イタリア - ジェノヴァについて

ジェノヴァ（ジェノア）はイタリア共和国の北西部にある都市です。リグーリア州のジェノヴァ県内にありますが、リグーリア州の州都と、ジェノヴァ県の県都という両方の役割を果たしています。町の南側には地中海が広がっていて、港湾都市として古くから繁栄した都市でもあります。その歴史は古く、ヨーロッパの中世の時代から、イタリアでは金融の中心として重要な役割を果たしてきました。都市は現在、国内で最も商業が盛んな地域の一つであり、都市に隣接するジェノヴァ港は国内で最大級の規模を持つ港湾です。ジェノヴァ港は地中海にある全ての港の中でも、トップクラスの船荷を扱っているヨーロッパの貿易の中心地です。同じイタリア北部の大都市であるミラノやトリノからも、100キロメートル程度の距離にあります。この場所に都市が造られた歴史は非常に古く、紀元前6世紀にまでさかのぼるという説もあります。古代ローマの時代でも、天然の港として商業や軍事に広く利用されてきました。ジェノヴァがさらに町として大きく発展したのは11世紀ごろのことです。このころヨーロッパ各地に多く出現していた自治都市の一つとして発展し、それを基にして1005年に誕生したのがジェノヴァ共和国です。その後、ナポレオンに支配されたこともありましたが、イタリア統一を目指していたサルデーニャ王国に編入されて、現在のようにイタリアの一都市となりました。ジェノヴァの気候は日本と同じように温暖湿潤気候に属していて、夏は気温が上昇し、冬は気温が下がるのが特徴です。夏は最高気温が25度以上になる月もありますが、日本の夏ほど気温が高くなりません。冬は平均気温が10度以下になりますが、最低気温でも平均して5度前後です。日本とは異なって、降水量は秋から冬の季節にかけて多く、特に雨が降りやすい10月の降水量は150ミリを超えることもあります。その反対に毎年雨が少ないのは、6月から8月の時期で、特に7月の平均降水量が極端に少ないのが特徴で、30ミリを下回る年も多いと聞きます。冬には雪が降ることもありますが、一年のうちでも雪が降る日は平均して2日程度です。イタリア有数の大都市であるジェノヴァには、世界的にも有名なランドマークが多く存在します。その中でも特に有名なのが赤の宮殿です。市内には似たような名前の施設として白の宮殿もありますが、どちらもジェノヴァの有名なランドマークです。赤の宮殿は17世紀の後半に建設された建物で地元の有力者が居住していました。赤の宮殿という名称は、建物の表玄関に使用されている赤色の建築資材に由来しています。19世紀にこの家の所有者が、市の芸術の振興を目的に建物を寄付したことから、市の所有物として活用されるようになりました。現在の赤の宮殿は美術館として利用されていて、観光客は館内で美術鑑賞を楽しむことができるでしょう。館内に所有されている美術品は、この家を所有していた有力者が個人的に所蔵したものが多いのですが、それ以外にも多くの美術品が収集されています。ヴァン・ダイクやデューラーといった有名な画家の作品も収蔵されており、世界的にも価値の高いものと見なされていて、ユネスコの世界遺産にも登録されています。多くの旅行客が訪れ、ジェノヴァでは非常に人気の高い観光スポットです。ジェノヴァにはそのほかにも多くの観光名所がありますが、その中でも旅行客におすすめのエリアが、ガリバルディ通りです。ガリバルディ通りは、市内の中でも特に多くの歴史的な価値を持つ建造物が集まっている地域として知られています。16世紀に建設された建物も多く、古い時代のジェノヴァの雰囲気を現代に残している貴重な通りです。非常に重要な建築物が多いことから、「王たちの通り」という名称で呼ばれることもあります。もともとこの通りにはストラーダ・ヌオーヴァという名称がつけられていたのですが、イタリア国内を統一した英雄であるジュゼッペ・ガリバルディから名前を取って、現在の名称になりました。この地域にある建物は有名な建築家によって設計されたものも多くあり、歴史的な価値が高いのも特徴です。16世紀の有名な建築家であるガレアッツォ・アレッシが設計した建物も存在します。フォンターネ・マローゼ広場とメリディアーナ広場を結んでいる通りには多くの価値の高い宮殿があり、有名な美術作品が展示されている建物もあります。