イタリア - バーリについて

バーリ(バリ）/イタリアは、アドリア海に面したブーリア州の州都です。青い海とオリーブの巨木がどこまでも続く美しい風景が広がるプーリア州の交通の要所、観光拠点になっています。プーリア州はイタリア半島の先端、ちょうど長靴のかかと部分に細長に広がっている州です。山が少なく平坦な地形で海にも囲まれているので、比較的に温暖な気候となっています。良港に恵まれ地中海貿易の拠点として栄えたバーリですが、紀元前3世紀ごろにローマ帝国の支配下に置かれ、西ローマ帝国の滅亡後はベネヴェント公国のロンゴバルト族とビザンチン帝国が覇権を争い、875年から1071年までビザンチン帝国の支配下に置かれ、南イタリアにおける東ローマ帝国の首都となりました。バーリ(バリ）からは幾重にも鉄道が延び、アルベロベッロを始めマテーラなどへ続いています。駅前の広場はシュロの美しいプロムナードで、南国の雰囲気が満点です。その先には南イタリアでも屈指の華やかなショッピングストリートが広がっているのです。さらにその先の町北側は、細い小路に古い街並みが続く旧市街となっています。路地にぎっしりと商店や家々が並び、昼間でもやや薄暗く、新市街を見た後だとまるでタイムスリップしたような気分になってしまいます。海岸通りへ出れば紺碧の海が広がり南イタリアの陽光があふれているのです。ほんの数百メートル歩いただけなのに、まるで別世界へ旅したような気分にさせてくれるのがバーリ(バリ）の町です。海岸通りでは道沿いにとれたての魚や貝を売る人が目につきます。この町はおいしいものの宝庫で、まずは手作りの耳たぶ型のオレッキエッテにトライしてみてください。バーリ(バリ）は空港から大規模な港湾施設、私鉄も含めた鉄道、バスなど南イタリアの交通の要所となっています。都市機能が充実していますし、近隣への小旅行の拠点にするのにちょうどよい街です。町から約9キロに位置するバーリ・バレーゼ空港は、ミラノやローマ、ボローニャを始めヨーロッパ各地を結んでいます。空港からバーリへの中心へは私鉄が運営している地下鉄とバスの二つの方法があります。バスは空港バスと、市バスの二種類があります。バーリの鉄道ターミナル駅は、バーリ中央駅です。トレニタリアをはじめとして地下鉄や世界遺産カステル・デル・モンテの最寄り駅になります。サン・ニコラ教会は今でも多くの巡礼者を迎え入れるプーリア・ロマネスク様式の教会で、1105年に完成した歴史がある教会です。バーリの守護聖人であり小アジアで伝道に尽力したサン・ニコラの遺骨を聖遺物として安置した、聖ニコラスの祭壇があります。石灰石で造られた力強くシンプルなファサードを持ち、旧市街の心とたとえられているのです。正面の扉口の左右には二頭の牝牛の彫刻が円柱を支えています。カテドラーレは11世紀前半に創建された、プーリア・ロマネスク建築の傑作です。旧市街を分け入ってたどり着きます。ファサードのバラ窓の周囲には、怪物や空想上の生き物が彫り込まれているのです。13世紀の用材の断片を集めて造られた身廊の説教壇があり、隣接する美術館の宝物や写本も一見の価値があります。サン・ニコラ教会前の広場に面した無人の教会がサン・グレゴリオ教会です。カギはサン・ニコラ教会の事務所で言って、開けてもらいます。ビザンチン期の創建で、古代ローマ時代からの古色蒼然たる円柱が静かな堂内を支えているのです。ノルマンの城は、ノルマン時代の1235年にフリードリッヒ2世によって築かれました。当初4基あった塔のうち2基が現在残っています。後のスペイン人の支配の影響が矢じり型の四角い堡塁に見られます。アラゴン家の時代には、イザベッラのための豪華な宮殿となりました。ブルボン家時代には牢獄や兵舎として使われてきました。内部にはバーリのカテドラルの正面を飾った彫刻や建物の一部、プーリア各地から運ばれたロマネスク様式の彫刻が展示されています。県庁舎内の4階に設けられた絵画館が、県立絵画館です。南イタリアの画家やヴェネツイア・ルネッサンス派の作品、中世の彫刻とイコンが充実しています。カテドラーレから移されたヴェネツイア絵画も見逃さないようにしましょう。所蔵品3万点を超える1875年創設の博物館が、考古学博物館です。先史時代からギリシア・ローマ時代のプーリア州で栄えたアプリアからの発掘品などが、コレクションされています。特に注目なのは質の高い陶器や墳墓の副葬品です。プーリア州から出土された貴重なものばかりが展示されているのです。