ニュージーランド - ケリケリについて

ケリケリはニュージーランドの北島の北部にある街で、温暖な気候と美しい自然が人気の観光地です。ベイ・オブ・アイランズと呼ばれるその地域は亜熱帯気候で湾の中に144もの島々が浮かぶ、ニュージーランド屈指のリゾート地として多くの人々が訪れています。

ケリケリはケリケリ川というベイ・オブ・アイランズの湾に流れ込む川の河口部に面し、海に面した他の街とは少し趣が異なります。緑豊かな森や滝、そしてニュージーランドにおけるキリスト教布教の出発点となった地として歴史的な宗教建築などが多く存在しています。ニュージーランドでは1814年イギリス人宣教師のサミュエル・マースデンがケリケリに伝道所を建設し、キリスト教の布教が始まりました。現在もこの建物は残っておりニュージーランド最古のヨーロッパ建築として保存されています。

ケリケリという地名はマオリ語ですがその由来はよくわかっていません。マオリ族に「カディカディ」と呼ばれていた川に由来するという説や、ヨーロッパ人が入植した時にこの地が広大な草原であったことからマオリ語で「掘り続ける」という意味でケリケリと呼ばれるようになったという説が有力です。また、現在レインボーフォールズと言われる滝がマウリ語で「キディキディ」と呼ばれていたという説もあります。

現在のケリケリは温暖な気候と豊かな土壌により、果樹栽培が盛んにおこなわれています。キウイフルーツやオレンジ、レモン、その他旬のフルーツが道路わきの売店で売られています。また、週末には地産地消の食材や工芸品などが売られているマーケットが開催され、地元の人や観光客でにぎわいを見せています。

ここではニュージーランド北島のリゾート地であり、のどかな自然とゆったりとした時間の流れるケリケリの魅力の一部を詳しくご紹介いたします。

・ミッションハウス
ミッションハウスは、現存するニュージーランド最古のヨーロッパ式建築物として保存されています。1821年に建設されニュージーランド最初の牧師であるジョン・バトラーが居留した優雅な木造住宅は、その後宣教師であるジェームス・ケンプの手に渡りケンプ・ハウスと呼ばれるようになりました。1976年にジェームス・ケンプの子孫から返還されたことで国の所有となり、ストーンストアと共に史跡保存協会に登録されました。

・ストーンストア
ストーンストアはニュージーランドで最も古い石造りの建物です。設計は宣教師のジョン・ホッブスが担当し、1832年から1836年半ばまでかかって建設されました。もともとは農場で収穫される小麦の貯蔵が目的でしたが、小麦の生産が思うようにできず、樹脂の売買所として使われました。現在は史跡保存協会に登録されており、ミッションハウスと共に博物館として公開されています。

・セントジェームス教会
セントジェームス教会はケリケリ川に程近いストーンストアを見下ろす丘の上に建つ小さな教会です。1824年に最初の教会がストーンストアの後ろに建設され、その後1829年に現在の敷地内に礼拝堂が建立されました。その後マオリの人々がケリケリから去っていったため、人口が減少し1840年にはケリケリのミッションハウスは閉鎖されました。しかし数十年の間に再び人口が増加したことにより、1878年に再び新しい教会が建設されました。これが現在のセントジェームズ教会です。

・レインボーフォールズ
レインボーフォールズはケリケリの街から車で10分ほど離れた、ケリケリ川をはさんだ対岸にあります。徒歩の場合はストーンストア、ミッションハウス近くの橋を渡った場所から遊歩道が整備されており、片道1時間のハイキングにぴったりのコースとなっています。滝が幾筋も流れ落ちる様子が虹のようだという理由からレインボーフォールズと名付けられたとも言われています。

ケリケリでは、ベッドアンドブレックファーストと言われる簡易ホテルから自然を堪能できるコテージ、豪華なロッジなど、目的に合わせてさまざまな宿泊施設があります。旅の目的に合わせて自分にピッタリなホテルを探すことができるのも魅力の一つです。

ニュージーランドは比較的治安が良い国だと言われています。しかしやはり海外ですので、スリや置き引きには十分注意し、人通りの多い大通りを通るようにする、夜遅くに出歩かない、大金を持ち歩かないなど、常に自衛の意識をもって行動することはとても大切です。