【世界遺産】イギリス式庭園の傑作ムスカウ公園とは?

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【世界遺産】イギリス式庭園の傑作ムスカウ公園とは?

ドイツとポーランドの国境となっているナイセ川をまたいで、世界遺産のムスカウ公園が広がっています。ポーランド語ではムジャコフスキ公園というこの広大な庭園は、19世紀前半に造営されたイギリス式庭園の傑作です。公園の面積はポーランド側の方が大きいですが、重要な建物はドイツ側に集まっているので、一般的にはドイツの世界遺産観光スポットとして認識されています。そこで、ここで世界遺産ムスカウ公園の魅力についてまとめてご紹介します。

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【世界遺産】イギリス式庭園の傑作ムスカウ公園とは?

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ムスカウ公園とは?

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1815年、この地の領主だったヘルマン・フォン・ピュックラー=ムスカウ侯爵が、そのころイギリスで流行していた風景式庭園を自らの手で造ろうと乗りだしました。木や水、そして建物を風景画のように配置し、侯爵は実に30年にわたって庭園に手を加え続けました。

しかし、1845年に経済的な理由から侯爵は土地を手放さなければならなくなります。新たな所有者となったのはオランダの貴族でしたが、彼もまたピュックラー=ムスカウ侯爵の理想を継ぎ、彼に師事した庭園技師を雇って公園の整備を続けたのです。

第二次世界対戦の末期には、ムスカウアー公園も戦場になり、園内の建物も被害を受けます。戦後、園内を流れるナイセ川が独波国境となり、公園は2つの国に分断されることになりました。壊れた建造物のうち、旧城(Altes Schloss)は東ドイツ時代の1972年に修復され、2013年には新城(Neues Schloss)も復興されました。

ムスカウ公園へのアクセス

ムスカウ公園のあるバート・ムスカウの町には鉄道は通っていません。一番近い大都市はドレスデンで、鉄道に乗ってまずは「ヴァイスヴァッサー(Weißwasser)」という駅へ向かいます。

そこからバート・ムスカウ行き250番のバスに乗り、「キルヒプラッツ(Kirchplatz)」というバス停で降りれば、世界遺産ムスカウ公園までは歩いて5分程度です。

ムスカウ公園のおすすめポイント①:イギリス式庭園

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世界遺産ムスカウ公園の最大の魅力は、どこを切り取っても一枚の風景画のような爽やかな景色です。風景式庭園はイギリスで生まれ、流行したことからイギリス式庭園とも呼ばれ、日本でもガーデニングにおける「イングリッシュガーデン」として受け継がれています。

ナイセ川が蛇行する複雑な地形を壊すことなく、むしろその地理的制約を最大限に活かしたデザインがムスカウ公園の特徴です。エリアによってそれぞれコンセプトがあり、違いを感じ取りながら風景を楽しむのもこの世界遺産の味わい方。人工のアイヒ湖には小さな滝も添えられ、ヘルマンスナイセの流れに架かる橋は季節ごとの薫風を運んでくれます。

ムスカウ公園のおすすめポイント②:旧城と新城

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ムスカウ公園の新城(Neues Schloss)の場所には、もともと13世紀にすでにお城がありました。このお城は、17世紀に3つの翼をもつバロック調の宮殿に改築されます。さらに1860年代にはネオルネッサンス様式を取り入れて拡張されました。しかし、第二次世界大戦の戦火で破壊され、1996~2013年にかけて現在の姿に修復されました。

新城と向かい合って立つ旧城(Altes Schloss)は、「Alt(old)」とは付くものの、新城より後の16世紀に建てられたと考えられています。もともとはお城の番所ないし事務方の建物でしたが、公園の整備に伴って風景の一部に取り込まれ、何度も改築を重ねました。新城に対して古いバロック調の質素な建物ですが、周囲の自然に溶け込んでとても長閑な雰囲気を醸し出しています。

ほかにも温室(オランジェリー)や騎士の館、バーデ&ベルクパルクなども必見です。新城では時期によって展示会も行われていて、世界遺産ムスカウ公園の歴史などを知るにはおすすめですよ。

ムスカウ公園のおすすめポイント③:森林鉄道

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アクセスの項でムスカウ公園には鉄道は通っていないと書きましたが、実は4~10月のシーズン限定の観光列車があります。この「森林鉄道(ヴァルトアイゼンバーン/Waldeisenbahn)」は、1895年に当時の領主ヘルマン・グラーフ・フォン・アルニムが地元の工業発展のために建設した狭軌鉄道。1970年代末に廃線となりましたが、1995年に観光用として復活したものです。

可愛らしい機関車がこれまた小さな客車を引っ張って行くようすは、乗っていても外から見ても面白いですよ。シーズン中の土日を中心に、ヴァイスヴァッサー駅とバート・ムスカウ駅の間を1日6往復程度走っています。ただし運行日は不規則なので、興味のある方は事前にHPで確認しましょう。また、森林鉄道のバート・ムスカウ駅は、ムスカウ公園や市街中心部からはやや離れたところにあるので注意してください。

◎まとめ

ドイツとポーランドにまたがる世界遺産ムスカウ公園をご紹介しました。自然との調和をテーマとしたイギリス式庭園は、現在の美的感覚にも大いに通じるところがあります。アクセス良好とはいいがたい場所にありますが、ドイツのザクセン地方を観光するときなどには、ぜひムスカウ公園への立ち寄りも検討してみてください。

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