名称:エフェソス
住所:Efes Örenyeri, Selçuk/İzmir
公式・関連サイトURL:http://www.goturkeytourism.com/things-to-do/unesco-world-heritage-sites-in-turkey.html#
エフェソスの古代遺跡は2015年に登録された、トルコのなかでも新しい世界遺産です。イズミル県のセルチュク近郊に位置するエフェソスは、ローマ時代には港湾都市でしたが、土砂の堆積により海岸からは離れ、最終的には土砂によって完全に埋まってしまいました。世界遺産に登録されているギリシャからヘレニズム、ローマ時代の都市遺跡は沢山ありますが、その中でも有数の状態が良く美しい都市遺跡といえます。トルコの世界遺産の中でも人気のある温泉パムッカレから約160キロなので、合わせて見学するのもオススメですよ。
目次
古代人の息遣いを感じる!トルコの世界遺産、エフェソスをご紹介
目次を閉じる
エフェソスとは?
世界最大級の古代都市遺跡、エフェソス。すぐ近くには世界七不思議に数えられるアルテミス神殿、イエスキリストの母マリアが晩年を過ごした地に建てられた礼拝堂、聖母マリアの家などもありトルコの人気観光地の一つになっています。紀元前2500年から紀元前1200年頃には、クレタ、ミケーネ、トロイといったエーゲ文明が栄え、エフェソスも同時に発達していきました。トロイの木馬で有名なトロイ遺跡へは約200キロ程の距離です。
大地と豊穣の女神アルテミスを信仰し、アルテミス神殿が建てられたのが紀元前7世紀頃。その後、キンメル人、リディア人、マケドニア王国、ベルガマ王国などに征服され、紀元前133年にローマ帝国の支配下に入った頃がエフェソスの最盛期と言われています。
エフェソスへのアクセス
エフェソス遺跡はセルチュクという都市の近郊にあります。イスタンブールから飛行機でイズミールまで約1時間。そこからバスで約1時間でセルチュクです。イスタンブールからの長距離バスだと約10時間かかります。
エフェソスおすすめポイント①:エフェソス古代都市遺跡
エフェソス古代都市は4本の大通りからなり、20以上の遺跡が残されています。その殆どは崩れていて残っているのは基礎部分や柱だけ、壁の一部分などいった状態です。しかし石畳の道路をはじめ街全体の雰囲気が残っているので、古代の遺跡なのにどこか生活感が感じられる不思議な場所です。
特に有名なのはセルシウス図書館です。117年に建てられた大理石造りの図書館で、1万冊以上の蔵書を誇り、ペルガモン、アレキサンドリアと並んで世界三大図書館に数えられていました。正面部分は20世紀に修復された物です。もう一つは円形競技場。収容人数が25000人という大きな物でその音響効果の良さで知られています。ぜひステージの真ん中に立って声を出してみてくださいね。現在でも野外コンサートなどに使われる事があります。
集会所や神殿 劇場、浴場、売春宿など、残された部分を見ると何となく用途が分かるので、ヒントを見つけて想像しながら遺跡散歩を楽しみましょう。とにかく広いので、普通に見学しても2時間くらいはかかります。時間に余裕を持って訪れるのがオススメですよ。
エフェソスおすすめポイント②:聖母マリアの家
19世紀に、ドイツの修道女アンは病床においてイエスキリストと聖母マリアの姿が頭に浮かびました。聖母マリアが晩年を過ごした場所がエーゲ海に浮かぶサモス島を見おろすエフェソスの近くの丘の上にあり、その家の形の詳細も伝えました。修道女アンが亡くなったあと、その場所を探すべく司祭らがエフェソスの南7キロの丘の上を探していた時に、アンが言ったような場所を発見し、その周辺からは1世紀頃の物とされる遺跡が見つかりました。
1896年にはローマ法王レオ13世が訪問、1950年にはピウス12世により聖地と承認され、1951年にアンの証言通りの家が再建されました。1967年にパウロ6世が訪れて以来、巡礼地として広く知られるようになり世界中の信者がやってくるようになりました。いつの頃からか、願い事を書いた紙や布を貼り付けると願いが叶うという壁ができ、奇跡を与えるという聖なる泉も人気です。
エフェソスおすすめポイント③:アルテミス神殿
アルテミス神殿は豊穣の女神アルテミス信仰の総本山として、紀元前8世紀、紀元前6世紀、紀元前4世紀と三度建立されていて、三度目に建てられたアルテミス神殿はギリシャ時代に、ピラミッドなどと並んで世界の七不思議に選ばれています。当時の大きさは125x72メートル、高さ18メートルの円柱127本を使用したと言われています。これはアテネにあるパルテノン神殿の倍近い大きさです。
3世紀の大地震とその後の東ゴート族の侵略で徹底的に破壊され、大理石の柱などはその後の教会やモスクの建築に持ち去られてしまいました。月日が流れ、伝説となっていたアルテミス神殿は大英博物館の考古学チームにより1869年に地下7メートルの泥の中から遺跡の一部が発見されました。今、アルテミス神殿跡地で見られるのは、枯れた沼地に残る数本の柱と痕跡のみ。それでも、かつて巨大神殿があったという場所はどこかロマンを感じさせてくれます。
◎まとめ
エフェソスはアクセスがあまり良いとはいえない場所にありますが、世界遺産の極めて状態の良い古代遺跡が見れる場所として、トルコの人々にも人気の観光地なんです。非常ににしっかりとした街づくりがされていて、大通りがあったり裏通りがあったり、お店の看板や落書きなども残っていて古代の人々の息遣いが聞こえてきそうな場所です。ぜひ訪れてみてくださいね。