イタリア - ランペドゥーザ島について

ランペドゥーザ島は、シチリア島南部にあるイタリア最南端の島です。チュニジアとマルタ島の間に位置する島の面積は20.2平方キロメートル、東京都港区とほぼ同じ広さをしています。1860年からイタリア共和国の前身であるイタリア王国領であり、現在はシチリア州アグリジェント県に属していて島全体で基礎自治体が構成されているのが特徴です。王国領時代は流刑地でしたが、今では人気観光地の地位を獲得しました。ランペドゥーザ島の気候は雨が少なく乾燥しています。1年を通じて比較的温暖であり、寒い冬でも10度を下回ることはほとんどありません。これは地中海性気候の影響に加えて、チュニジア東部やリビア北部に見られるステップ気候の影響を受けているからです。1年を通じて降雨量が極めて少ないことや石灰質の土壌であるため農業に向いておらず、島民約5500人は観光と漁業で生計を立てています。ランペドゥーザ島は小さな島ですが、ランベドゥーザ空港が整備されており、島のランドマーク的な存在です。イタリアらしく外壁部分にガラス張りを施したモダンなデザインを施しており、パールホワイトの外壁と見事に溶け込んでいます。空港の滑走路は1本のみですが、島とシチリアやイタリア本土への大切な移動手段として機能と言えるでしょう。この空港施設のデザインは、ランベドゥーザ中心街に合わせたものです。空港の北西に位置する島最大の街チェントロに立ち並ぶ住宅は、いずれも角張った屋根を持ち、その外壁はベージュやホワイト色をしており青空と輝く海によく映えます。チェントロの西にある多数のヨットが停泊するヨットハーバーから、さらに西に向かった場所にあるのがギッティアビーチです。中心街から最も近いビーチは、白くやわらかい砂浜と側面部分に広がる岩肌が特徴となっており、小さなお子さんでも利用できるため家族連れでも楽しめるでしょう。さらに西へ進んだところにあるカーラクローチェは狭い入り江が特徴になっていて、青い透明な海の北岸と南西に白い砂浜が延びています。波が穏やかな入り江は、海水浴にもってこいの場所です。夏になると砂浜にはカラフルなビーチパラソルが立ち並んでいます。カーラマドンナも人気です。カーラクローチェから西へ約150mのところにある海岸は、南北へ長方形に延びており、フィンやシュノーケルを楽しむ人々で賑わっています。海底に生息する動植物を観察するのに最も便利なこの場所は、深い入り江であり波も穏やかなので安心してマリンスポーツを楽しめる場所と言えるでしょう。島頭部にあるカーラピサナも透明度が高く、街に近いことから観光客に人気があります。ビーチは小さいですが、ランペドゥーザ島が誇る海底が見えるグランブルーが魅力です。深い入り江になっているので風や潮流の影響が極めて小さく安心して泳げるのが魅力で、太陽の光を反射するエメラルドグリーンの海を堪能できます。この他にも中心街から近い海岸として空港の南岸にはカーラマルクやカーラフランシスがあり、透明度の高い海と穏やかな波が有名です。島の中央南岸にあるタバッカーラは、断崖絶壁の海岸が湾曲するように延びる崖に面した海となっています。崖の上は僅かな草木が植生していますが、その多くが石灰質の土壌がむき出しになっており、荒涼とした風景という表現がふさわしい表情でしょう。崖から広がる海は、見事なグランブルーをしており海底部分まではっきり見えるため、それらを目的としたクルーズ船が運行されています。スピアッジャ・デイ・コニリは、島内で最も有名な海水浴場でラビットビーチとも呼ばれているのが特徴です。タバッカーラのさらに西、空港から車で約53分の距離に位置しています。150mほどの白い砂浜が東西に伸びており、夏になると海水浴を楽しむために島内外から多くの人が訪れているビーチです。海底まではっきりと見えるほどの高い透明度と人が歩けるほどの遠浅が続いており、波が穏やかであるため小さなお子さんも楽しめます。カーラブルチーノは、まるで浮いているように見える絵が有名です。北岸にある小さな海岸は、大小のゴツゴツとした石場が広がっていますが、夏には海水浴客も少なくありません。メインとなるのが、クルーズ船による観光です。さほど大きくないカーラブルチーノの遠浅付近に数十隻のクルーズ船やヨットが並び、船から飛び降りて泳いだり、美しい海を眺められるのが魅力です。船艇の影すらも海底に映るほど透明度が極めて高いので、まるで船が宙に浮いているように見えます。ランペドゥーザ島を代表する観光地といって良いでしょう。