名称:エルサレム旧市街
住所: Jerusalem, Israel
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/148/
三大宗教と言われるキリスト教、ユダヤ教、イスラム教の聖地であるエルサレム。この場所に位置する世界遺産エルサレムの旧市街とその城壁群は、1981年の第1回臨時世界遺産委員会で世界遺産登録が決定され、現在までも臨時委員会で登録が決定した世界遺産は他にはありません。
周辺情勢が不安定なため保護が必要な世界遺産で、エルサレムの帰属問題などのデリケートな問題も多く、ヨルダンによる申請が行われた珍しい世界遺産。また世界遺産に登録された年1981年の翌年から危機遺産リストに加えられ、最も長い期間危機遺産リストに登録され続けている世界遺産でもあります。
そんな世界でも有名な観光スポットがいくつもあるエルサレムで、歴史や文化に触れることができる世界遺産について詳しくご紹介いたします。
目次
世界七不思議の一つ!世界遺産エルサレムの旧市街とその城壁群をご紹介!
エルサレムの旧市街とその城壁群とは?
エルサレムにはユダヤ教の神殿の丘や嘆きの壁、キリスト教徒の聖墳墓教会、イスラム教徒の岩のドームやアル・アクサー・モスクなどの歴史的に重要な宗教遺跡があります。エルサレム市内にあるエルサレム旧市街はムスリム地区、キリスト教徒地区、ユダヤ教徒地区、アルメニア人地区の4つの区画に分かれています。
面積約125平方キロメートルのエルサレム市内の旧市街地は約0.9平方キロメートルの区画のみ。1860年まではエルサレムといえばこの旧市街のことでした。聖書にもこの街が堅固な壁に守られた重厚な城塞都市であったと描写されている通り、エルサレム旧市街は壁に囲まれていることが特徴的です。
紀元前11世紀にはダビデ王がエルサレムを支配し嘆きの壁にほどちかい糞門の外側、旧市街の壁の南東にダビデの街があったと考えられています。ダビデの息子であるソロモン王が都市の壁を拡大し、西暦41年から44年にかけてはユダヤの王アグリッパが第三の壁を建造しました。現存する旧市街の市壁は、1538年にスレイマン1世によって建造されたものです。
エルサレム旧市街へのアクセス
イスラエルの空港があるテルアビブからは、電車、バス、車、タクシー、乗り合いタクシーなどで約1時間ほどでアクセスできます。バスや電車でエルサレム中央駅に向かい、そこからライトレールやバスでダマスカスゲートへと向かいます。
おすすめポイント①嘆きの壁
エルサレム旧市街の南西にあるユダヤ人地区には、イスラエルで最も有名な観光スポットの一つでもある嘆きの壁があります。嘆きの壁とは紀元前20年、ヘロデ大王によって改築された神殿を取り巻いていた外壁の西側の部分で、ユダヤ人は西の壁と呼んでいます。ユダヤ人たちが神殿の破壊を悲しみ、国家の再建を切望し、壁の前で思い思いに祈る様子から嘆きの壁と呼ばれるようになりました。
嘆きの壁は波乱の歴史を歩んでおり、ユダヤ人が立ち入ることができるようになったのもごく最近のこと。未だ情勢が不安定なエルサレムにありますが、敬虔なユダヤ人が途切れることなく訪れる世界遺産です。壁のあちこちの隙間には、願いごとを書いた紙が差し込まれているんですよ。
もちろんユダヤ教徒以外でも見学することができます。壁に向かって左側が男性、右側が女性エリア。男性はキッパと呼ばれる帽子を被らなくてはいけませんが、壁の前で貸出していますので必ず被って行きましょう。
おすすめポイント②ムスリム地区
4つの地区の中で最も大きく、人口の多い地区であるムスリム地区。旧市街の北東に位置していて、神殿の丘の北壁と隣接しています。ダマスカス門やライオン門、ヘロデ門などがあり、1929年の嘆きの壁事件まではユダヤ人、キリスト教徒、ムスリムなどが入り混じって暮らす地区でした。イスラム教第3の聖地でもある神殿の丘には預言者ムハンマドが昇天したとされる聖なる岩があり、それを覆うように造られた美しい岩のドームは見どころです。
ムスリム地区にある門から世界遺産であるエルサレムの旧市街に入ると、所狭しと露天が並んでいます。青果や衣料品、お土産まで何でも揃い、とても活気があるので歩いているだけでも楽しい地区ですよ。
◎まとめ
イスラエルはエルサレムを首都としていますが国際的には承認されておらず、エルサレムの旧市街とその城壁群はヨルダンによる申請という特例で世界遺産に登録されました。不安定な世界情勢はまだ続いており、世界遺産としてはエルサレムはどこの国にも属さないという形で単独で扱われています。混沌とした長い歴史に翻弄されたエルサレムは、人々の願いが溢れている場所。一度は足を運んでみたい世界遺産ですね。