名称:my son sanctuary
住所:duy phu commune,doy xuyen district,duy xuyen
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/949/
ミーソン聖域は、古代ベトナムで栄華を極めたチャンパ王国の聖なる遺跡群です。チャンパ王国はベトナムの中部に位置するクアンナム省の聖山マハーバルヴァタを囲むミーソン谷の近辺にありました。現在、近辺の都市にはホイアンがあります。
「ミーソン」とは「美山」という意味で、4世紀から13世紀にかけて建造されたこのチャパ王国の聖地遺跡群は、1999年にユネスコの世界遺産に登録されました。特殊な建築技術で造られた遺跡は見ごたえ十分。神聖な雰囲気が漂い、チャパ王国の神々が今も眠っているかのようです。
ミーソン聖域はベトナム戦争で米軍の爆弾などが落とされた場所でもあり、残念なことに貴重な遺跡も甚大な被害を受けました。現在もミーソン聖域内では発掘作業とともに遺跡の補修作業が続けられています。
目次
謎多きミステリアスな遺跡群!ベトナムの世界遺産「ミーソン聖域」
目次を閉じる
ミーソン聖域とは
出典: dinosmichail / shutterstock
ミーソン聖域を建造した古代チャンパ王国。海沿いに大国を構築し、欧米や中国などと交易を広めていきました。チャンパ王国が繁栄した192年から1832年という長い時代に主な宗教としていたのがヒンドゥー教シヴァ派です。その神々を祀っていた場所が、山々に囲まれた秘境ミ-ソン聖域なんです。
現在あるミーソン聖域の遺跡は、7世紀から13世紀の間に建造されたもの。遺跡は目印として、AからLという区分けがしてあります。中でも観光客たちが一番集まっている塔がB・C・D区域の遺跡です。ほかにも未だ解読されていないチャンパ王国時代の文字が刻まれた遺跡などもあり、知的好奇心をくすぐります。
遺跡群には漆喰やセメントなどの接着するものを用いた形跡は一切見られず、古代に人々の高度な建築技術には驚かされるばかり。カンボジアにあるアンコール遺跡ほどの大きなものではありませんが、それより5世紀も古いこのミーソン遺跡には古代の謎とロマンが詰まっていますよ。
ミーソン聖域ヘのアクセス
日本からは東京成田空港・関西空港・中部空港・福岡空港からベトナムのホーチミン又はハノイ空港まで直通便があります。
ホーチミンおよびハノイ空港からダナンまでは国内線を利用して下さい。ダナンからホイアンまでは、バスまたはタクシ-が便利です。ホイアンからミーソン行きには、たくさんのツアーが現地にありますよ。
ミーソン聖域のおすすめポイント①:ミーソン遺跡、B・C・D区
ミーソン聖域の遺跡群の中でも保存状態が良く、観光で最も人気があるのがB・C・Dの区画。ここにはチャンパ王国が信仰してたヒンドゥー教のシヴァ神を祀る祠堂が数多く残っています。
チャンパ王国は4世紀ごろから祠堂を建造しはじめますが、6世紀ごろに火事により焼失してしまいました。そのため7世紀ごろに火に強い、レンガと石によって新たに祠堂を再建したと伝えられています。ここB・C・D区画にあるものは再建されたものの中でも最も古く、およそ1300年ほど前のものとされています。
壁に彫られた神々や動物などの姿は実にいきいきとしていて、装飾のレリーフなども大変素晴らしくぜひじっくりと鑑賞してほしいポイントです。
ミーソン聖域のおすすめポイント②:解読不明のチャンパ文字
ミーソン聖域の遺跡には、チャンパ王国時代を感じられるものが数々と残っています。王国で使われたチャンパ文字もそのひとつ。公用文字であったとおもわれるチャンパ文字ですが、どういう意味があるのか、残念ながら今現在に至っても解明されていません。
いまや様々な古代文字が解読されていますがミーソン遺跡について調査する古代学者が大変少ないということもあり、チャンパ文字で刻まれた遺跡の碑文は謎のままなんです。
流れるようなラインが美しいチャンパ文字、いったいどういう事が書かれているのでしょうか。知的好奇心を刺激する、ミステリアスな文字ですね。
注意事項
ベトナムは2月の終わりから大体10月のはじめが日差しが強く、中でも4月と5月は猛暑となっています。またミーソン聖域は山奥ということもあって、遺跡がある場所には日陰がほとんどありません。そして山ですので、蚊が多く発生する場所でもあります。暑さと蚊の予防対策には、長袖に長ズボン、帽子やサングラスは絶対に欠かせませんよ。飲料水の携帯もお忘れなく。
◎まとめ
多くの謎が残る世界遺産、ミーソン聖域。当時繁栄していたチャンパ王国によってつくられた聖地は、今は山間でひっそりと眠っているようです。カンボジアにある有名なアンコールワット遺跡のように、観光地化されすぎていないところもいいですね。大自然を感じながら静かに悠久のときに思いを馳せてほしい、そんな世界遺産です。