スーダン - ハルツームについて

ハルツームは、スーダンの首都であり、国内の経済・政治の中心地となっています。都市名の由来は「象の体」を意味するアラビア語に由来しているとされ、1820年にムハンマド・アリーによって支配されたのがはじまりです。2000年時点の人口は約270万人、北ハルツーム（アル・ハルツーム・バフリ）とオムドゥルマンを合わせて首都圏を形成し、都市圏全体の人口は500万人を超えています。都市の人口は今後も増加すると見られており、2025年に794万人、2050年には1600万人、2100年の人口予測が5659万人と、世界有数の巨大都市となることが見込まれているエリアでもあります。ハルツームは、ウガンダから流れている白ナイル川と、エチオピアから流れる青ナイル川が合流する地点の南に位置する都市です。気候は、11月から5月までは乾季、7月と8月が雨季にあたり年間降水量のほとんどがこの2ヶ月で降ります。最高気温の月平均値は4月から6月は40度を超え、50度以上になる日もあります。12月から2月になると下がりますが、それでも33度を下回る程度です。最低気温の月平均は5月から10月は25度を超え、12月から2月は20度を下回りますが16度までとなり、世界の主要都市の中でも暑い場所の一つです。月単位での平均降水日数は11月から2月はほぼゼロ、一番多い7月･8月でも5日未満です。1年間で最も風が強い時期は10月下旬から5月上旬で、平均風速は時速15.9キロメートルを超えることもあります。以上のことから、観光などで訪れるのに適した時期は12月上旬から2月中旬頃までといえます。ハルツームのランドマークといえるのは旧市街の中心に立つグランド・モスクで、この都市では重要なイスラム教の寺院です。このモスクは100年以上という古い歴史があり、ここを目当てに訪れる人も多い人気の観光スポットにもなっています。残念ながら、イスラム教徒以外は中に入ることが出できませんが、暖色のレンガで形作られた風合いのある外観が美しく、外観の見学だけでも見る価値がある場所です。天に向かって2本の塔がそびえ、その姿は街のシンボルとしての威厳を感じることができます。ハルツームを訪れたら観光に適したスポットはたくさんあります。いくつか挙げてみますと、まずはツチ島です。この島は、白ナイル川と青ナイル川が合流する場所とナイル川本流との中州にある島です。ほとんどが草原から構成されています。かつては島に渡るためにはフェリーを利用しなければなりませんでしたが、その後、トゥティ橋という吊り橋が建設されてアプローチもしやすくなりました。島の主要な産業は農業で、あちこちに農場が見られ牧歌的雰囲気が漂います。今も手作業による農業が行われ、ロバや人力車が移動手段となっているなど、日本ではなかなか見られない風景を楽しむこともできます。砂漠の街というイメージが強いこの都市で、ナイル川の豊かな恵みを感じ取ることができる場所です。この島はバードウォッチングにも適していますので、この土地ならではのめずらしい野鳥の観察なども楽しめます。また、遊覧船も出ていますので雄大なナイル川クルージングで、ハルツームの街を眺めてみるのもおすすめです。次は、この国の歴史などを知ることができるスーダン国立博物館です。観光客だけではなく地元の学生たちが勉強のために訪れるなど、知的好奇心を満たすスポットとしても有名な場所となっています。スーダンはエジプトと同じように、古代文明が栄えた歴史ある場所でもあり、この博物館には国内から出た遺跡が多く展示されています。紀元前の遺跡や土器・石器、紀元後の宗教的壁画などもあり、どれも保存状態がとてもよいのが特徴です。場所は青ナイル川のほとりに位置し、ツチ島にも近いところです。ハルツーム国際空港からも約3キロメートル程度と、アクセスしやすい場所にあります。そして、ハルツームの街を肌で感じられるナイルストリートの散策もおすすめです。この通りは青ナイル川に沿って伸びていて、市のメインストリートにもなっています。通りには地元料理を存分に味わえるレストランや、雰囲気のある店内で美味しいコーヒーが飲める店が多く並んでいます。「シーシャ」という水煙草の店もありますので、愛煙家の人なら一度試してみるのもおすすめです。シーシャは主にイスラム圏で愛されている煙草の一種で、手軽に家では吸えないことから、こうした専門店があります。