://whc.unesco.org/en/list/773/
スペインとフランスの国境に一体に広がる、ピレネー山脈を中心とした峰々からなる世界遺産「ピレネー山脈のモン・ペルデュ」。スペイン側は主にオルデサ・イ・モンテ・ペルディード国立公園、フランス側はピレネー国立公園などが含まれる、2か国の複合世界遺産です。
えぐりとられたかのように浸食された氷河の圏谷の景観はまさに圧巻!雄大なまでに広がる手付かずの大自然の力強さと同時に、ヨーロッパの伝統的な農業を色濃く残した農村や牧場など、人と自然が調和して作り出した景観にも心惹かれます。
今回はそんな複合世界遺産「ピレネー山脈のモン・ペルデュ」の見所についてご紹介します。
目次
ピレネー山脈のモン・ペルデュ【スペイン・フランスの複合世界遺産】
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「ピレネー山脈のモン・ペルデュ」とは?
ピレネー山脈の中央部の山、ペルデュ山(モン・ペルデュ/ Mont Perdu)を中心に山脈に広がる3000m級の峰々を合わせた複合世界遺産で、1997年にユネスコの世界遺産に認められました。
この中央部の「ペルデュ山」は"孤独の山"という意味です。スペイン語やカタルーニャ語でも"迷子の山”といった意味を持っています。なぜならフランス側からはガヴァルニー圏谷(カール)に隠れてペルデュ山が見えない、という理由があるからです。
標高3,352mのペルデュ山は、ピレネー山脈の中で3番目に高い山。また石灰岩の山としてはヨーロッパ一の高さを誇ります。
主な登録範囲はスペイン側のオルデサ・イ・モンテ・ペルディド国立公園やその中の一部のプエルトラス、ビエルサ、トルラなどの地域。フランス側はピレネー国立公園とその一部のちガヴァバルニー圏谷やエストーベ圏谷、トルムーズ圏谷などです。
ピレネー山脈一体の地域は、かつてのヨーロッパの山岳地帯の農業の形を色濃く残している唯一の地域で、それがこの地域の世界遺産登録の理由の一つにもなっています。羊飼いの「移牧」の文化が生まれたのもここです。
牧草地や畑、農村や干し草などを入れる納屋、山道など、のどかな農業風景はここでしかみることのできない貴重な景観。この美しい自然が作り出した生態系も、保存されるべき貴重な要素となっています。
「ピレネー山脈の モン・ペルデュ」へのアクセス
日本からピレネー山脈へ向かうには飛行機でスペイン・バルセロナまで向かい、バルセロナから車かバスを利用して4時間半ほどで行くルートが有名です。スペインのバルセロナからモン・ペルデュまで車で約4時間30分で到着します。
またフランスから車でガヴァルニー村へ行くこともできます。空路だとパリからピレネー山脈のタルブ・オスン・ルール空港に行く方法もあります。
「ピレネー山脈の モン・ペルデュ」おすすめポイント①:オルデサ渓谷【スペイン】
オルデサ・イ・モンテ・ペルディード国立公園の中にある「オルデサ渓谷」は、滝や野生生物の宝庫として有名な氷河渓谷。切り立った大迫力の渓谷は思わず息を飲むほどで、美しい滝や力強く流れる滝は壮観です。
また、豊かな生態系を持つオルデサ渓谷は、ピレネーシャモアというシカの一種がヨーロッパ最大級の生息地として知られています。
渓谷の北東からは世界遺産、ピレネー山脈のペルデュ山やCilindro de Marboré 山、Soum de Ramond山を見ることができますよ!大きくそびえたつ山々からは大自然の力強さ感じます。オルデサ渓谷はトレッキングを楽しむ方もおおく見られます。ぜひすがすがしい山の空気を存分に味わってみましょう。
「ピレネー山脈の モン・ペルデュ」おすすめポイント②:ピレネー国立公園【フランス】
世界遺産ピレネー山脈は1967年に国立公園に認定されています。そこはまさにそこは自然の宝箱。壮大な渓谷、洞窟、湖と言った美しい名所がいくつもあります。人が住んでいながらも美しい自然が残されているこの地域は、オソー自然保護区をはじめとした大自然の貴重な生態系が保存されている場所でもあり、ピレネーシャモア、イヌワシ、マルモット、絶滅危惧のヒグマなど1200種の動物や400種の植物が生息しています。
この世界遺産の一部のピレネー国立公園は次にご紹介するガヴァバルニー圏谷やグランド・カスカード(大きな滝)など、魅力がいっぱい。世界遺産、ピレネー山脈が織りなす大自然を存分に体で感じることができる魅力の詰まったエリアです。
「ピレネー山脈の モン・ペルデュ」おすすめポイント③:ガヴァバルニー圏谷【フランス】
ピレネー国立公園の中にある有名な圏谷の一つ「ガヴァバルニー圏谷」は、2万年以上も前の巨大な氷河に浸食されてできた石灰岩からなるこの大きな圏谷(カール)。3000mもの高さの山々に囲まれた渓谷です。
伝説でも有名なローランの裂け目、ヨーロッパ最大級の落差422m「ガヴァルニーの滝」も見ることができます。
世界遺産だけあり、その雄大なる大自然は圧巻の一言。そこにいるとまるで自分も自然の一部人溶け込んでしまったこのような気分になるでしょう。ピレネー山脈の渓谷はハイキングも人気で、ガヴァルニー村からでて、少し山を散策するような初心者コースから、ピレネー山を越えてスペインまで行く上級者コースなど、様々なコースを楽しむことができます。
◎スペイン・フランスの世界遺産「ピレネー山脈のモン・ペルデュ」まとめ
世界遺産、「ピレネー山脈のモン・ペルデュ」はヨーロッパの大自然がつくった美しい景観の数々を目で見るだけでなく、体感できる貴重な地域。険しい山々や渓谷、またそこに住む動物たちなど、自然がありのままの姿で存在しており、そこにいるとまるで自分も大自然の一部になったように感じます。
人と大自然の調和が織りなす美しい絶景を見に、世界遺産「ピレネー山脈のモン・ペルデュ」へぜひ訪れてみてください。