イギリス - リーズについて

リーズはイギリス・イングランドの北部にある都市です。ウエストヨークシャー州の一部で人口は約75万人を数えます。イングランド北部を代表する都市であり、中心部は約47万人の人口を有し、ロンドンからは鉄道を利用して約2時間の距離です。歴史的には、リーズは羊毛工業で栄えた都市で、産業革命の羊毛工業の中心地となり、現在はイングランドで3番目の都市と数えられています。今でも都市部を離れれば牧草地で羊が走っているところを見られるでしょう。国立公園のヨークシャーデイルは羊が見られるスポットで、トレッキング客も多く訪れています。リーズは温帯気候に属していますが、北部に位置するため夏はイングランドのなかでも快適です。ただ、冬は非常に冷え込みます。1年の平均気温は2度から20度に収まることが多く、夏場でも25度を超えることはほとんどありません。リーズを語るときに外せないのがマンチェスターとの関係です。どちらもイギリスを代表する都市ですが、ライバル関係であることが知られています。ヨークシャー地方の紋章は白いバラですが、これはヨーク家という名家の紋章に由来します。マンチェスターは赤バラのランカスター家の紋章で有名です。この両家はかつて権力闘争を繰り広げ、両者の紋章から薔薇戦争と呼ばれました。その歴史的背景からリーズとマンチェスターはライバル関係が続いています。サッカーが好きな人はリーズ・ユナイテッドとマンチェスター・ユナイテッドのライバル関係を思い起こすでしょう。2つのチームのライバル関係もまた薔薇戦争に由来します。リーズ・ユナイテッドはイングランドリーグの古豪で、マンチェスター・ユナイテッドは世界的なビッグチームです。両者の試合はローズダービーと言われています。そんなリーズにはサッカースタジアムのエランドロードがあり観光地となっています。過去にはリオ・ファーディナンドやハリー・キューウェル、エリック・カントナといった名選手が在籍していました。一部リーグでも3度の優勝経験があり、北部を代表するクラブチームです。リーズは、北部の首都にあたる都市で買い物スポットも多く、市内中心部にあるカークゲート市場は欧州屈指の規模を誇ります。また、ナイトスポットが多いことも有名です。リーズから誕生したカイザー・チーフスは世界的な音楽ユニットとなりました。ちなみに、カイザー・チーフスという名前はサッカーに由来します。リーズ・ユナイテッドには過去にルーカスラデベというアフリカ系の選手がキャプテンを務めていました。彼はファンから愛された人気選手でしたが、彼が前に在籍したところが南アフリカのカイザー・チーフスで、俳優のラッセル・クロウもファンの一人として知られています。芸術系にも世界的な人材を輩出しています。英国屈指の難関大学であるリーズ大学は、アフリカ系作家で初のノーベル文学賞受賞者を輩出したことで有名です。ナイジェリア出身のウォーレ・ショインカは『死と王の先導者』という作品で受賞しました。『指輪物語』で知られるトールキンもリーズ大学で教鞭をとったことが有名です。芸術系の専門大学も評価が高く、音楽大学は世界的なピアノコンクールを実施しています。そして、英国五大バレエ団のひとつノーザンバレエの本拠地で、バレエを学べる学校やシアターを有しています。ちなみに、世界的な現代美術作家にダミアン・ハーストがいますが、彼もまたリーズにゆかりのある人物です。リーズで育ち、芸術大学を卒業しています。ホルムアルデヒドを使用した動物のホルマリン漬けをテーマにした作品で、今では世界で最も影響力のある芸術家の一人です。このようにこの街はアートや音楽など芸術の街となっています。音楽大学の周辺にはオペラハウスやプレイハウスなどの文化施設が数多く見つかるでしょう。なお、イギリスを代表する観光地にリーズ城がありますが、実はリーズにはなく、イングランド南東部のメードストンにあります。最後にリーズと日本との関わりを見ていきましょう。2019年には皇室の佳子内親王殿下がリーズ大学に留学したことで話題となりました。サッカー選手の井手口陽介選手はリーズ・ユナイテッドに在籍した経験があります。元日本代表の藤田俊哉さんもクラブの幹部として入団したことがあり、近年は日本との距離が近づいています。芸術を学ぶためにこの街を訪れる学生も多く、知名度が上がったことで人気観光地にもなってきました。