名称:ベト・グブリン=マレシャ国立公園
住所:Bet Shemesh-Kiryat Gat road (no. 35) opposite Kibbutz Bet Guvrin, Israel
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1370
イスラエルには、透明度の高い海水と美しいサンゴ礁を見られるリゾート地のエイラートや、塩分濃度が高く体が沈みにくい死海など、魅力的な観光スポットが満載の国。死海の塩にはミネラルが豊富で美容効果を期待できるため、世界中で死海の塩を使用したイスラエルコスメなどが売られている美容大国としても知られています。
そんなイスラエルには、大自然を満喫できる国立公園や古い歴史に触れることが出来る国立公園など、たくさんの国立公園があります。今回はその中から、世界遺産にも登録されているユダヤ低地にあるマレシャとベト・グヴリンの洞窟群:洞窟の大地の小宇宙についてご紹介します。一年を通して比較的温暖な気候のイスラエルは、乾季になる夏にはほとんど雨が降らず、日中は気温がとても高くなるため、観光して回る際は日焼け止めを塗って水分をしっかりと取りながら観光を楽しんでください。
目次
ユダヤ低地にあるマレシャとベト・グヴリンの洞窟群:洞窟の大地の小宇宙
ユダヤ低地にあるマレシャとベト・グヴリンの洞窟群 : 洞窟の大地の小宇宙とは?
イスラエル南部地区にあるベト・グヴリン=マレシャ国立公園は、紀元前10世紀から紀元前6世紀にかけて古代イスラエルに存在したユダ王国の主要都市の一つであるマレシャと古代ローマ時代の主要都市の一つエレウテロポリスの遺跡を含んでいます。2014年に「ユダヤ低地にあるマレシャとベト・グヴリンの洞窟群:洞窟の大地の小宇宙」という名でイスラエルの世界文化遺産に登録されました。
ここの遺跡からは、大規模な墓所や埋葬用の洞窟群、古代ローマ時代の剣闘士競技などの見世物などが行われた施設など豊富に見つかっています。またビザンティン期の聖堂や公衆浴場、小片を寄せ合わせ埋め込んで絵や模様を表す装飾美術のモザイク群などの遺構が出土しています。
マレシャの最初の発掘は、1898年から1900年にかけて行われ、塔を備えていて市壁に囲まれたヘレニズム都市を発見。ベト・グヴリンは1992年以降、イスラエルの考古学者アモス・クロネルが発掘調査にあたり、巨大な公衆浴場やローマ軍によって建設されたアンフィテアトルム、十字軍の砦、付随する聖堂などが発見されました。
ベト・グヴリン=マレシャ国立公園へのアクセス
ベト・グヴリン=マレシャ国立公園は、エルサレムの南西約45kmにあります。直行バスは出ていないため、イスラエルの空港があるテルアビブからは、バスや電車でキルヤット・ガットなどの最寄りの都市まで行き、そこからは徒歩またはタクシーでアクセスできます。
ユダヤ低地にあるマレシャとベト・グヴリンの洞窟群 : 洞窟の大地の小宇宙のおすすめポイント2
埋葬用洞穴群
ベト・グヴリンのシドン人指導者アポロファネス一族の墓所であったシドン人の埋葬用洞穴群。この洞穴群はシドン人やエドム人、ヘレニストたちの埋葬用洞穴でしたが、シドン人の洞穴だけには内部に絵が描かれています。
最大の洞穴には、遺体が安置されたへきがんの上に魔物を追い払うために鳴き声をあげる鶏、ギリシャ神話に登場する3つの頭を持つ犬の怪物ケルベロス、死んでも蘇ることで永遠に生きると言われている伝説上の赤のフェニックスなどの神秘的な動物などが描かれています。
音楽家たちのお墓は、フルートを奏でる男性やハープを弾く女性などの絵で飾られていますよ。何千年も前に描かれた絵を見ることができるイスラエルの貴重な世界遺産にぜひ見に行ってみてくださいね。
聖アンナ聖堂
もともとビザンティン期に建てられ、十字軍時代の12世紀に再建された聖アンナ聖堂。支え無しに残る壁面に半円形または多角形に窪んだ部分を意味するアプスもしくは後陣の遺構が良好な保存状態で残っています。
この聖アンナ聖堂の遺跡などを含むマレシャの遺丘は、アラビア語でキルベト・サンダハンナと呼ばれていて、廃墟を意味します。神秘的な雰囲気の聖アンナ聖堂に訪れてみてはいかがでしょうか。
◎まとめ
軟質石灰岩の厚い地層に築かれている3500にも及ぶ地下室が都市空間を構成している、古代都市マレシャとベト・グヴリン。メソポタミアとエジプトの交易路に位置しているので、十字軍の時代まで2000年以上にわたり、この地域の文化と発展が折り重なった歴史を伝えています。埋葬場所や教会の他にも洞窟群には、貯水槽や搾油機、浴場や鳩小屋などが点在。お子様から大人まで楽しめる見どころ満載のイスラエルの世界遺産で、古い歴史に触れながら充実した時間を過ごしてくださいね。